
H-D DIVORCE SPORTSTER 2018
SUICIDE CUSTOMS
6年ぶりに凱旋した
キングダムのことだま
世界の名立たるカスタムバイクショーを席巻してきたマシンであり、ショップである。今まで6年もの間、各地のショーを旅してまわり、そのいずれもで高い評価を手中に収めてきた。
欧州最大の『MOTOR BIKE EXPO』や『AMD WORLD CHAMPIONSHIP』、米国屈指の『STURGIS MOTORCYCLE RALLY』など、このマシンが得てきた輝かしいタイトルはもはや、覇者にとっての日常風景ですらある。

トランスミッション部をカットアウトし、6速を装填したディボーススポーツスター。シリンダーヘッドとロッカーカバーをイチからスクラッチビルドしたモーターには、デュアルキャブを配備。
しかしそれらは通例の車体右側への2連装着ではなく、フロントヘッド右側/リアヘッド左側の左右にまたいでセットアップ。より高度で手間のかかる工程を選び構築された。

「基本、バイクの右側を重視して作る人が多いと思いますけど、そうすると反対側から見た時に残念なバイクが結構多い。だから僕は出来る限り左側にも見所が多くなるようにエンジンを作るようにしてます」

フレームはステンレスで製作。外装をはじめ、ホイールやブレーキ周りなど、ほぼ全周に渡ってスクラッチビルドの姿勢が貫かれ、それぞれに一級の仕事が投下される。
この、複合加工機を操りシリンダーヘッドまでも単一製作する物作りの次元は極めて高い。市販品をそのまま使ったのはタイヤとベルトドライブ、チェーンぐらいと語るその内容には、ビルダー坂口さんが賭けてきた人生そのものが透けてのぞく。

設計図に従い切削したフロントフォークは4ピースで構成。トリプルツリーのトップとロワが繋がっているように見せるためカバードをかけ美装された。
次にガスタンクは、まずメインのタンクを先に創作しておき、その両側にスリットを入れた3Dカバーをインセット。これは先に削り出した鉄板を用意し、それをガソリンタンクをジグにした感じで叩き出し、合わせて成形したものだと言う。
更に天板部である。複層的なそのデザインはビードローラーを使い膨らませたものではなく、レーザーカットで一枚ずつ切り出したものを重ね合わせて綺麗にスムージング処理したもの。パッと見では分からないこうした途方もない工数は、どのセクションを見ても同様に費やされている。

由緒ある世界中のカスタムショーではこれまで常に注目を集め、そしてこれからも集めるであろうことが約束された『スーサイドカスタムズ』。日の丸を背負って立つビルダーの未来は、かけがえがない。
HARLEY-DAVIDSON DIVORCE SPORTSTER 2018 DETAIL WORK

FRONT FORK
フロントフォークはマシニングで切削したビレットセクション。ハンドルは複合機を使い3Dデザインに成形。

GAS TANK
セパレートハンドルにはアクセントの立体的造形を付加。タンクは天板と両側に至妙なデザインが与えられる。

ENGINE
シリンダーヘッドとロッカーカバーをスクラッチビルドしたアイアンモーター。ギアボックス部をカットアウト。

MUFFLER
なだらかな曲線を描くマフラーはフレーム同様にステンレスで製作。FCRキャブを左右に隔てデュアルマウント。

SEAT RAIL
アルミ板を叩き出して成形したシートレイル一体のリアフェンダー。シートは盟友のビルウォールレザー製。

REAR END
リアアクスル前部にメタルボックスを設置。ホイールは単一品で、ナンバープレートの造作にも手抜かりはない。
SUICIDE CUSTOMS
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| 定休日 | 無休 |

THUNDER MOTORCYCLES HARDTAIL
H-D SHOVELHEAD 1979







