鋳物パーツメーカーとしてプロフェッショナルから一般ユーザーまでを魅了し続ける『FORK(フォーク)』。
利益追求のマスプロダクトとは対極をなす、一点ずつに心を込めた物作りでユーザーの心をつかんで離さないプロダクトを手がけるメーカーとして周知されるが、今回は、実際にそのパーツを使用するユーザーの声に耳を傾けてみたい。
フォーク代表の長谷川さんとつながりの深いユーザーが主催するナイトラン『湾岸キャブレターズ』なるものがあると聞き、取材の舞台はそこで敢行。リアルな乗り手たちのフォークパーツの日常使いを目の当たりにしてみると、やはり走ってこそ、それらのパーツは洗練度を増すようだ。
(写真/磯部孝夫)
FORK(フォーク)のオリジナルパーツの開発にも関わりを持つユーザーが主となって行うナイトランがあると聞いた。『湾岸キャブレターズ』の名で行われるそのイベントは、キャブレター車に絞った参加権が特徴となっている。
去る7月22日の土曜日。うだるような日中の猛暑はひき、集合場所の湾岸市川パーキングエリアには夜8時を前に、徐々に参加者が集まり出してきた。
思い思いのカスタムを加えたハーレーが会場に鮮やかな色彩を添える。車種で絞るのではなく、キャブレター車に限っているのがなんとも舌触りがいい。そのためおのずと、パーキングには風雅な眺めが広がってゆく。
それぞれに個性があり、一台ずつ見て回るほどにちょっとした感動を覚える。そして、フォークパーツの愛用者が多かったのも同じように驚いたポイントで、乗り込まれたバイクに似合っていた。
フォークではスタンダードなパーツをリリースする一方で、イレギュラーに限定パーツも発表している。今回のナイトランの幹部である中川さんも過去にオリジナルハンドルを製作し、販売した経緯がある。
こういった一般ユーザーの声にも耳を貸し、プロフェッショナルとしての視点で思考を重ね、実現性を見極めたうえでニューパーツを産み落とす柔軟性がフォークのアドバンテージでもある。
ハーレーパーツだけに留まらない国産車にも応じたプロダクトで支持を集めるが、決してメインストリームではない、いわば通をうならすようなピンポイントでの展開も同社の美点のひとつだ。
例えば、ポイントカバーやオイルフィルターカバー、キャブレタートップカバーなどがその好例で、いずれもフォークの本意を如実に物語る商品群である。そして、こうした乗り手サイドの立ち位置で、すべての物作りは進められている。
「うーん、日本の職人の、なんか魂みたいなものが伝わってくるのが良いかなと思って。ひとつひとつの手作り感と質の高さ。そうしたものが伝わってきて、思わずにやにやしてしまいますね」
中川さんは過去に『NK2』の名前でオリジナルハンドルを製作するなどFORKとのつながりは深い。同社のパーツは単に見てるだけでも、運転している時にふと目にしても、同じように頬がゆるんでしまうと話す。
湾岸キャブレターズの主催者である拓也さんは他にショベルヘッドも所有し、2台共にFORKでワンオフしたハンドルをセット。打ち合わせを重ねて希望通りの絞り角で製作したものだと言う。
「理想論を話すと立体図面にしてくれて、じゃあ製作しましょうと。僕が思うフォークさんのイメージって、同じ物ですけどやっぱり手作業で一点一点作っている良さ。作り込みの良さだと思ってます」
「フォークの良さはやっぱりデザインのセンスですよね。こういうの欲しいっていう所を作ってくれるんです。あとは少数製作の手作り感。すごい良いと思います。こう、くるんですよ(笑)」
他にショベルヘッドも愛車に持ち、2台の年間走行距離はだいたい1万5000kmになるそうだ。特別ロングランをするわけではなく、時間を見付けてはしょっちゅうバイクに乗る日々を送っている。
メーカー | FORK |
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住所 | 東京都大田区東糀谷3-16-2 |
電話/FAX | 03-5705-4009/03-6423-2102 |
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