H-D Pan America 1250 2021
LUCKYS CYCLE SUPPLY
アドベンチャーで周回する
未開のスピードジャスティス
兵庫県加古川の根っからのスピードフリークが、相応の期待値をもって目を付けたアドベンチャーモデルの『パンアメリカ1250』。メーカースペックによれば、水冷式パワートレインは150馬力をマークすると言う。その値が後軸ではなくエンジン出力だとしても、こうした分野で日々苦闘し続ける傑士(けっし)が捨て置くはずはない。
「実際乗ってみたいのと、あと今のハーレーのエンジンってこれとミルウォーキーエイトでしょ。ビッグツインは比較的乗り回ったんで次こいつの番かなと。作り手が乗っとかんと偉そうなこと言われへんでしょ(笑)」
この言葉だけを取ってみても、店主澤田さんの人となりが現れている。お客さんに勧める以上は自分が誰よりも理解を深めなければならない。もちろんそこには『自分も走りたい』という持って生まれた気質が多分に含まれてもいるが、経験していないことを知った顔して口に出すタイプの人間では一ミリもない。
「またがったことある人やったら皆が言うんすけど、足つかへんって。電動でリアサスが下がるモデルもあるけどどうせ壊れるじゃないですか。だからいらんなあと思ってリア周りを換えてます」
そこでまず、シートレイルの製作に着手。鉄パイプで構築したフレームの表面処理には、チッピングコートで化粧。これはレースカーのボンネット内部などによく見られる手法で、その雰囲気にしたくて行った箇所だそうだ。そして、カウルにはHRC(ホンダレーシングコーポレーション)のRSのパーツをセット。ちなみにRSといえば1980~’90年代にかけての競技専用のロードレーサーである。こうしたチョイスからも、氏のバックグラウンドが遠くの方で脈打つのもまた面白い。
「あとはコンピューターの書き換えですね。でもこれ、最初はリミッター効いて180km以上でえへんってことやったんすけど、200km出しても効かへん。で展開してみたら240kmで設定されてたんですよ(笑)。今は230後半ぐらいまではメーターで確認は取れましたね」
サーキット走行とストリートでの実走を自身の仕事にフィードバックさせるが、そもそもそのスピード領域を語れる作り手自体が少ない。全国的に見てもごくひと握りなだけに、そのノウハウは格段の価値を持つことになる。
「コストパフォーマンスが絶対良いので、乗るのが好きな人にはオススメしたいですね。まあそんなんの手助けになったら良いなと思って先立ってやってる感じです。それが良いんかは別としてね(笑)」
HARLEY-DAVIDSON Pan America 1250 2021 DETAIL WORK
HAND GUARDS
ロードレーサーといえばこれ的なハンドガード。サーキット走行するにあたって付けたかったと話すパーツ。
UNDER GUARDS
ノーマルのエンジンガードを外し、その下側のネジ穴を使ってSS用のガードスライダーを装着。雰囲気を高める。
FRAME
シート下の付け根から新たに用意したフレームに換装。表面はレースカーに見られるチップコーティング処理。
SEAT
シートはずり防止用としてごくシンプルなタイプをあてがう。元々の付属品の型を取りおこしてセットする。
REAR COWL
リアカウルにはHRCのRSタイプを選択。サーキット走行用のテイストを出すには必須のレーシングパーツ。
MUFFLER
マフラーにTBR製スリップオンを設置。タイヤをラジアルタイヤに換えて、周回とストリートの双方をこなす。
LUCKYS CYCLE SUPPLY
住所 | 兵庫県加古川市尾上町養田431-6 |
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電話 | 079-422-5660 |
FAX | 079-422-5660 |
SHOP | LUCKYS CYCLE SUPPLYのショップ紹介 |
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定休日 | 木曜日 |