
BUELL S1W 1998
SURE SHOT
サーキットで清まる
あの白い衝撃の稲妻
千葉県のテクニカルファクトリーとして、現在、欧州各地でも喝采を博した『シュアショット』による年に一度の天王山。今回その横浜ホットロッドカスタムショーには、チョッパーベースではなく、煽情的なまでのソリッドなカフェスタイルで打って出た。
陶酔のトピックは、ビューエルの常識を覆すリア周りの革新にある。

純正のS1はエンジンのクランクケース下部にサスペンションを懸架する構造を持つが、作り手の相川さんは、サスペンションマウントをフレーム側へ移植するというオペを敢行。
そこに組み合わされるのは、ドゥカティモンスター用の片持ちスイングアームだ。スポーツスターの右チェーン駆動に合わせ、左チェーンのスイングアームを上下反転させて補強部分をすべて切り離して改作。
さらに30mmの延長加工を施し、独自のディメンションを構築した。もちろん、ただ付けただけではない。強度部材には航空機などにも使われる高強度アルミ「7N01材(超々ジュラルミン)」を使用し、徹底した補強が行われている。

精彩を放つのは、車体内側へ追い込まれたリアショックの配置だ。スリムな車体構成を維持するためにショックは斜めにレイアウトされるが、単純なリンク比計算ではサスペンションが正しく機能しない。
そこで相川さんは、3次元的な動きを補正し、スムーズなストロークを生み出すための専攻なリンケージをワンオフで設計。テコの原理を駆使し、30mm延長されたスイングアームと斜めに配置されたショックの整合性を堅実に取っている。

骨格と外装のメタルワークにも、氏が信条とする「デザインと機能の両立」が反映されている。
メインフレームこそビューエルの個性を残すが、シートレイル以降は切り落とされ、7N01アルミ材で新造。シートカウルと一体化したその構造は、気品ある趣と剛性アップを同時に達成している。

燃料タンクの造形も機能美そのものだ。2mm厚のアルミ板をベースに、プレス金型を用いて成形。これにより平面の歪みを排除し、薄くスマートな形状ながら盤石な剛性を確保した。
シートカウル下に配置されたオイルタンクには冷却フィンが刻まれ、空冷エンジンの熱対策とメカニカルな美しさを兼ね備えている。

見栄えだけのショーバイクではなく、速さを求めた結果として生まれたビューティリティ。機知に富んだ金属加工と緻密な計算でねじ伏せられたBUELL S1W「真神」は、ショー会場のスポットライトの下だけでなく、サーキット上でも虹をなす。
BUELL S1W 1998 DETAIL WORK

FRONT FORK
レーシングブロスジャパンに特注した倒立フォーク。三つ又は細かなオーダーを元にテクニカルワークスが作製。

GAS TANK
往年の耐久レーサーを思わすディテイルを抽出。2mmのアルミ板ながら歪み防止と強度を出すためプレス成形。

MUFFLER
レーサーゆえ軽量のフルチタンで創作。排気抵抗が同じになるよう等長で揃え、クロスの軌道がアクセントになる。

LINKAGE
シフトロッドとショックマウントの巧緻なリンケージに同店の流儀が現出。リアショックもレーシングブロス製。

SEAT COWL
シートレイル以降をリメイク。カウル一体のデザインはアルミ7N01材で既遂。カウル下部にオイルタンクを配備。

SWING ARM
ドゥカティ片持ち用スイングアームをベースに改作。30mm延長させ、レバー比などの機能面を厳正に再考。
BUILDER’S VOICE
SURE SHOT
| 住所 | 千葉県八街市八街へ199-1123 |
|---|---|
| 電話 | 043-312-0900 |
| FAX | 043-312-0901 |
| SHOP | SURE SHOTのショップ紹介 |
| 営業時間 | 10:00 ~ 20:00 |
| 定休日 | 水曜日、木曜日 |

H-D FXE 1978





















