H-D FXSBSE2 Breakout CVO 2015
VIDA MOTORCYCLE
上級ファクトリーカスタムを
更なる高みへといざなう野心作
福岡のヴィダモーターサイクル。ヴィダといえば、近年はスピードクルーザーやパフォーマンスバガーを手がけることで知られるが、これまで数多のフルスクラッチチョッパーをも製作するなど、その守備範囲は極めて広い。
今回紹介するマシンはブレイクアウトCVOをベースとしたカスタム。ヴィダとブレイクアウトとは意外な組み合わせであるように感じたが……。
代表の大久保さんはこう口に出す。「実はこれまでも何台かブレイクアウトは作っているんです。ブレイクアウトが出る前から何台もソフテイルのワイドタイヤを作ってきてますし。そんな中でも、今回のマシンはウチでも一番のカスタムかもしれないですね」。
車体を見ると、ホイールを23インチにアップし、5度レイクのトリプルと2インチロングのインナーチューブでフロント周りのチョッパー感が強められる。そしてリア周りにはワイドスイングアームを用いて300サイズのワイドタイヤが履かせられた。この同店が得意とするユーロ系チョッパーにも通ずる、粗野さと流麗さを合わせ持つ均整の取れたフォルムがヴィダの真骨頂だろう。
パーツや技法の軽妙なチョイスに定評のある大久保さん。このマシンにもその造詣を感じさせるパートが多く存在する。例えば、鈍色の輝きを持つインナーチューブ。
「これはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)というコーティングで、本来は主にエンジン、ギアやカムシャフトなどの摩耗防止のためのものなんです。インナーチューブに使うことで潤滑性の向上も期待できるし、そのユニークな塗面も魅力的だった。本来性能を上げるためのモノですが、ドレスアップを兼ねて使ってみようと思ったんです」
常に新たなモノを求め続けている大久保さんらしい選択だ。エンジンなど随所に輝きを見せるメッキ、差し色のブラック、そしてこのコーティングと車体の塗装。その計算されたカラーバランスに思わず見惚れてしまう。
また、このマシンを語る上で欠かせないファクターが塗装だ。ヴィダから程近い場所に工房を構える『カメレオン』の3Dペイントを随所に用いた仕事は見る者の度肝を抜く。その非凡なるペイントに、「こんなに細かく、丁寧に塗れる人は他にいない」と大久保さんも賛辞の言葉を惜しむことはない。
絶妙に均整の取れた車体構成に、他に類を見ない塗装。加えてそれらが融合した至高の一台。冒頭で大久保さんが語った通り、ヴィダ史上最強のブレイクアウトだ。
(写真・文/マツモトカズオ)
H-D FXSBSE2 Breakout CVO 2015 DETAIL WORK
HANDLE
コントラストカットが施されたハンドルに見えて、実はこれも塗装というから驚く。恐るべし、3Dペイント。
FRONT WHEEL
PM製23インチホイールに、ブレンボのラジアルキャリパー、ディスクはガルファーの13インチをチョイス。
PAINTWORK
最上面に塗装されたロゴが、その奥の塗面に影を落とす。この信じ難い程の塗装技術こそが『カメレオン』の技。
PRIMARY
プライマリーはコントラストカットを施したPM製を選択。メッキの多いエンジン周りに黒の差し色が映える。
MUFFLER
マフラーはバーンズステンレスの2in1エキゾーストシステム。パイプのカラーが外装色とマッチングする。
REAR TIRE
ドライブサイドブレーキの採用によりディスクが隠れ、その存在をより強烈にアピールする300ワイドタイヤ。
BUILDER’S VOICE
VIDA MOTORCYCLE
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