去る2017年9月9日。ニューヨークにて『ブルックリン・インヴィテーショナル』が開催された。
今年で9回目を数えるこのショーは、中西部ミルウォーキーにて行われる『Mama Tried』、西海岸ポートランドの『One Moto Show』、南部オースティンの『Hand Built』、と並び、東海岸随一のショーとして名高い。また、発起人の一人にはKeino Cyclesの佐々木敬之介さんも名を連ねている。
ブルックリンはファッションの発信地としても世界中でその名が知られた街。その街の名門フォトスタジオを借り切って、全米・海外から集められた珠玉のカスタムマシンが整然と並べられた。
展示にあたっては何の飾り付けもなく、クリーンなスタジオにあらゆるジャンルのバイクが同条件でラインナップ。その姿は、さながらモーターサイクル・ミュージアムの様相を呈していた。
(写真・文/マツモトカズオ)
会場となったスタジオ『ROOT』の前には、ショーが始まる前から来場者たちが列を作る。彼らが乗り付けるバイクもまた、イベントを楽しむ重要なファクターであることは言うまでもない。
今回の目玉の一つがインディアン・スカウトのカスタムプロジェクト。クラウスモト、ローランドサンズ、そしてケイノサイクルズ。同車種とは思えぬ三者三様の個性が車体から溢れ出る。
3つあるスタジオルームの1つではライブが催された。出演するバンドは総じてニュースクールのヘヴィ&ラウドな音を轟かし、その音に吸い寄せられるようにヘッドバンガーズがここに集った。
さらにもう1つのスタジオルームには物販ブースが。「バイクの横でTシャツを売ってるようなショーにはしたくない」。あくまでバイクに集中させる、そんな目論見を目の当たりにした。
写真スタジオらしいアトラクションが行われていた。NYで活躍するフォトグラファー、ジェームズ・ストーンによるフォト・セッションだ。彼に撮られたい来場者たちが列を作って待機。
カスタムマシンの間近に近寄り、そのディテールを余すことなく眺める。CT・ニューマンの製作したこのナックルは、その細やかな作り込みから特に来場者からの熱い視線を浴びた。
今回のブルックリン・インヴィテーショナルのスポンサーであるインディアン社は、前述のカスタムプロジェクトに合わせて最新モデルのインディアン・スカウトを持ち込んで来た。
どこのショーでも見かけるシーンだが、キックを繰り返すヤツの周りには不思議と人が集まってくるもの。来場者のみならず、NYPDのポリスまでもが彼のキックスタートを見守っていた。
夕刻になっても来場者が途切れることはない。普段街でチョッパーなど全く見かけないNYC。どこに隠れていたのか、と思ってしまうほどにオールドスクールなチョッパーがやってくる。
(左から)日本からのゲストのCheetah大沢俊之、佐々木敬之介、Boo Pinstriping福田聖高。ケイノとBooは同郷の同級生。今回のプロジェクトバイクのピンストライプはBooが担当した。
日本からのゲストバイクも交え、全米中から集った腕自慢のカスタムビルダーによる大輪の花たち。ここではその中でも、人一倍存在感を放っていた10台を厳選して紹介したい。
会場 | ROOT/131 N 14th St, Brooklyn, NY 11211 |
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開催日 | 2017年9月9日 |
時間 | 13:00~23:00 |