ハーレー用の鋳物製キャブカバー&3Dラウンドエアクリーナー|FORK

Carburetor Cover & 3D Round Air Cleaner

機能とデザインが符合するキャブカバー&エアクリーナー

March 3rd, 2021

最小ボディに吸気効率を備えた
乗り手を覚ますキャスティングカバー

カスタムファンの足もとを精強に支える鋳物(キャスティング)パーツメーカー『FORK(フォーク)』。今では国内ばかりではなく海外からの盛名も過熱する同メーカーだが、その人気の秘訣はやはり、カスタムバイクの深部に通じたデザインと機能性にある。

今回ピックアップするキャブカバーとエアクリーナーは発売以来オファーの絶えない、いわばキラーパーツ。車両との調和に配慮したコンパクトなボディに、最良の吸気効率がパッケージングされたそれは全3シリーズが用意。ここではシリーズごとの美質に目を注いでいきたい。

ハーレー用の鋳物製キャブカバー&3Dラウンドエアクリーナー|FORK

見た目だけではない
走りを変えるその真相

いかにコンパクトに、そして機能性をあわせ持った商品が作れるか。起点はいつものごとく、フォーク長谷川さんの立ち位置である『カスタムバイク乗り目線』の衝動から始まった。

「キャブカバーって見た目だけの物だととらえられがちだけど、実はかなりいろんな要素がからんでる。このカバー次第でセッティングの良し悪しや、走りが良くなることって物凄くあるんです」

ハーレー用の鋳物製キャブカバー&3Dラウンドエアクリーナー|FORK

そこで氏は、比較的旧車との相性が良いエアフィルター無しの『1135シリーズ』と『HZT115シリーズ』。次にエアフィルター有りの『TRA126シリーズ 3Dラウンドエアクリーナー』を開発。3シリーズいずれにもミニマムなボディ形状と吸気効率を吟味した設計を与え、乗り手が体感できるほどの違いを明示。機能性よりもドレスアップパーツとして見られる傾向の強いキャブカバーのイメージを刷新している。

ティアドロップキャブカバー

1135シリーズ(for S&S “E”, CV (EFI) , SU)

FORKの1135ティアドロップキャブカバー

3シリーズの第一弾として世に出た『1135シリーズ』は、基本的にEキャブ用として開発。キャブへ直接装着できるダイレクトマウント設計で、ワンピース構造のシルエットは特に旧車との肌合いが純良。キリカキを持った流線的なデザインは主張し過ぎることなく主張するという、絶妙な加減でチョッパーを始め多くのカスタムスタイルと融和する。

FORKの1135ティアドロップキャブカバー

フィルターを持たず最小サイズとされた『1135シリーズ』。Eキャブの他にも専用アダプターを使うことでCVキャブや純正インジェクション、SUキャブにも対応。「フィルターが無ければ吸気効率を下げ過ぎずに小ぶりの物が作れるという利点がある。だからこれはエアクリーナー周りをすっきりさせたい、小さく見せたいという人にオススメの物としてラインナップしてます」と、代表の長谷川さんは言う。

フィルター無しで小さく見せる『1135シリーズ』

ティアドロップ形状をベースに製作。プレーン(1万9,070円)、フィンドタイプ(2万120円)、フィンドブラック(2万950円)の3種類が揃う。エンジン周りのワンポイントに効果的。
長さ約150mmのスモールサイズながら確かな存在感を持つ。右はオプションのベロシティリップ(4,820円)で本体とカバーの間に設置して更なるハイフローを実現させるもの。
雨天時にも直接水が入りにくく、また適度なエアフローを確保できる形状となる。キャブのベース面からの厚みは約30mm(※プレーン)で右足に干渉することもなく操作性も良好。
左、CVキャブあるいはインジェクションボディへの取り付けに用いられる穴変換アダプター(5,760円)。右、SUキャブへのセット時に必要となる穴変換アダプター(7,120円)。
装着サンプル/プレーンタイプ。(遠藤自動車サービス H-D KNUCKLEHEAD 1947)

2ピースキャブカバー

HZT115シリーズ(for S&S “B”, “E”, LINKERT , CV)

FORKのHZT115キャブカバー

S&SのBキャブ専用に2ピース構造で開発された『HZT115シリーズ』。Eキャブに比べて口径が細く、流速がネックになる性格のこちらは、第一弾の『1135シリーズ』で得たノウハウを活かして再設計。ベースとシェルを2ピースにすることで空気のスムースな流れを確保し、また安定的な吸気効率を保持。1135シリーズと同じ小さいサイズ感でしっかり走ることをテーマに、試行錯誤を経て商品化された。

FORKのHZT115キャブカバー

「BキャブはEキャブと同じセオリーが通用しない。だからBキャブに付けてちゃんと走るカバーを作りたかったというのがスタート。あとサイズを大きくすれば簡単だけどやりたいのはコンパクトなサイズ。だからそこが一番のキモですね」。そしてBキャブとリンカート以外にも、実はEキャブとCVキャブにも対応。熱心なユーザーの声に応えて専用ベースを配備している。

Bキャブ専用から枝分かれした『HZT115シリーズ』

小ぶりな形状の2ピースキャブカバー。左上、フィン(2万5,770円)。右上、プレーン(2万4,720円)。下、アロー(2万5,770円)。アッセンブリー以外にもシェルのみの購入も可。
最初はBキャブ専用として開発し、その後リンカートやEキャブ、CVへの装着も可能に。「いかに小さく、しっかりエアを吸い込める物が作れるか」を指針にかかげて完成された。
フィルター無しのキャブカバーは、吸気効率とルックスの双方をあわせ持った造形に完遂。一方、ケイヒンバタフライへの装着も小加工で叶い、注文時の依頼を受け付けている。
左がCV用で右がEキャブ用の専用ベース。ただし装着にあたっては進行方向に対してわずかに前側マウントになる特徴あり。またリンカートの場合4つ穴のため縦装着にも応対。
装着サンプル/プレーンタイプ。(ウラウズモーターサイクル H-D FXE 1980)

3Dラウンドエアクリーナー

TRA126シリーズ(for S&S “B”, “E”, KEIHIN BUTTERFLY , CV (EFI) , SU)

FORKのTRA126シリーズ3Dラウンドエアクリーナー

エアフィルター有りのモデルとして3シリーズの最後にリリースされたのが『TRA126シリーズ』。これまでの過程で、フィルター有りの製品化を求める要望が高まり、それを受けて一連のシリーズで踏襲されるスタイリッシュなサイジングで産み落とされたのがこちらのプロダクト。結果つむぎだされたのは、ラウンド形状である。

FORKのTRA126シリーズ3Dラウンドエアクリーナー

「フィルターを付けて、いかにサイズにも配慮してしっかり吸わせられるか。そこから始まって、裏面から自然なアールの流れで吸気させて内部の容量を保ったり、ベースのリップ形状を滑らかにして吸気効率を落とさない工夫をしてみたりですよね」。またシェル内部のコーンも吸気を少しでも良くする形に整えるなど、ラウンド形としたのは外見的なデザインばかりでなく空気の流れを計算して行き着いた必然的なものである。

機能的ラウンド形状を持つ『TRA126シリーズ』

左上、プレーン(3万3,520円)。右上、フィン(3万4,570円)。下、マーシャル(3万7,720円)。シリーズ第三弾となるフィルター機能を持つオリジナルエアクリーナーアッセンブリー。
Bキャブ、Eキャブ、ケイヒンバタフライ、CVキャブ(EFI)、SUキャブに対応。またキャブを交換した時でもベースの変更だけでそのまま使用できる。TRA126ベース(4,820円)。
裏面のラウンド形状が吸気効率に大きく作用。内壁の滑らかなアールや中央のコーンなどエアの流動を計算した設計となる。取り付けた多くの人が乗り味の違いを体感するそうだ。
装着サンプル/プレーンタイプ。(ウエストヴィレッジカスタムサイクルズ H-D FXE 1978)
メーカー FORK
住所 東京都大田区東糀谷3-16-2
電話/FAX 03-5705-4009/03-6423-2102
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