Made In Japanに拘り、デザイン性、クオリティ、そして安全性の三拍子を揃えたライディングギアの数々をリリースする『ディンマーケット』は、数多のバイクフリークたちを虜にしてきた。
革の匂いに包まれて育ち、弱冠15歳にしてチペワのエンジニアブーツを手に入れて以降、レザーに取り憑かれて生きてきた群馬県館林市の『ハンドメイドレザークラフト・コテージ』主宰、鈴木浩之さんもその一人だ。
革職人として長いキャリアを誇り、財布からバッグ、果ては靴までを手掛ける鈴木さんが愛用するのはGMGブランドのディアスキングローブ。その道のエキスパートをも唸らせるライディンググローブの魅力を紐解く。
(写真・文/馬場啓介)
「父が大手の革靴メーカーに勤めていて靴のコレクションも多かったので、物心ついたときからレザーの匂いは当たり前でした」。レザーが身近にある環境で育ち、親しみをもって接してきた鈴木さんが、それを生業とするのは必然だったのかも知れない。
レザークラフトに初めて挑戦したのは20代始めの頃。今なお愛機とする’77年式ローライダーを手に入れた際に、シートやサドルバッグ、ツールロールといったレザーアイテムにまではお金が回らず、「だったら自分で作ってしまおう」と思い至ったのだと振り返る。
幸いにも技術を教えることを厭(いと)わないプロフェッショナルな先達に恵まれた鈴木さんは堅実に腕を磨き、数年後、晴れて自身の工房を立ち上げる。このときに受けた恩を返すかのように鈴木さんは10年程前からレザーアカデミーも開設し、広く門戸を開いている。
良質な革を見極め、裁断し、縫製する。この工程を20年もの長きにわたって自らの目と手で繰り返してきた鈴木さんは、言わば革の求道者だ。一人一人のクライアントと実直に向き合い、自身の持てる全てをそれぞれのアイテムに注ぎ込むその姿勢に偽りはない。
これまでいくつものアメリカ製レザーグローブを試してきた鈴木さんだが、縫製に難があったり革厚が薄く耐久性に欠けたりなど、その審美眼に適(かな)う品はなかった。そんな折、出会ったのがディンマーケットが展開するGMGブランドのディアスキングローブだ。
「九州にロングツーリングに行くときに使い始めたんですが、二日目にはもう肌に吸い付くように馴染んでいました」。鹿革特有のしなやかさを最大限に引き出すべく、ディンマーケットではディアスキンを専門とする国内の熟練タンナーに鞣(なめ)しや染色を発注している。
バイクを操舵するにあたっては、スロットル、前輪ブレーキ、そしてクラッチと(鈴木さんの場合はフットクラッチだが)手先での繊細なタッチが不可欠だ。その点、上質な革を立体裁断で仕立てたGMGディアスキングローブはどこにもごわつきがなく、一切の操作を妨げない。
また指先に導電レザーを縫い付けたスマホ対応仕様であるという独自性も鈴木さんは高く評価する。見知らぬ道を走るとき、グローブを外さずとも即座にタッチパネルを操作し、マップを確認できるこの利点はフレストレーションを大きく軽減してくれることだろう。
「革の魅力は何でも作れること」と話す鈴木さんに、グローブは作らないのかと問うと大きく破顔した。「こんないいグローブがあるなら僕が作る意味はありませんから」。職人のエゴではなくあくまでもユーザーを第一とするそのスタンスに、コテージが革好きから愛される理由を垣間見た。
日々のハードワークから解放されるたまの休日には、ツインカムに乗る奥さんと仲睦まじくロングランにも出掛ける鈴木さんの束の間の休息をディンマーケットの良品が彩る。
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