イ行のバイク用語集
イー(ハーレー)【E (Harley)】
1936年にハーレーダビッドソンが発表したナックルヘッドエンジンのモデル名。『E』は標準モデルで、排気量は1000cc。それまでのサイドバルブエンジンから新たにOHV(オーバー・ヘッド・バルブ)エンジンが搭載された。
イー・エフ・アイ(エレクトロニック・フューエル・インジェクション)【EFI (Electronic Fuel Injection)】
一般的にはフューエルインジェクション。この電気燃料噴射装置はキャブレターに代わる次世代システムで、燃料を直接インテークマニホールドに噴射する。噴射量などの計算はコンピューターが行い、スロットル開度に適した燃料を無駄なく噴射することで燃費やパワーを向上させる。
イー・エル(ハーレー)【EL (Harley)】
1936年にハーレーダビッドソンが発表したナックルヘッドのモデル名。ELは標準型のEと比べて高圧縮型で、更にEよりも3馬力高い40馬力を記録した。排気量は1000cc。
イー・シー・エム(エレクトロニック・コントロール・モジュール)【ECM (Electronic Control Module)】
センサーを通じてバイクからあらゆる情報を集めて、点火タイミングや空燃比、燃料噴射量などの計算を瞬時に行い決定するコンピューターのこと。
イーグル・ソアーズ・アローン【Eagle Soars Alone】
「孤高の鷲が空高く舞う」。これは1981年に、ハーレーダビッドソン社が複合企業体AMFから同社を買い戻した、『バイバック』の成功を世に知らせるために用いたフレーズ。
イージー・ライダー【Easy Rider】
1969年に公開された、チョッパーを語る上では欠かせないアメリカン・ニューシネマ(※反体制的な若者の心情を綴った映画作品)。パンヘッド・チョッパーに乗る2人(ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー)が、ロサンゼルスからニューオリンズ(謝肉祭)へと旅するロードムービー。
イージー・ライダーズ【Easy Riders】
1971年にアメリカ・カリフォルニア州で創刊されたハーレー雑誌。バイクのみでなく、バイカーのライフスタイルも取り上げたことで高い人気を博した。今も刊行されていて、「V-TWIN」「ROAD IRON」「IN THE WIND」などの姉妹誌がある。
イーブル・ニーブル【Evel Knievel】
ハーレーダビッドソンXR1000に乗り、命知らずの大ジャンプで人気を博したアメリカ・モンタナ州生まれのスタントマン。一列に並べたトラック数台を飛び越すモーターサイクル・ジャンプは年々過激さを増し、ファンを魅了した。1938年-2007年没。
イタリアン・ハーレー【Italian Harley】
イタリアの巨大航空機メーカー、アエルマッキ社のモーターサイクル部門を、1960年にハーレーダビッドソンが買収。以後、’70年代にかけて、・4サイクルのみならず2サイクルも含めた小排気量車をハーレーブランドで製造販売した。
イフ・アイ・ハフ・トゥ・エクスプレイン・ユー・ウドゥント・アンダースタンド【If I Have to Explain You Wouldn’t Understand.】
「説明しないといけないなら、そもそも理解出来るはずがないよ」。つまり、「グダグダ言わずにさっさと乗れば分かる」という意味。これは、乗ってない人には理解されにくいハーレーダビッドソンの魅力を端的かつ粋にまとめたフレーズ。ステッカーやTシャツなどにも使われていた。
インジェクション【Injection】
フューエル・インジェクションのこと。電子制御でガソリンを霧化させるシステム。
インターナル・スロットル【Internal Throttle】
スロットルケーブルをハンドル内に通して使用するスロットル・キット。ヴィンテージやカスタムバイクに見られ、ハンドル周りをすっきりとシンプルにするパーツ。
インチ【Inch】
1インチは2.54cm。アメリカを中心に使用される、ヤード・ポンド法における長さの単位。1インチは1フィート(0.3048m)の12分の1。1ヤード(0.9144m)の36分の1となる。「in」、「IN」とも表記され、記号での表記は「”」(ダブルプライム)。
インディアン・モーターサイクル【Indian Motorcycle】
1901年にアメリカで創業したモーターサイクル・メーカー。1920年代までは世界最速のメーカーとして君臨し、サイドバルブエンジンを積んだ『スカウト』や『チーフ』など多くの名車を手がける。ハーレーダビッドソンのライバル社として、レースや市場で熾烈な争いを繰り広げてきたが、’53年に倒産。その後、数度の復活を遂げるがどれもうまく行かず、2004年に新生インディアン・モーターサイクル社として新たなスタートを切った。
インディアン・ラリー【Indian Larry】
アメリカ・ニューヨークのカスタムバイク・ビルダー。前身のサイコサイクルズというショップ時代から異彩を放ち、スタントマンや俳優業もこなす多彩なバイクビルダー。手がけるカスタムバイクは常に世界中のファンに注目され、ハイパフォーマンス・エンジンを搭載したコンパクトなオールドスクールチョッパーでカスタムシーンをリードし続けた。2004年没。
インディー・ショップ【Indie Shop】
独立系ショップ。フランチャイズ(本部と加盟店の関係)ではないこと。
インディペンデント【Independent】
集団を良しとせず、モーターサイクルクラブに属さないバイカーのこと。常にひとりで走ることからLone Wolf(=一匹狼)とも呼ぶ。
インプレッション【Impression】
新車やカスタムバイク・カーなどを試乗した印象(感想)、及び、それに基づいた記事のこと。
インベーダー・ホイール【Invader Wheel】
’70年代のチョッパー全盛期に発売されたカスタムホイール。5本の角型スポークが特徴的なデザインとなる。鉄製で、クロームメッキが施されていた。
インポート【Import】
輸入パーツを指す。主にアメリカやヨーロッパ諸国のパーツカタログに記載されている言葉で、自分の国以外で生産した商品を輸入して販売すること。昔のチョッパーパーツは日本や台湾などで製造されていた。
インライン・フォー【Inline Four】
直列4気筒エンジン。1920年代のACE(エース)やHENDERSON(ヘンダーソン)など、縦置きの4気筒エンジンに始まり、1969年には横置き4気筒エンジンのホンダCB750Fourがデビュー。以降、横置きが主流となった。他に3気筒、6気筒エンジンもある。
インレット・オーバー・エキゾースト【Inlet Over Exhaust】
1900年代前半のモーターサイクル黎明期に見られたエンジン内バルブのレイアウトのこと。構造としてはインレットバルブ(吸気弁)がピストン上部にあるOHV式で、エキゾーストバルブがピストン真横のサイドバルブ式となる。略してIOEとも呼ぶ。
インレットバルブ(吸気弁)【Inlet valve】
4ストロークエンジンの吸気バルブのこと。吸気工程で開くバルブを指す。このバルブが開くことで混合気がシリンダー内へ入っていく。また、カムシャフトとロッカーアーム、バルブスプリングが連動して、間接的にバルブを押すことで機能する。