新潟県で1991年に創業したハーレーパーツの供給会社『スリーマイルズTC(テーシー)』。その昔はいちカスタムショップだったという経緯もあって、よりプロフェッショナルの視点に立った、現場でリアルに求められる部品をスピーディーに供給することでも知られた老舗である。
そして、現在はパーツ供給会社として全国のプロショップへ要望に応じたプロダクトを的確に送り届ける日々を送るが、同カンパニーの最大の強みは、スタッフのほとんどがハーレー乗りであること。営業から事務方の従業員までが皆ライダーであるメリットは高く、専門的なアドバイスを始め、好きだからこその目線で生まれる会話からはおのずと信頼関係が育まれてゆく。
ここでは、その『強み』に照準を合わせて、スリーマイルズの今にコンタクトしたい。
スタッフのほとんどがハーレー乗りである。しかし、ここが特別バイクショップなわけではなく、ハーレーの部品を供給するいち企業だというところにもの珍しさがある。
ハーレー乗りが集まって来たのか、あるいは働いていく過程で乗るようになったのか。そのどちらなのかを尋ねれば、どちらでもあるようだ。なるほど、いずれにしても乗らずにはいられない土壌がスリーマイルズTCにはあるようだ。
男性ばかりでなく、事務方の女性スタッフも生粋のハーレー乗りである。そして、ただの愛好者の枠に留まらず、全スタッフに共通する『カスタムファン』というのもひとつのアドバンテージだろう。
バックヤードには各自の車両が並び、そこに工作機械も配備されるなど、スタッフが実践を通じて学べる環境が整えられている。最近はそこにローライダーSTが仲間入りし、旧車のみならずニューモデルの対応にもフレキシブルだ。
代表の木原さんはこの、スタッフがハーレー乗りである点を特長に挙げるが、実際に仕事する上でもかなりの意義があることを身をもって体感してきた。例えば、全国の業者の立場が理屈ではなく感覚的に理解できたり、在庫のない商品の代替品の提案だったりと、それらは多岐に渡る。
また、専門的な質問に関してはメカニック出身のスタッフが相談にのることで、パーツ販売の範疇を越えたサービスを付帯している。
そもそもの創業の原点がカスタムショップであったように、現在の形態こそ違えど、その主柱に流れる血筋は変わっていない。カスタムが好きであり、ハーレーが好きであること。
単に仕事とだけでは割り切れない、ハーレー乗りだから得られる多幸感。老舗のパーツディストリビューターが向かう先は、これからも一糸乱れることなく、お客さんの立場を取る。そこである。
「やはりうち等もハーレー乗りだから人一倍親身になれる所もあると思います。あとは発送の段階でもし不備を感じたらそこでストップして確認も出来ますし。ウチはショップさんがお客さんなんで、今どういう状況かを想像しながら販売していくことが大切ですね」
特に修理部品などは多量にストックし、注文があればすぐ発送できる状態を整備。痒い所に手が届いたメカニック目線を重視している。
「僕もメカニック時代に部品のことで分からなかったら聞くのがスリーマイルズしかなかったんです。だからすごくお世話になってますよね」
立場が逆になった今、自分も同じようにしたいし、バイクをいじりながら仕事が出来るなんて最高ですよと、破顔する。そんな氏は、これまでのメカニック経験を活かした提案も出来ることを強みに挙げ、バイク屋さんが困ってれば助けられるネットワークもあると言う。
20年近い歴を持つスタッフが多い中、入社5年目の氏は、スリーマイルズTCを風通しの良い会社だと表現する。一番日の浅い自分の意見にも耳を傾け、素直に聞いてもらえる環境があると話す。
「ショップさんの意見を私の方で汲み上げて、それをそのまま意見すればすぐに会議にかけて出来る限りのことを柔軟に対応していこうということになる。そういうところが強みだと思います」
「みんな和気藹々とやってる所が良いですね。会社に来るのが嫌だとあまり思ったことないです(笑)。まあ裏方の仕事なんで表には出ないんですけど、営業の人たちの仕事ぶりを見るとお客さんに寄り添っているのを感じますね」
商品管理を統括し、バックヤードの番人として全国のプロショップへ各部品を手配する。長年の経験から消耗品やニーズの高いパーツは全て頭の中にインプットされる。
事務方の女性もハーレー乗りであり、しかもカスタムもダークトーンでまとめつつマフラーにサンダーヘッダーを装着するなどツボを押さえた仕様。ヤマハSR、XLH883、そして今の愛車に約10年乗っているそうだ。
「みんなチームワークが良いです。もちろん協調性もありますし。あとは注文される頻度の高い部品を、お客さんが困らないように多めに在庫しているのもウチの特長だと思います」
「強みはスタッフが全員本気でバイクが好きなところですかね。だからみんなそれこそ勤続歴も長いですし、お客様とのつながりも強くなりますし。全国にパーツを卸して、新潟では唯一無二というか、そういう所が魅力ですね」
元々ハーレーが好きで入社し、この職場で今の愛車を見付けてもらったとのこと。好きなことで仕事が出来たら最高だな、という当初の想いは現在進行形で成就された。
知識のアップデイトの必要性から、社としてローライダーSTを購入。旧車モデルとは異なる点の多い最新モデルに直接触れ、またカスタムすることで感覚を養い、実作業を通じて得る『気付き』を商品開発やサポート面で役立てている。とは言え、「単純に面白いから」という純粋な動機ももちろん大きい。
デモ車として扱うローライダーSTには、お客さんからの要望が高い部品やオリジナルパーツを装着する。
(左)/『楽々ロッカークラッチ』はペダル位置を調節して高さを与え、足首がきつくない状態でクラッチが切れるように改善したアイデア品。(中上)/福岡T-HANDSと製作した『OZ12+』は、ライザーに角度を付けて取り付けられるソリッドマウントカラー。取り付け角を12度変化させることが可能。
(中下)/『ベアリングサポートシム』はスプロケット留めナットとベアリングサポートとが干渉する部分に使用。4速ミッション車のオープン化に重宝する。(右)/『フライホイールワッシャー』はスラスト調整時に用い、既存の数種類のワッシャーでは対応しきれない部分をカバー。
オリジナルの『SVRバッテリー』はH-D純正バッテリーと同じ工場で作られている信頼性の高いプロダクト。スリーマイルズTCでは出荷前に必ず補充電を行い、CCA(エンジン始動能力を計る数値)の確認も実施。
また、仕入れのスパンをなるべく狭めることで、常に新鮮な状態の商品を在庫。可能な限り不具合の発生しないバッテリーを供給できる体制を構築している。
カンパニー | THREE MILES TC |
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住所 | 新潟県新潟市西区平島1-6-2 |
電話/FAX | 025-231-2811/025-230-5297 |
商品問合せ | THREE MILES TCのショップ紹介 |