BLUCO(ブルコ)の青木さんはいつだってフリーだ。相手が誰であっても必ず目線を合わせて、その対応に誤差がない。年上年下関係なく、ふわりと浮かべた笑顔ですべてを呑み込んでしまうような人の厚みがある。
今やワークウェアメーカーとして押しも押されもしない地位を築き上げたBLUCOの服には、そんなタフな作りだけではない作り手の息づかいも宿っている。気取らず自然体で、何よりフリー。ワーカーやバイカーをはじめ、横乗り系のスライダーや一般ファッションユーザーまで、感度の高いファンが呼応する理由もきっとその透き通った空気感にある。
スタンダードの追求。今回は普遍的ワークスタイルを提案する氏に、新作ウェアと最近お気に入りのバイクについて語ってもらった。
(写真/山田健太郎)
スタンダードなワークスタイルを世に送り続けるジャパニーズ・ワークウェアメーカー『BLUCO(ブルコ)』。トレンドに寄ることなくベーシックを突き進む同メーカーの新作は、言うまでもなく今回も磐石。ストリートに映えるシンプルが色めいている。
「今期もいつも通り(笑)。このシャンブレーシャツは4年前に出したショートスリーブを復刻したもので、みんなからロングが欲しいって言われて出したんだけど評判も良いよ。あとこの下に着てるTシャツはワンポイントで刺繍を入れたものだね」
満を持して4年越しにリリースしたシャンブレーはスマッシュヒット。次いでワンポイントのプリントが入ったポケットTシャツも引き合いが多い。ベーシックな中にも年齢層を意識したこうした微妙なトリックが、常に走り続けるブルコが大切にした顧客目線だ。
「うちね、40歳の層も多いんだよ。だから少し落ち着いた感じで行こうかなって。今日履いてるパンツは定番の『004』で、やっぱりこれがシルエット的に一番合わせやすいかな。このロープキャップは新型で、被りやすいように柔らかめに作ってあるの」
キャップロゴはサムズ(※東京都目黒区のチョッパーショップ)のオサムさんが担当したそうだ。そしてシェード。ブルコが同軸で展開するアイウェアブランド『UNCROWD(アンクラウド)』のラングレーというモデルを、日常のライディングで活用している。
「シーズンごとのテーマとかは特にないかな。うちはスタンダードなワークスタイル。それに実際は変わってはいけないみたいな所もあるし。例えば、極端なアウトドアやミリタリー系をやれば結局みんな引いていくと思う。いやそれは違うんですよって(笑)」
その話は、気に入ったバンドの新譜を思い浮かべると話が早い。もし長い間楽しみにしていた音源が既存の路線から逸脱したものであれば、残念を通り越して反発を覚えることもあるだろう。そしてそれは、そこに傾ける温度が高いファンほどに著しい。
筋金入りの人間に支えられているということ。ブルコの商品が光の粒をまとうのは、ファッションを超えたところで、何らかのメッセージが身に付ける人の心に届いているから。そのヒントは、弾けるように目の前のバイクを語る氏の姿から透けてのぞく。
「’91年式のFXRC、これ最高に面白いよ。一番欲しかった限定のFXRでずっと探してたところ出会ってしまった(笑)。だから今はベスパも入れて全部で4台を毎日乗り換えて走ってる。ちなみに今狙ってるのはモトグッチとVロッドかな(笑)」
この時期は毎日バイクが足だと言う。入れ替わり立ち替わり4台の愛車を乗り継ぎ、変わらない愛情をとっぷりと注いでいる。そしてFXRは今度エンジンチューニングを行い、よりホットな乗り味にする予定だと青木さんはたまらず目尻を下げる。
話を聞いてるこっちまで嬉しくなるほどのバイク好き。躊躇なく「バイクは大好きだから」と話す氏の瞳もまた、商品同様にひかめいている。好きへの純度。もし作り手の鏡が商品だとすれば、こんな人の手掛けるウェアにこそ自然と目が留まる。
キャップ | OL-204-020 ¥3,800-taxin |
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Tシャツ | OL-809-020 ¥4,800-taxin |
シャツ | OL-121-020 ¥8,800-taxin |
ワークパンツ | OL-004 ¥9,800-taxin |
ソックス | OL-304 ¥3800-taxin (2-Pack) |
シェード | UC-034 ¥14800-taxin |
グローブ | OL-301 ¥2,800-taxin |
ショップ | BLUCO STORE |