
H-D SPORTSTER 1200 1996
RE:RIDE CUSTOM & SERVICE
アルペジオと高音で奏でる
アリーナ席のヴァーミリオン
「初めてのバイクがハーレー」という話は時折耳にするが、「初めてのバイクがリジッドフレームのチョッパー」となると、その希少性は上がる。
しかもオーナーは、モデルとして活躍する高身長の女性。そこで作り手の山内さんが目指したのは、オーナーの個性を反映した『女性らしさ』と、黄金期の『’90年代フリスコスタイル』のマリアージュである。

このチョッパーの骨格を成すのは、米国の老舗パーツメーカー『パウコ(PAUGHCO)』製フレームだ。しかし、ただの吊るしではない。触れておきたいのは、パウコに直接スペックを指定して製作させたセミオーダーである点だ。

6インチオーバーのロングフォークを設置した際、アンダーチューブが地面と水平ラインを描くよう、ネック角は30度に設定。さらにストレッチ具合も計算されている。
興味深いことに、このオーダーのタイミングがパウコ側の設計リニューアル時期と重なり、同社にとっても新たな試みとなるフレームだったと言う。
母体を彩るペイントワークも外せない。担当したのは福島の『IZANAI』。オーナーが山内さんの過去作のエボリジッドに惹かれたことから、ベースカラーには鮮烈な朱色(ヴァーミリオン)が採用された。

タンクに描かれた「バラとドクロ」は、オーナー本人の強い希望によるもの。女性らしさとマッドネスという相反する要素を両立させるため、あえてステッカー的な拙策な表現を避け、筆による書き込みでアートワークを描出。リボン調の装飾と共に、柔らかくも力強い存在感を発している。
ディテイルの熟度を追求した金属加工は、オイルタンクやマフラーに見て取れる。オイルタンクは’90年代のバレルタンクをベースに、一度バラしてサイズを縮小し、フレーム幅に合わせて改変されたワンオフ品。

マフラーはエンドにショーティーを装着した単一物だが、ピントを合わせたいのはその内側だ。限界まで車体に寄せるため、フレームと干渉する部分を徹底的に「えぐる」加工が施されている。
横から見ればその手間は見えないが、この隠れた造形が、マシンのナローなシルエットを生み出している。

「モデルの女性が乗る」という華やかなキャッチが先行しがちだが、その中身は、作り手が’90年代フリスコの理想を追い求め、初心者でも乗れる操作性とスタイルを両立させた正攻なチョッパーである。
すらりと伸びた手足に絡みあうヴァーミリオンの艶貌。初めての愛車と共に、彼女の新たな四季がここから始まる。
HARLEY-DAVIDSON SPORTSTER 1200 1996 DETAIL WORK

HANDLE
短か過ぎると運転しにくくなることから程良い幅でワンオフ。サイレンサーグリップは’90年代の純正オプション。

FRONT FORK
純正フロントフォークを6インチエクステンド。三つ又にも純正品を使いブラックにパウダーコーティング。

GAS TANK
‘90年代のイメージでキングスポーツタンクを採用。ガスコックとキャップ位置を変更し塗装面積を広く確保。

REAR FENDER
フェンダーにはアイアンスポーツ用の純正レプリカを使用。シートにレザーの風合いが映えるソロタイプを。

OIL TANK
オイルタンクは既成のバレルタイプをバラシてひと回り小さくリメイク。その下にセルスイッチを配置する。

MUFFLER
ショーティーマフラーの内側にえぐり加工を入れ、車体際々まで追い込んでマウント。ナローなシルエットを生む。
BUILDER’S VOICE
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H-D FLH Duo Glide Police 1962





















