7月の第4土曜日に、キャブレター車オンリーの夜の集いがあると聞き、早速現地へと足を運んでみた。すると、集合場所に続々とやって来るのは個性豊かなカスタムマシンばかり。乗り慣れたオーナーとのあんばいがまた、実に絵になっている。
今回で5回を数える同イベントは、運営側が適正なルールのもと行っている催事とあって、夜のバイクイベントにありがちな野卑な雰囲気は皆無。大人のムードが全体に渡って漂う、なんとも心地のいい、ジェントルなものだった。
(写真/磯部孝夫)
ハーレーにまつわるイベントは多々あるものの、千葉県から湾岸線あたりに本陣を敷いた催事がないことに端を発したナイトイベントである。そして、参加条件はキャブレター車であること。
今回で5回を迎える『湾岸キャブレターズ』は、7月の他に1月、4月、10月の第4土曜日の、年間で4回開催。回を重ねるほどにその認知度は広がり、夜の催事でありながら先日は約80台もの車両が打ち集った。
集合場所の首都高湾岸線市川PA西行きには、午後8時ぐらいからぽつぽつと参加者が来訪。ナイトランの準備が始まる9時ごろにもなれば、駐車場内は見応えある車両で埋め尽くされる。
運営陣が重きを置く「バイクとオーナーが一致するイベント」とあって、参加者同士の距離感は近く、初対面の人とも無理なくコミュニケーションが取れるなごやかな空気感も特徴的だ。
ナイトイベントにありがちな行儀の悪さなどはなく、逆に落ち着いた趣(おもむき)あるムードが流れているのも独自色のひとつ。これらは厳格なルールのもと采配を振っていることによるものだろう。
運営陣が憎まれ役を買って出るからこそ、参加者たちは安心して束の間の時間を満喫することが出来る。実際、これほど多くの車両が集まっていながら秩序が保たれている光景は壮観ですらある。
集合から小休止を終えた午後9時ごろから、いよいよナイトランの準備が始まる。目的地は約60km先の第三京浜の都築PAで、アテンド無しの、それぞれにフリーランの形で走り出す。
都築PAの目的地まで行くかどうかは各々の自由で、ある程度走りを楽しんだらそのまま帰路につくのもありである。こうした下手な縛りのない社交場の提供も同イベントが大切にするところだ。
最後まで走り終えた参加者らはその場で自由解散。そこで長居するでもなく、さっぱりと引ける姿もまたスマートだ。はたから見て安定感があり、それがイベントとしての安心感を司っている。
「走る」「いじる」「見る」「見てもらう」。湾岸キャブレターズはこの4つがキーワードだ。何より、バイクとオーナーの一致した姿が見れる、フランクなイベントの開催が本旨である。
「乗り手とバイクをマッチングさせたい。このバイクにはあの人が乗ってるんだ、あの人のバイクはこれなんだって、気軽に声をかけられるようなイベントをしたかったんです」
主催者の拓也さんは、気になったバイクがあればすぐオーナーと話せるような大人の社交場を作りたかったと言う。そしてまた、交通遺児育英基金の募金活動も行い、親を亡くした子供たちの育成に助力している。
イベント名 | 湾岸キャブレターズ 5th |
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開催日 | 2023年7月22日 第4土曜日 |
集合場所 | 千葉県/首都高湾岸線 市川PA西行き |
目的地 | 神奈川県/第三京浜 都築PA |