H-D PANHEAD 1952
ENDO AUTO SERVICE
ホイッスルの鳴らない
ヴィンテージとの蜜月
リジッドフレームにレプリカのVLスプリンガーフォークを実装。そして懐に抱くのは’52年製パンヘッドモーターである。
ガスタンクやリアフェンダー、マフラーといった主要なエクステリアには変化球を嫌い、王道のパーツチョイスで軍備。シンプルに統制されたオールドスクールのチョッパーは、もうそれだけで凛とした佇まいがある。
製作は、グースネックフレームのカスタムで鳴らす『遠藤自動車』。ただ敢えて断っておけば、取り扱う絶対数からどうしてもグースネックカスタムが前面に出てくるものの、一方で、こうしたオールドスクールやロングフォークチョッパーも並行して執刀。
実情は日々多様なカスタムを、オーナーの要望に耳だけではなく全身を向けながら孜々(しし)として繰り広げているショップである。
「この車両はオーダーメイドで何もない状態からお客さんと打ち合わせして作ったものです。やっぱり乗りやすいカスタムバイクということを結構気にされてたのでサイズ的にもコンパクトなものにして、そうすることで取り回しも良くしてますね」
マネージャーの大柿さんは乗りやすさに配慮しつつ、デザインにも着意したと続ける。乗りやすさだけを考えた場合フォークはテレスコタイプの方がベターだが、そこはオーナーの好みを優先してスプリンガーを選択。しかし乗り心地の配慮を怠ることはなく、このチョッパーには意外にもセルモーターを搭載する。
「ハンドルの形状だったりシートや足のポジションだったり、そういうのは結構繰り返し煮詰めた思い出があります。何度か足を運んでもらって実際にまたがってもらってを繰り返して、あとはセルモーターですよね」
このオールドスクールのチョッパースタイルでセルモーターを付けたところがポイントだと言う。装着にあたっては、オイルタンク下部の加工やセルマウントの強度改修に人知れず苦心するが、そうした労力の跡を見せることなくスマートに着地。世の作り手たちの多くは、こうした手間暇かけたパートを素知らぬ顔でやり過ごす粋がある。
聞けば、オーナーにとってはこのパンヘッドが初ハーレーだそうだ。この一台に乗るために大型免許を取得し、『遠藤自動車』の門をたたいた。そして選んだのは、旧車のパンヘッド。
高年式車に比べれば少なからず心が折れる車両だが、それにも増した何かがきっとその先にあることを、臨界のヴィンテージラバーらは知っている。
HARLEY-DAVIDSON PANHEAD 1952 DETAIL WORK
HANDLE
絞りを利かせたプルバックハンドルはワンオフ。オーナーのポジションに合わせて製作。これが2本目だと話す。
FRONT FORK
レプリカVLスプリンガーを選択。フレームダウンチューブにムーンアイズ製エマージェンシータンクを付帯。
GAS TANK
スポーツスタータンクを装着。カラーはしっとり落ち着いたブルー系で彩り、シンプルなグラフィックが入る。
OPEN PRIMARY
BDL製オープンプライマリーにカバーは単一で造作。純正ホースシューオイルタンク下にセルモーターを配備。
MUFFLER
エキパイはワンオフしサイレンサーにトランペットタイプを合わす。快活なエキゾーストノートを奏でる。
FENDER STAY
汎用サイクルフェンダーはフラットタイプのステーで支持。チェーンカバーとデザインを合わせ統一感を計る。
BUILDER’S VOICE
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