H-D FXD 1998
SURE SHOT
ネオクラシックを冠した
響きのストリートトラッカー
前回の2021年、そして前々回2019年の横浜ホットロッドカスタムショーの覇者として誉れ高い千葉県の『シュアショット』。例年、し烈な頂上対決を繰り広げる本格派の新作は、やはり息を押し殺さずにはいられないものがある。
コンセプトはネオクラシック・ストリートトラッカー。明確なイメージを掲げた上で、縦横無尽に小爆発させるテクニックの数々。そしてそれらをオートバイとして見た時に、一番落ち着く絶景へと導くのがビルダー相川さんの術(すべ)だ。
「ネオクラシックなんで、ただ古い雰囲気を作るのではなく古いのと新しい構造を混ぜた感じです。見せ場的にはフレームとフロントフォークとか、まあほとんど作り変えてるんで全部ですよね」
確かに。年に一度の大勝負に挑むマシンの見せ場が限られているはずもない。ひいては、どのディテイルを見ても二度見せざるを得ない衝撃が潜んでいる。まず、モノサス化したフレームからいきたい。
全体をスリムにナロードする手法は同店の真骨頂だが、そこへ信頼に足りる機能性も投下。ノーマルの四角いメインチューブは、同等の強度を確保した肉厚のだ円パイプへと換装し、太さを目立たせることなくスタイリッシュに着地させた。
次にスイングアームは、純正仕様の鉄では重すぎることからアルミ材で製作。しかし単純に軽さだけを狙ったのでは強度が出ないことから、航空機強度の超々ジュラルミン材の角パイプを用いて骨格を構築。その上から同じジュラルミン材を貼っていくことで更なる強度アップを図っている。
一方、前後サスだが、フロントフォークは先進的なレーシングブロス・ジャパンのエアショックを組み合わせたもので、そのショック上は無垢棒をくり抜きパイプ型にした後に、外側をテーパー状に旋盤で切削。路面追従性に優れたボトムリンク式としている。また、リアのモノサスにも同じくレーシングブロス・ジャパン製をセットし、高性能な足周りとされた。
「前後のホイールのデザインを見せるために、通常ディスクブレーキは左にチェーンが来るんで右に付くんですけど、それを左側のチェーン内側に隠して右側は前後ともホイールのみが見える作りにしてます」
この右側からのクリーンな装いは、こうした徹底した留意と計算から成るもので、それらは鮮やかなまでに全体に包有。一度見ただけでは理解の及ばないところでの表現は、年々後を引く余韻を響かせている。
HARLEY-DAVIDSON FXD 1998 DETAIL WORK
FRONT FORK
レーシングブロス・ジャパン製エアショックを採用したボトムリンク式。治具を用意し、無垢棒を削り込んで成形。
FRONT WHEEL
ディッシュホイールを切削してキャスト風とした。左側のディスクブレーキはフローティングタイプとなる。
GAS TANK
アルミで叩き出したガスタンク横に、ダウンドラフトのFCRを2連装着。インテークマニホールドは単一で製作。
MONO SUSPENSION
シートカウルもアルミで作り、左右のフレーム間にはレーシングブロス・ジャパン製サスを前後に水平マウント。
MUFFLER
トリッキーながらスタイリッシュな造形が持ち味。サイレンサー部はアルミ材で、エキパイはスチールとなる。
SWING ARM
超々ジュラルミンのナナエヌ材を使用したスイングアーム。ホイールとチェーン間にディスクブレーキを忍ばす。
BUILDER’S VOICE
SURE SHOT
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SHOP | SURE SHOTのショップ紹介 |
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