H-D KNUCKLEHEAD
BIKE GARAGE KOKORO
スピードフォルムに透ける
えぐみの『スターライナー』
「一番はやっぱりオーナーさんがスピード出してチョッパーに乗りたいというのがあったので、それにしっかり対応できるフレームの用意ですかね。まずそこの骨格を準備して、トレールもちゃんと出してあげて、そこですかね」
昨年の『2021横浜ホットロッドカスタムショー』でBEST CHOPPERを受賞した一台である。あれほどの出展台数の中からチョッパー部門の最高位に選ばれるだけあって、ソリッドな存在感だけではない美的風体を備えたファーストレイトだ。
作り手の内田さんに聞けば、屋台骨となるフレームに専心しつつ、いつものごとく全体のバランスを見ながらまとめたチョッパーだそうだ。そしてこのバランス感覚こそが『バイクガレージココロ』の天与で、ベタついた所のない悩ましいほどのボディバランスが見る者を焚きつける。
「バイクの綺麗な流れを作るのがまず第一条件です。あとは自分の中で出せる『えぐみ』だと思います。ウチにしか出せないえぐみというのを出せているのかなと。その辺は結構考えながらやってますね」
タンクのマウント位置然り、ハンドルの高さやヘッドライトの装着箇所、フェンダーの長さ、マフラー形状と、あらゆる部位に氏の話す『えぐみ』が織り込まれている。言ってしまえば全部だと笑うそれは逆に、一つひとつを丁寧に詰めていかなければ決して出てこないものだ。
さて、見た目もさることながら、ココロのチョッパーは走りも同次元でいかつい。「どうしたら快適なスピードランが楽しめるか」に目を光らせた乗り味は、内田さん自身時間さえあればバイクを乗り回すフリークなだけにまやかしがない。
「これは位置的にはハンドシフトになりますよね。要はスピードを出した時にハンドルから手を離すって物凄い恐い。ジョッキーシフトなんてなおさらですから、そこですぐ手が届く位置にないととてもじゃないけど乗れないかなっていうのがあったりします」
考えているのは『走りの完成度』である。ただ走れば良いのではなく、オーナーの意見を汲み取った上で、街中でも高速でも望んだ速度域でストレスフリーなひとときが楽しめること。その局部を考えた結果が、曇りのない像となって可視化される。
「車高も低すぎない丁度いい所にしてます。だから峠に行ってもある程度は走れると思います。あとはオーナーさんが高速で飛ばしたいというのがあったので、少しだけネックを寝かしてトップスピードが楽に出せるようにしてますね(笑)」
HARLEY-DAVIDSON KNUCKLEHEAD DETAIL WORK
FRONT FORK
ナローのトリプルツリーに41φフォークをセット。インナーチューブはDLCコーティングを施行し黒系に統一。
GAS TANK
両側のエンブレムを埋め込んだ立体的造形やガスキャップ部のオーナメントなど、シンプルさの中に美が宿る。
HAND SHIFT
高速走行時に手を離しても極力恐くない位置に着装。作り的にも曲線を基調とした艶めかしいデザインで造作。
SEAT
一つひとつのディテイルの完成度が全体の仕上がりを増進させる。プレート上にハンドメイドシートを搭載。
FENDER STAY
ゆるやかなアールを描くモダニズムなステーは上側を三次元で削り上げ、下側は差し込みデザインとされた。
MUFFLER
全体バランスを加味した長さに設定したストレートのハイパイプマフラー。中間点でわずかに太さをアップ。
BUILDER’S VOICE
BIKE GARAGE KOKORO
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FAX | 0553-22-9996 |
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