海外ブランドではなく、日本から仕掛けるワークウェアメーカーとして知られるBLUCO(ブルコ)。脇目を振らずに疾走する、ストイックなまでのシンプルな物作りに惹かれるファンは後を絶たず、金属とオイルの匂いが立ち込めたカスタムショップの現場においても愛用するビルダーは多い。
また、バイク乗りはもちろんサーファー、スケーターといった横乗り系からの支持も熱い同メーカーだが、その最前線で采配を振るのが代表の青木さんだ。自身もハーレーやクルマ、サーフィンの魅力に感電した生粋で、何より、扱う商品同様にリアルなワーカーでもある。
今回は、忙しなく常に動き回ってる感のある氏を太平洋沿いのローカルスポット、いすみ市の海岸線にいざない、商品に対する作り手本人からのコメントと、最近手に入れた新たなオモチャについて話を聞いてみた。
(写真/山田健太郎)
コレクションでもストリートでもない100%のワークウェアメーカー。BLUCOが一貫して掲げる方針だが、その無骨で飾りっけの無いタフネスは、ワーカーやバイク乗りだけではなく、異ジャンルのスライダーをも魅了してやまない。
流行に左右されず、むしろ真向からそれに勝負を挑むかのデザインレスな骨太。着るほどに体に馴染んでいくそれは、ともすれば経年劣化で育つ革ジャンのフィット感と近似するから不思議だ。
「作業でいつでも着れるような。それこそアメリカのホームセンターに売ってるようなパックTシャツを作りたかった。まあパックTはいっぱいあるけどポケTは少なかったんだよね」
定番商品として人気を集める無地のポケットTシャツである。青木さんは製作した経緯を、シンプルなやつがなかったからウチが出しただけだと、海から吹き込む潮風を気持ちよさそうに全身に受け止めてそう語る。
「ワークパンツはね、ウチの売れ線の中で新しいやつ。今年の4月ぐらいに発表した『002』っていうモデルで、上から下まで一番太いタイプだね。シルエット的にはフリスコ系のパンツで、多分これ以上太いのは作らないと思う」
実際にバイクに乗る時でも、太さがたっぷりある分膝を曲げた時の自由度は高い。また、これまで前モデルの『004』と若干被ると考えて二の足を踏んでいたそうだが、いざ作ってみれば案の定の人気ぶり。ニーズを見据えた打率の高さは健在だ。
「キャップはベタだけど、ベースボールキャップと同じぐらいの深さのジェットキャップを作りたかった。なおかつ、傘に使う防水生地でサイドメッシュ。まあこれは通年というより夏用だけどね」
さて、作り手からダイレクトな、一歩踏み込んだ商品説明がひと段落したところで、そろそろ背後の新しいオモチャに話を振ってみたい。ビーチに見事に溶け込んだスカイブルーのボディには、『FORD』のエンブレムが眩くきらめいている。
「これはね、金沢の友人が乗ってた’94年式のF150で、売りに出すっていうので買ったやつ。シボレー乗ってる人は多いけど自分的にはフォードの雰囲気が好きで、ずっとシングルキャブを探してたの」
売り出されるや直ぐ買いますと現場に足を運んで自走で帰ったそうだが、途中であえなく故障。結局レッカーで帰還したという『アメ車あるある』的洗礼を受けた、実に素敵な幕開けである。
「そういうのがアメ車だよね(笑)。あとトラックってワークとしては色々使えるけど、僕らは荷台に物をバンバン載せるタイプじゃない。だからそういう意味では無駄なんだけどトルクも含めて乗ってて楽しいんだよ、この無駄感というよりは贅沢感がね」
スペックだけでは語れない、こうしたオーシャニックな世界観もBLUCOの吸引力のひとつだろう。タフでシンプル。まだまだ作れていないベーシックなワークウェアがたくさんあると話す氏は、これからもスタンダードを追求し続ける。
キャップ | OL-211-018 ¥3,800-taxin |
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Tシャツ | OL-700 ¥4,200-taxin (2-Pack) |
ワークパンツ | OL-002 ¥9,800-taxin |
ソックス | OL-302-018 ¥3800-taxin (2-Pack) |
シェード | UC-012 ¥14800-taxin |
ショップ | BLUCO STORE |