H-D FXE 1980
HOT SPICE CUSTOMS
雑音が届かない
まっさらな境地
昨年末の2022横浜ホットロッドカスタムショーで『ホットスパイスカスタムス』が出展した3台のショーバイクは、放射状にキラついていた。程よくフロントの伸びたロングフォークチョッパーを彩る、色鮮やかなペイントワーク。それらスカイブルーやオレンジ系の都会的な配色もさることながら、ストリートに溶け込む上品な空気感が見る人の興味をさらっていた。
そして今回は、そうしたショーバイクとは対照的なライトカスタムを施したショベルヘッドのFXE。あまり手を加えずにまとめた一台だそうだが、先のたっぷり時間をかけて傾注するカスタムからこうした軽めのものまでを同軸で進行させるふり幅が同店のアドバンテージだ。
そこに店主笠井さんの忖度(そんたく)はなく、頼られたものを全力で形にするだけ。お客さんが喜ぶ時間をただ共有したいだけ、という極めてシンプルな理由があるのみである。なので、それがゴリゴリのフルカスタムだろうがライトなものだろうが構わずに、訪れるお客さんの要望を芯でとらえてはフルスイングの快音を鳴り響かせている。
「大人っぽく仕上げた感じですね。これはそこまで手は入ってないです。ガスタンクを加工してるぐらいで、あとは基本的にボルトオンのパーツを使ってます」
近々納車予定だったこのショベルヘッドは、和歌山県からのお客さんだそうだ。本人が探してるタイミングでちょうど同店に入荷したことで、見に来てもらうや即決で話はまとまった。
そこでまず、乗りやすさの改良を前提にして、ステップ位置がフォワードだったものをミッドコントロールに変更。合わせて1次ドライブはクローズドタイプからオープンベルトへ換装された。次に、ガスタンク。こちらはスポーツタンクのキャップ位置を中央から右側にずらし、ワッセル製キャップを使って閉塞。「汎用品をそのまま使うのも面白くないんで分かる人だけ分かってくれたら」と、パーツの存在感同様に控えめである。
ハンドル周りや前後フェンダーなどは純正品で、手を入れた箇所といえばシートやマフラーに社外品が用いられている程度。が、笠井さんにとって乗る分にはかえってこれぐらいがちょうど良いようだ。
「ゴリゴリのカスタムに比べるとカッコつけずに乗れますね。もう気軽に、何も考えずに乗れるというのが僕の中で一番大きい。あんまり肩ひじ張らずに乗れる仕様なので、こういうのが増えていったら良いですよね」
HARLEY-DAVIDSON FXE 1980 DETAIL WORK
FRONT FORK
フロントフォークやフェンダー、ホイールなどは純正をそのまま使用。ストックの良さを残した大人仕様とのこと。
GAS TANK
特徴的な通称ゴキタンからスポーツタイプへ変更される。描かれたグラフィックは店主の知人が担当したもの。
ENGINE
S&S Eキャブを装着し、エアカバーはデッドストックの丸型を選択。操作系はミッドコントロールとされた。
SEAT
シートにハードライド製コブラシートをセット。純正品とボルトオンパーツを組み合せて肩ひじ張らない仕様に。
MUFFLER
歯切れの良いサウンドを奏でるダウンマフラー。イメージと合致するため入荷当初からの物をそのまま用いる。
REAR END
純正リアフェンダーに汎用のシッシーバーを合わせる。こうしたライトカスタムは一番気軽に楽しめると言う。
BUILDER’S VOICE
HOT SPICE CUSTOMS
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