
H-D FLSTF 1990
BEANS COMPANY MOTORCYCLE
タイミングが重なる
後光のトリプルクラウン
エボリューションのFLSTFファットボーイ。初期型のみシルバーフレームに、エンジンロッカーボックスやタイマーカバーなどにアクセントのイエローカラーを挟んだ異風モデルだ。当時、映画ターミネーターⅡでのアクションが今でも脳裏に焼き付いている愛好家も多いことだろう。

作り手の朝長(ともなが)さん曰く、このエボリューションのファットボーイでカスタムを進めたかったと言う。
初期型のみに与えられたシルバーとイエローカラーの通な副産物を残しつつマフラーを始めとした細部の作りを詰めていき、更に今回は、コンテナ業を営む同級生とのコラボレーションも実施。発表の場に選んだのは、神戸開催のカスタムバイクショー、『ニューオーダーチョッパーショー』だった。

「同級生がコンテナガレージを販売してて世の中に広めたいなって。じゃあバイクをコンテナの中に入れてカスタムショーで展示するかって。だから最初からニューオーダーに出す予定ではなかったんですよ」
ちょうど好いタイミングで手掛けていたこのフルカスタムを出そうと、オーナーと最終ゴールを共有し、そこから一気に初出展となるカスタムバイクショーへの道程は煌めきを増していった。

米国のヒーロー映画『アクアマン』をテーマにしたチョッパーは、全体のバランスを取るのに一番の労力を費やしたそうだ。最初に埼玉県のSTOOP MC製ハンドルの使用を決めていたため、それに合わせてマフラーの取り回しやシッシーバーの長さを調整。海のイメージを細大漏らさず、オーナーとその都度話し合いながら形象化されてゆく。
「マフラーの取り回しはこだわって作らせてもらいました。上手くいかずに2回ぐらいパイプ投げましたけどね(笑)。まあ冗談ですけど、もう本当に1mmぐらいの隙間を合わせながら作ってったんでそこが大変やったかな」

エボリューションモデルでは珍しいフロントエキパイの取り回し。こうしたミリ単位の攻防は、カスタムに専心するどの作り手も避けては通れない難所であり、それを達成した先に広がる景色こそが自身のプライドである。
また他にも、マフラーエンドの孔穴と合わせたシッシーバー先端の紋様や、シート下に目立たないよう配したウインカーなど得意の箇所は点在する。

今回、カスタムバイクショーへの初出展を果たした『ビーンズカンパニーモーターサイクル』。作り手とオーナー、そして同級生の三者それぞれの脈拍が共振したモニュメント的一台である。
HARLEY-DAVIDSON FLSTF 1990 DETAIL WORK

HANDLE
ハンドルは埼玉STOOP MC製大人プルバックバーで、ライザーは鋳物パーツメーカーFORK製を選択する。

FRONT FORK
レプリカの74スプリンガーフォークを装着。ヘッドライトには極薄型のFNA製パンケーキヘッドライトを。

GAS TANK
タンクにチョッパータンクを設置。塗装は米国のスーパーヒーロー映画『アクアマン』をイメージしたもの。

OPEN PRIMARY
BDL製1.5インチオープンプライマリーをセット。ハンドシフト化に換装し、シフトノブはセブンスヘブン製。

MUFFLER
マフラーエンドに入れた紋様がアクセントに。ホイールはこのモデルの特質となるディッシュをそのまま採用。

SISSY BAR
マフラーエンドのスリットと同じ形状で造作。シンプルながら各所のデザインを合わすことで完成度を高めている。
BUILDER’S VOICE
BEANS COMPANY MOTORCYCLE
| 住所 | 愛媛県松山市余戸西3-2-22 |
|---|---|
| 電話 | 089-904-4820 |
| SHOP | BEANS COMPANY MOTORCYCLEのショップ紹介 |
| 営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
| 定休日 | 水曜日、第3日曜日 |

H-D FXDX 2001
H-D FLSTF 1996





















