鋳物ハーレー&トライアンフパーツFORK(フォーク)のコラボレーションキャスティング

collaboration casting parts, in combination with FORK

鋳物パーツメーカー『フォーク』のコラボレーションパーツ

July 9th, 2020

鋳物の質感が織りなす
したたるコラボレーション

大量生産にゆだねることなく、専任の職人の手でひとつずつ、丹念に製作される鋳物パーツ。その日本古来の職人気質な物作りで熱心なカスタムファンの視線を欲しいままにする『フォーク』の、数あるコラボレーションパーツの中から4種をピックアップ。

鋳物パーツメーカーとして広く響いた同メーカーと、全国からのカスタムショップが共に産み落とした無二なる一品。時代を経ても色あせない存在感を放つそれぞれのパーツに焦点を合わせ、ここでその磁力に今一度踏み込みたい。

鋳物ハーレー&トライアンフパーツFORK(フォーク)のコラボレーションキャスティング

自分にないアイデアを形に
化学反応で産まれる共演作

今でこそその数は減ってるものの、かつては積極的に手掛けてきたコラボレーションパーツ。鋳物のスペシャリストであるフォークの長谷川さんと、全国のカスタムビルダーによるアイデアを具現化したオリジナルの数々は、これまで息の長いセールスを記録。本質を見極めたプロフェッショナル同士ゆえの化学反応が、トレンドとは無縁のパフォーマンスを誇ってきた。

鋳物ハーレー&トライアンフパーツFORK(フォーク)のコラボレーションキャスティング

自分にはないようなアイデアを形にさせてもらう喜び。それが自社パーツとの一番の違いだと話す氏は、そこにはもちろんフォークとしての基準を満たした物が大前提にあると添える。「当たり前だけど機能があって安心して使える物。形になれば何でも良いですだとウチがからんでる意味がないですから」。ドレスアップパーツ以外のすべてのコラボレーションには同店の哲学が投影されている。

モーターサイクルズ・デン × フォーク

オーセンティックエアカバー(for S&S “E”)

モーターサイクルズ・デン × フォーク

これまで世に出回ることのなかった故佐藤由紀夫氏(※モーターサイクルズ・デン主宰)デザインのキャブカバーに、改良を加えて復刻。同パーツのアイデンティティとなるコンパクトなサイズはそのままに、フォークが培ってきた吸気の方法論を余すことなく注入。極限まで空気が吸えるように見直し、キャブ吸い口もなめらかに成形するなどして乱流を防止。かつての名品を現代のニーズに合わせ蘇らせている。

モーターサイクルズ・デン × フォーク

「簡単に言えば、セッティングは別としてどんな車種にでもボルトオンで付くようにです。これまで僕らは一台一台に対してそれぞれ加工してたんで、それだと手間もコストもかかるじゃないですか。だからこれ一個でいけますという風にしたかった」。店主の松永さんはまた、販売することで自分自身も惹かれたパーツの魅力を広く認知して欲しかったと語る。

かの名品が鼓動する『Authentic Air Cover』

これまで一般販売されていなかったモーターサイクルズ・デンの名品キャブカバーをAuthentic Air Coverの名でリリース。アルミ鋳物のシェルとベースの2ピース構造。3万6,670円(税込)。
ベースは、キャブとの合わせ面や裏側の形状までを漏れなく煮詰めてデザイン。そして鋳物のシェル同様に可能な限り肉厚を抑えて設計。単体でも映えるポリッシュ仕上げとされる。
広く認知されるにはまず取り付けてもらうこと。そこで一般販売出来るようにフォークとの探究を続けて商品化。基本的にEキャブ専用設計。取付ボルト類は付属。(モーターサイクルズ・デン tel_0555-73-8115)

エッジモーターサイクルサービス × フォーク

エッジベア CVキャブトップカバー

エッジモーターサイクルサービス × フォーク

CVキャブの樹脂製トップカバーのチープさをなんとかしたい。そこでエッジモーターサイクルサービスの川添さんが発案した造形は、飾り気のない無骨な四角型だった。そのラフスケッチを初めて見たフォークの長谷川さん曰く、「自分からは絶対に出てこないデザインだった」というそれは、目立たせることなく、クラシカルな雰囲気に比重を置いて製作された。

エッジモーターサイクルサービス × フォーク

「イメージは単純にエボリューションエンジンのブロックヘッド。僕にとってトップカバーの所が主張する必要は全くなかったんでこういう形にしようと。デザインを見せたら長谷川君はびっくりしてましたけどね。しかも希望したのが磨かないベア状態ですから(笑)」。素地のまま手を加えないものをエッジベア、そこにフォークが進言したポリッシュバージョンを加えた2種が揃う。

主張しない四辺形の『EDGE BARE』

余計なデザインを排することでエボリューションエンジンとの一体感を高めるエッジベア。ノンポリッシュの砂肌バージョンがコラボパーツで、他にポリッシュバージョンも用意される。
CVキャブオーナーの悩みどころだった樹脂製カバーのプアな雰囲気を一新。重厚感のあるアルミ材を使ったトップカバーはEDGE BARE8,800円、ポリッシュのEDGE1万500円。
ブロックヘッドエンジンばかりかCVキャブボディとも同化するシンプルなデザイン。ひっそりと佇む円熟の存在感が逆にツウの琴線を刺激する。(エッジモーターサイクルサービス tel_058-326-2044)

シウンクラフトワークス × フォーク

デイジー&サイクロン クラッチドーム(for 4speed dry clutch)

シウンクラフトワークス × フォーク

古くから長谷川さんと交流のあったシウンクラフトワークスの松村さんが、すでに頭に固まっていたアイデアを依頼。4速の純正クラッチプレートであまり良いデザインの物がないことからセッションはスタートした。そして照準はもちろん、一にも二にもチョッパーとのマッチング。チョッパーショップを標榜する氏の一念が、2タイプ考案したパーツに色濃く反映される。

シウンクラフトワークス × フォーク

手掛けるショーバイクにはまず付けると、松村さんが十全の信頼を寄せるクラッチドーム。スロット形の違う2つをそれぞれ感覚的に使い分けているそうだ。「どっちを付けるかは直感です、バイクの雰囲気に合わせて。あまり語るほどのことはないですけど、ほんと良い物がないから作ってみようと。それぐらいの話ですよ」。しかしここぞの時には必ず姿を見せる、氏の懐刀である。

勝機のチョッパーパーツ『Daisy & Cyclone』

わずかに違うスロットデザイン。右がDaisy、左がCycloneで共に2万4,930円(税込)。シウンクラフトワークスが繰り出すチョッパーのテイストを引き立てるドレスアップパーツ。
4速ドライクラッチ用のアルミ鋳造クラッチドームは純正3スタッド/社外5スタッドの両方に対応。表面はポリッシュ仕上げでステンレス製ロックナット5個が付属する。
チョッパーと腰を据えて向き合ってきた松村さんがデザインしたクラッチドーム。飾らず、しかしさり気に主張するサジ加減がチョッパーの旨味を増幅させる。(シウンクラフトワークス tel_078-822-9085)

デラクシーカスタムズ × フォーク

エレクトリック ポイントカバー(for Unit Twin)

デラクシーカスタムズ × フォーク

デラクシーカスタムズの髙田さんの自由なデザインを、そのまま鋳物に落とし込んだトライアンフ用ポイントカバーである。当初長谷川さんの元へ持ち込まれたのは手描きのラフスケッチで、そこから特有の流動感を損なうことなく、立体的なアレンジを加えて製品化。これまでよくあるような機能的なデザインではなく、あくまでもポップさに主眼を置いたものだと話す。

デラクシーカスタムズ × フォーク

「ポップなのを作りたかったんですよね、遊び心というか。それと新品部品だけどレアパーツ狙いというのがありました。発売された時からレアパーツみたいな(笑)。売れ線ではないという所は常にありますよね」。また、少しエド・ロス(※’50~’60年代ホットロッドムーブメントの巨星)っぽいノリも意識したと、今から10年以上前の出来事を髙田さんは楽し気に想起する。

レアパーツをイメージした『ELECTRIC』

フリーハンドで描かれたラフスケッチの雰囲気をそのまま鋳物に反映させた、ユニットツイン用ポイントカバー『ELECTRIC』。アルミ鋳造製、ポリッシュ仕上げ9,750円(税込)。
髙田さんの案に長谷川さんが立体的デザインを加えて開発。裏には両者のロゴが刻印。欧州大手のパーツディストリビューターW&Wからのリクエストでハーレー用も製造販売されている。
厚み約16mmのボリュームを持ったELECTRIC。ラウンドボディーから平行に立ち上がる台座とフリーハンドの浮き文字が相乗効果を産み、ポップな印象を表出。(デラクシーカスタムズ tel_043-497-5901)
メーカー FORK
住所 東京都大田区東糀谷3-16-2
電話/FAX 03-5705-4009/03-6423-2102
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