H-D XL1200S 2001
FONK MOTORCYCLE
港湾街で発光する
銀白のパンチライン
日本を代表する瀟洒な港湾都市として東の横浜市と双璧をなす西の神戸市。その洗練された空気感をバックボーンに、トレンドを押さえつつ独自のポートカルチャーを導いてきた地において、着々と評判を集めるカスタムショップだ。
店に集う客層は若手からミドルまでが主で、神戸特有の雰囲気をまとった感度の高いバイク乗りたちで活況を呈している。そしてその中心にいるのが店主の淡路さんで、日々街中に映えるスマートなカスタムを送り出している。
「元々はレースバイクのトラッカーを街中で走れるように落とし込んだっていうところです。まあ後ろに下がるというよりは前に進んでいくようなデザインにしたいと思って作ったところはあります」
その中で外装は、昔あったトレイシーボディをまんま真似するのではなく自分なりの解釈で形にしたものらしく、また、このアルミ材を使用したワンピースボディがカスタムのポイントにもなっている。
「アルミにしたのは単なる好奇心というのが大きいです、やってみたいと。自分にとって初めての経験で、素材の性質上ごまかしが利かないというか、よく見たらぼこぼこなんですけど(笑)。ただまあ自分の、現時点での力を持ってというところです」
型紙を作ってはそれをあてがい、納得した形状まで煮詰めた後にアルミ板を切削してそれを接合。アナログな手法を繰り返して具象化したボディはワンピースとされ、そこには鉄でもFRPでもなく、出来るだけ素材を活かしたところで勝負したかったと言う作り手の想いも込められている。
スタイリング的にはリアのみインチアップの前後19/18インチとされ、モーリス製ホイールを装着。純正フォークにはレーシーなテイストを盛り上げるアルミ製ライトカバーとプロジェクターランプをセットし、マフラーのスーパートラップがまた往年のレースシーンをフラッシュバックさせる。こうしたソリッドなメタルの質感と、どこか土っぽさを醸すディテイルとの化学反応が得も言われずに水際立つ。
今回の一台は、神戸で開催されたカスタムショー、2023ニューオーダーチョッパーショーで『ホットバイクジャパンピック』に輝いたマシンでもある。
1991年から、誰よりも深くカスタムバイクの喧伝につとめ、そしてインプレッションという形でそのあまたある魅力を誌面で伝え続けてきた編集長の池田伸自らが選んだ一台というただそれだけで、このマシンに関しての説明はもう不要だろう。
HARLEY-DAVIDSON XL1200S 2001 DETAIL WORK
HANDLE
ストリート仕様に落とし込んだトラッカースタイルのバーハンドル。既成品をモディファイして装着する。
FRONT FORK
フォークは純正アジャスタブル式。アルミ製カバーにプロジェクターランプをセット。ブルーのピンラインが入る。
FRONT WHEEL
フロントとリア共にアイアンスポーツ用モーリス製ホイールを選択。キャリパーは制動力の高いウィルウッド製。
ONE-PIECE MOLDING
現時点での技術とアイデアを出し切ったと話すアルミの一体ボディ。潤筆はピンストライパーPOTSが担当。
MUFFLER
かの時代のレースシーンを思わすマフラーにはスーパートラップ3インチを。アップタイプでムードを盛り上げる。
REAR WHEEL
インチアップさせた18インチのモーリス製。ショックはYSS製13.5インチでキャリパーはウィルウッドを配備。
BUILDER’S VOICE
FONK MOTORCYCLE
住所 | 兵庫県神戸市兵庫区永沢町2丁目6 高架下52号 |
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電話 | 078-955-9825 |
FAX | 078-336-3326 |
SHOP | FONK MOTORCYCLEのショップ紹介 |
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定休日 | 木曜日 |