HARLEY-DAVIDSON KNUCKLEHEAD EL 1938
JOYRIDE SPEED SHOP
独立時に製作した
フラッグシップ・モデル
「このバイクは店を立ち上げるときのフラッグシップとして作ったもの。それまでPOSHが長かったからどうしてもPOSH西田のイメージがあるじゃないですか。それで、一台目立つのを作って独立した宣伝をしたかった」
製作後、ハーレー専門誌VIBESの表紙を飾るなど、その名を知らしめたJOYRIDE SPEED SHOP。長年パーツメーカーの現場に携わってきた西田さんの手掛けるバイクは、どんなカスタムスタイルにおいても「走り」を損なうことはない。それは自身がレース活動に熱心なこともあり、走行性には強いこだわりを持っているからである。
同店のフラッグシップとして製作した1938年式ELベースのチョッパー。とはいえ、現在はエンジンケースから中身までほとんど変えているために年式は不明状態とのこと。元はELのケースがダメだったことから始まり、S&S製の新品ケースに交換して、腰上はすべてフラットヘッドパワー製とされた。スペックは西田さん好みのセットアップとされている。
お次は外装である。どこから見てもド直球のセブンティーズ・スタイルで、レーサーという研ぎ澄まされたボディに傾倒する傍ら、’70年代のシルエットも同じくフェイバリットに挙げる彼の世界観が反映されたものだ。
リジッドフレームにオリジナル商品のガーターフォークを装着し、ホイールに前後21/18インチを履かせて基本となる骨格を形成。そこにシックスベント・ハンドルを違和感なく取り付け、意匠をこらしたシッシーバーでまとめ上げている。
同店がカスタムを作る上で配慮するポイントの、整備性についても抜かりない。「出来るだけ気持ち良く走れる状態が長く続いて欲しい」という考えから、見た目とのバランスを取りながら、常に性能面を気にかけている。
例えば、このチョッパーのオイルタンクは直ではなくラバーを介してマウント。それを見えないように処理している。こうした長期の使用でも極力壊れにくいような施策が要所に投じられている。
また、ヒラヒラと快適に走るには当然、安心できるブレーキのセッティングが不可欠となる。そこでも西田さんは確固たる意見を持つ。
「ドラムブレーキでも内部にしっかり手を入れれば制動力は問題ない。普段の街乗りに使ってもコントロール性も悪くないですし、本気で踏めばすぐにロックするぐらい。その辺はしっかりやってます」
HARLEY DAVIDSON KNUCKLEHEAD EL 1938 DETAIL WORK
GIRDER FORK
ジョイライドのオリジナル商品として販売されるガーターフォーク。74スプリンガーと同じスタンダード長だ。
HANDLE
付け方によっては泥臭い印象を与えるシックスベントハンドルだが、巧くスタイリッシュにまとめられる。
GAS TANK
スピードメーターが埋め込まれたタンクはペインターのオスカーローズにより2つの絵柄に塗り分けられた。
ENGINE
S&S製クランクに、腰上はフラットヘッドパワー製となる。ビルダー西田さんの好みのスペックで調律される。
MUFFLER
ワンオフで製作した2in1のターンアウトマフラー。エンド部を微妙にカチ上げることでスピード感が増す。
SISSY BAR
デザイン性の高いシーシーバーに茶色のハイバックシートをセット。乗り心地の良さが伺えるシート周り。
BUILDER’S VOICE
JOYRIDE SPEED SHOP
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