カスタムファンの足もとを精強に支える鋳物(キャスティング)パーツメーカー『FORK(フォーク)』。今では国内ばかりではなく海外からの盛名も過熱する同メーカーだが、その人気の秘訣はやはり、カスタムバイクの深部に通じたデザインと機能性にある。
今回ピックアップするキャブカバーとエアクリーナーは発売以来オファーの絶えない、いわばキラーパーツ。車両との調和に配慮したコンパクトなボディに、最良の吸気効率がパッケージングされたそれは全3シリーズが用意。ここではシリーズごとの美質に目を注いでいきたい。
いかにコンパクトに、そして機能性をあわせ持った商品が作れるか。起点はいつものごとく、フォーク長谷川さんの立ち位置である『カスタムバイク乗り目線』の衝動から始まった。
「キャブカバーって見た目だけの物だととらえられがちだけど、実はかなりいろんな要素がからんでる。このカバー次第でセッティングの良し悪しや、走りが良くなることって物凄くあるんです」
そこで氏は、比較的旧車との相性が良いエアフィルター無しの『1135シリーズ』と『HZT115シリーズ』。次にエアフィルター有りの『TRA126シリーズ 3Dラウンドエアクリーナー』を開発。3シリーズいずれにもミニマムなボディ形状と吸気効率を吟味した設計を与え、乗り手が体感できるほどの違いを明示。機能性よりもドレスアップパーツとして見られる傾向の強いキャブカバーのイメージを刷新している。
3シリーズの第一弾として世に出た『1135シリーズ』は、基本的にEキャブ用として開発。キャブへ直接装着できるダイレクトマウント設計で、ワンピース構造のシルエットは特に旧車との肌合いが純良。キリカキを持った流線的なデザインは主張し過ぎることなく主張するという、絶妙な加減でチョッパーを始め多くのカスタムスタイルと融和する。
フィルターを持たず最小サイズとされた『1135シリーズ』。Eキャブの他にも専用アダプターを使うことでCVキャブや純正インジェクション、SUキャブにも対応。「フィルターが無ければ吸気効率を下げ過ぎずに小ぶりの物が作れるという利点がある。だからこれはエアクリーナー周りをすっきりさせたい、小さく見せたいという人にオススメの物としてラインナップしてます」と、代表の長谷川さんは言う。
S&SのBキャブ専用に2ピース構造で開発された『HZT115シリーズ』。Eキャブに比べて口径が細く、流速がネックになる性格のこちらは、第一弾の『1135シリーズ』で得たノウハウを活かして再設計。ベースとシェルを2ピースにすることで空気のスムースな流れを確保し、また安定的な吸気効率を保持。1135シリーズと同じ小さいサイズ感でしっかり走ることをテーマに、試行錯誤を経て商品化された。
「BキャブはEキャブと同じセオリーが通用しない。だからBキャブに付けてちゃんと走るカバーを作りたかったというのがスタート。あとサイズを大きくすれば簡単だけどやりたいのはコンパクトなサイズ。だからそこが一番のキモですね」。そしてBキャブとリンカート以外にも、実はEキャブとCVキャブにも対応。熱心なユーザーの声に応えて専用ベースを配備している。
エアフィルター有りのモデルとして3シリーズの最後にリリースされたのが『TRA126シリーズ』。これまでの過程で、フィルター有りの製品化を求める要望が高まり、それを受けて一連のシリーズで踏襲されるスタイリッシュなサイジングで産み落とされたのがこちらのプロダクト。結果つむぎだされたのは、ラウンド形状である。
「フィルターを付けて、いかにサイズにも配慮してしっかり吸わせられるか。そこから始まって、裏面から自然なアールの流れで吸気させて内部の容量を保ったり、ベースのリップ形状を滑らかにして吸気効率を落とさない工夫をしてみたりですよね」。またシェル内部のコーンも吸気を少しでも良くする形に整えるなど、ラウンド形としたのは外見的なデザインばかりでなく空気の流れを計算して行き着いた必然的なものである。
メーカー | FORK |
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電話/FAX | 03-5705-4009/03-6423-2102 |
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