ヨーロッパの中央部に位置するポーランド。古くは伝統的な手作り陶器や、飴色の琥珀ジュエリーの産地として知られた国である。西はドイツ、東はウクライナに面したその地で、ひとつずつ手作業で革製品を創出しているのが『ラッキーカスタムレザー』だ。
ポーランド南部のマウォポルスカ県という土地で、黙々と作業に勤しむのが主人のピオトル・ラパンドロ。国内でも有数のカスタムレザー職人として英名を馳せた人物である。
昨年の横浜ホットロッドカスタムショーに出展を果たし、自身で手掛けたカスタムシートやサドルバッグ、小物などを多数ディスプレイ。今回はその欧州発のラッキーカスタムレザーに焦点を合わせ、ブランドの正味に触れていきたい。
ポーランド南部のマウォポルスカ県。国内で最も多くのユネスコ世界遺産を有したその由緒ある県で、日々一点一点手作りにこだわり、レザーアイテムを手掛けている。
機械を使った大量生産とは対極をいくハンドメイドレザー。そのポーランドの旗手としてピオトル・ラパンドロは高い評価を集め、同国のカスタムショップとも密接な関係を結んでいる。
ポーランドといえば欧州エリアで辣腕をふるうBTチョッパーズが有名だが、勿論そこからも厚い信頼を受け、カスタムマシンのシート製作時には欠かすことの出来ないパートナーとして一品を提供している。
一方、プロショップとの連携ばかりでなく、一般ユーザーへの門戸も開放。高品質なレザーアイテムで気軽にドレスアップが出来るよう、垣根のないプロモーションを展開している。
同じ欧州の、フィンランドで開催される最大規模のカスタムバイクショーへは毎年スポンサーとして名を連ねる『ラッキーカスタムレザー』。積極的な広報活動もさることながら、やはりその本質は美技にある。
カスタムシートを始め、サドルバッグやツールバッグ、ブーツカバー、キーホルダーといったラインまでをカバーする商品群にはすべてにおいて、妥協のない物作りの姿勢が貫かれている。
使い込むほどに味わいが増してゆく厚めのレザーを使ったクラフトワーク。そこに柔らかな凹凸を加えることでデザイン的に映えるよう細工された物作りは、ほのかなエレガンスを演出する。
あくまでもバイクが主役だということを認識した上で、シンプルだけの単調な造形に留めない美意識。その一歩引いたアクセントによって生まれる相乗効果が、バイクのゆかしさを高めている。
一枚革ではなく、いくつかの革を使い分けてデザインされたカスタムレザーに精髄が宿っている。一糸乱れることのないステッチワークや、プリっと肉感的なボリュームをたたえるタックロール。
切り離したレザーそれぞれに意匠を加え、最後にそれらを丁寧に縫い上げ製品化。それらを前に、思わず作り手であるピオトルの雰囲気そのままの、寡黙な作業風景が目に浮かぶ。
日本人にはない発想や伝統美を持ちながらも、日本の職人に相通じた物作りの姿勢をあわせ持つ『ラッキーカスタムレザー』。美しさを備えた質実剛健なアイテムは、幅広い層に受け入れられるデザインも特性だ。
厚手のレザーとスエードなどの異素材を織り交ぜた立体的なシートやサドルバッグ。これらはオールドスクールのチョッパーから現行モデルまで、違和感のない調和を奏でている。
おっとりとマイペース。レザー職人のピオトルを端的に表現した言葉だが、こと物作りに向き合ったときの寡黙な熱狂は、やはり他の職人同様に鬼気迫るものがあると、側近のスタッフは言う。
第一線で活躍するヨーロッパのカスタムビルダーも目に留めるクラフトワーク。欧州の美意識を内包したプロダクツは、細やかな作りとクオリティを携え、世界へと活動の場を広げている。
厚手のレザーを使いひとつずつ手作業で製品を創出。長年の使用に耐えうる質実剛健な作りに加え、シンプルながら目を引くデザイン性も特色となるアイテムをピックアップ。
国内輸入元 | 部品屋K&W |
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住所 | 愛知県安城市和泉町大海古2-12 |
電話/FAX | 0566-92-7010/0566-79-2383 |
SHOP | 部品屋K&Wのウェブサイト |