群雄割拠のアパレルシーンにあって混じり気なしのワークウェアメーカーとして名を売り、バイカーのみならずMTXライダーやスケーター、サーファーなど、こと仕事にも遊びにも全力で向き合うタフな人種に愛されている『BLUCO』。
もとより代表の青木さんがその先鋒とも言える人物だ。ブランドのディレクションを一手に担い、多忙を極める日々を送りながら、趣味を楽しむことにも常に貪欲。仕事も遊びもどちらかを選ぶなんてことはしない。それがBLUCOの流儀と言わんばかりに。
氏の膨大な熱量はこれまで所有してきたバイクや車の変遷を見ても明らか。情熱は燃え盛る炎となって、光を放つ。まばゆいばかりのその光に、同じ価値観を抱く我々モーターヘッドは否応もなく引き付けられてしまう。
(写真/山田健太郎 文/馬場啓介)
「乗ってみたいやつが多いから仕方ないよね」と青木さんは自身の豊潤な乗り物遍歴をこともなげに述懐して笑う。凡人であれば「いつかは乗ってみたい」と口にはしても夢物語で終わるところを、現実に叶えてしまうそのバイタリティには感服せざるを得ない。
この’51年式FLもその中の一台。「ショーバイクみたいなのは好みじゃないから」との言葉通り、装飾を排したストリームラインのこざっぱりとしたボバーに仕上げられている。「フォード・デュースのホットロッドっぽい感じだね」と聞いて納得の佇まいだ。
ディテイルの異なる年式違いの純正パーツをあえて採用したり、ハンドル幅を詰めたりなど派手ではないが通好みのカスタムが施されている。ほんのりとテーパーが掛かったマフラーは旧知の『B.W.G』代表の佐藤さんから譲り受けた、鹿児島『スワローテイル』謹製の逸品だ。
余計なデコレーションは省き、あるべき本質に実直であるからこそ、気取らずにさらっと乗ることができる。そしてこの理念はそのままBLUCOのアパレルにも投影されている。質実剛健を地で行くBLUCOの服を身に纏うとき、気負いは無用だ。
この日、青木さんが袖を通したのはBLUCOの主戦力たるコーチジャケットの廉価モデル。海外メーカーのラフな雰囲気を残しつつも、表地に撥水コートを施し裏地に厚手のトリコットを採用するなど、よりタフな仕様へとアップデートが図られている。
見るからに履き心地の良さそうなパンツは、かつてサーファーに愛されたSTA-PREST(通称スタプレ)生地にストレッチ性を持たせて復刻したもの。「めちゃくちゃ涼しいしポリだからすぐに乾く。夏に最高だよ」と青木さんもその仕上がりに太鼓判を押す。
フルパネルキャップはBLUCOのワークシャツやパンツにも用いられている自社オリジナルのTC生地でボディを仕立てた意欲作。つまりこのキャップの登場によって、上から下まで同素材の鉄壁のセットアップで着用できるようになったわけだ。
青木さんが現在、日常の足として走らせるのは’55年式のシボレー・ベルエア210だ。’55年式のベルエアと言えば名画『アメリカン・グラフィティ』にてハリソン・フォード演じるボブ・ファルファの愛車としても登場したエンスージアスト垂涎の一台。
けれどハンドルを握る青木さんに希少な旧車を扱う際に特有の緊張感はない。「調子いいね。シンプルだから全然壊れないよ」と終始リラックスした様子だ。おおらかな乗り味が紡ぎあげるこの空間は、きっと目まぐるしい日々を送る青木さんの束の間の癒しなのだろう。
「こういうのは縁だからさ、探したって出てくるもんじゃない。いつ自分の手元に巡ってくるかなんて分からないんだよ」。ひとたび出会えば、ガレージで眠らせるなんて過保護なことはせずに、人車一体となって路上を駆け、濃密なときを過ごす。
青木さんは仕事でも遊びでも、自分の目標に対し常に真っ直ぐで貪欲だ。そこに嘘偽りや建前、世間体といった不純物は介在しない。あくまでも自然で、あるがまま。その人柄を映し出すBLUCOのウェアは、だからこそストレートに我々の琴線をかき鳴らす。
キャップ | OL-213-021 ¥3,800 -taxin |
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シェード | UC-001 ¥12,800-taxin |
コーチジャケット | OL-050-022 ¥8,800 -taxin |
L/S Tシャツ | OL-901-022 ¥4,800 -taxin |
グローブ | UC-110-022 ¥16,800 -taxin |
ワークパンツ | OL-008P-022 ¥13,800 -taxin |
ソックス | ONE WORLD × SURFSKATECAMP SOCKS Green |
ショップ | BLUCO STORE |