H-D UH 1938
GRASS HOPPER MOTOR CYCLE
夢中が焚きつける
黙礼のレストレーション
関東の各所で門下生が活躍する『グラスホッパー一門』。その総本山、茨城県水戸のファクトリーで采配を振るうのが主の山田さんで、店内は噂を聞き付けてやって来る、SOSを発した旧車で常にあふれかえっている。
カスタムというよりは修理屋の色が濃い同店だが、出展を続ける『横浜ホットロッドカスタムショー』では、毎年その懐の深さを提示。決して修理屋の枠だけに収まらない伸びしろで、一門の長としての存在を知らしめている。
「オーダーはまあこんな感じにっていう。なんて言うんですかね、まあシンプルなチョッパー(笑)。特別なことは何もやってないです。ただフレームがジャンクだったんでそれをオリジナルに戻して」
‘38年式UHが素材の一台は、当初フレームが上方にカチ上がったドチョッパー状態だったそうだ。それを元に戻すため、オリジナルの寸法に合わせてレストレーション。難易度の高い鋳物のピースについても丁寧に加工をほどこし直されていった。
「得意かって? まあ嫌いじゃないですね(笑)。フレームストレッチしたりとかはそんなですけど、エンジンだけじゃなくフレームをオリジナルに戻したりは好きですよ」
外装のパーツにしても旧車に造詣が深い氏ならではの選定だ。フロントフォークなんかが最たる例で、一般的なVLではなくリアレッグ周りは当時物のRLフォークを使用。また、タンクも往年のワッセルで、マフラーにはスーペリアを装着。そして次に、得意のエンジンだ。
基本的にはベース車にちなんだサーティーズでオーバーホールする手法だが、鉄製のシリンダーヘッドのみアルミに変更。ほかは、純正のリンカートM51キャブも含めて、当時のフィーリングを活かしたオリジナルのセットアップで組まれている。もちろん、その調律の具合は極めつき。各地から訪れる救援待ちの車両の多さが何よりの証しだろう。
キラキラとしたショーバイクではなく、グッと渋味を醸したチョッパーを前に、氏はどちらかと言うとこういったシンプルなスタイルが良いと人好きのする笑顔で話す。フレームの修正を含めたらそれなりの手が入っているけど、シンプルに、シンプルに。
「正直あんまりいじり過ぎると疲れるじゃないですか。乗ってて飽きが来たら大変なことになるし。これぐらいの感じだったらイメージを変えようとハンドルを交換してもおかしくないでしょうから」
HARLEY-DAVIDSON UH 1938 DETAIL WORK
HANDLE
ほど良い高さのライザーとエイプハンガーの組み合わせ。車体バランスと調和したスタンダードな仕様となる。
FRONT FORK
フロントレッグは45タイプでリアレッグ周りは当時物のRLフォークを採用。元々の黒色をクローム処理。
SEAT
シート周りはワンオフ。全体のカラーに合わせたブラックレザーは直マウントではなくスプリングで支持する。
PRIMARY
社外プライマリーに、操作系も奇をてらわずソリッドな丸棒で構成。エアクリーナーカバーはAEEレプリカ。
MUFFLER
普遍的な存在感を見せるスーペリアマフラー。シンプルなフォルムなだけにパーツ一点一点の選択が重要となる。
SISSY BAR
オーナーのデザイン指定だったと言うシッシーバーは六角棒を使い製作。テールライトはルーカスタイプ。
GRASS HOPPER MOTOR CYCLE
住所 | 茨城県水戸市杉崎町152-1 |
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電話 | 029-259-4746 |
FAX | 029-259-4746 |
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定休日 | 水曜日 |