ハ行のバイク用語集
バー・ホッパー【Bar Hopper】
バーを転々とハシゴするために作られたようなバイク。街乗り専用のスタイリッシュなカスタムバイクのこと。
バーチカル・ツイン【Vertical Twin】
真っ直ぐに搭載された2気筒エンジンを言う。つまり、クランクケースに対してシリンダーが垂直についた、並列2気筒エンジンを指す。イギリスのモーターサイクルの多くが採用していたことで知られ、トライアンフを筆頭にノートン、BSAと錚々たるメーカ-が並ぶ。
ハード・テイル【Hard Tail】
リアサスペンションを持たない、リジッドフレームのこと。あるいは、リジッドフレームのリア周りのみを模造したパーツ名。それを本来リアサスペンションの付くスイングアーム・フレームに溶接、もしくはボルトオンで装着したフレームのことを言う。
バード・フォーク【Vard Folk】
1940年代のハーレーダビッドソンやインディアン用のカスタムフォーク。その年代当時の純正フォークはスプリンガーかガーターフォークしか存在しなかったが、そこにテレスコピックタイプのグライド・フォークをリリースしたことでカスタムの幅を広げた。当時のバードフォークは玉数が少ない希少パーツのため、中々お目にかかれない商品となっている。そこに来て2013年に、アメリカ・カリフォルニア州のハープーンが本物を再現したリプロダクトをリリースしている。
ハードリーライダブル【Hardly-Ridable】
ハーレーダビッドソンのロゴをもじったフレーズで、乗りにくさや、敷居の高さを表している。誹謗中傷ではなく、あくまでもハーレーファンの側から発せられるもの。他にHardly-Dangerousなどもある。
バーネット【Barnett】
ハーレー用のパフォーマンス・パーツメーカー。スコーピオンなど高性能クラッチと関連部品で有名。チャールズ・バーネットにより1948年創業。
ハーレーダビッドソン【Harley-Davidson】
アメリカ最大のモーターサイクルメーカー。1903年にウィスコンシン州で、ウィリアム・S・ハーレー、アーサー・ダビッドソン(三男)、ウォルター・ダビッドソン(次男)、ウィリアム・A・ダビッドソン(長男)兄弟の4人で創業。’53年にインディアン・モーターサイクルが倒産した後、長い間アメリカ唯一のモーターサイクルメーカーとして確固たる地位を築いた。
バーンナウト【BURN-OUT】
リアタイヤを空転させてタイヤのゴムを溶かすことで大量の煙をまきあげるパフォーマンス。やり方はフロントタイヤをロックさせてスロットルを盛大に開ける。ドラッグレースの出走前にはグリップを向上させるために必ず行われる。
ハイウェイ・バーズ【Highway Bars】
別名エンジンガード。転倒や事故などの際にエンジンを守るため、フレームに装着された太くて頑丈なパイプ。基本的にはまばゆい輝きを放つクローム処理がなされる。ツアラータイプのバイクに多く取り付けられる。
ハイウェイ・ペグズ【Highway Pegs】
高速仕様のハイウェイ・バーに装着されたフットペグのこと。これにより、高速巡航時などで足を伸ばし、ほどよくリラックスしたポジションを取ることができる。
バイカー【BIKER】
直訳すれば、バイクに乗る人=バイカー。しかし、モーターサイクリストやライダーとは違い、若干尖ったニュアンスが含まれる。
バイカー・ビルド・オフ【BIKER BUILD OFF】
2002年~2006年の間にアメリカのディスカバリーチャンネルで放映された人気番組。当時ビリー・レーン、インディアンラリー、アレン・ネス、木村信也など多くの有名ビルダーが出演し、2000年代の爆発的なチョッパーブームの火付け役となった。
ハイカム【High Cam】
ハイリフトカムの略称。ノーマルに比べて山が高いカムのこと。バルブの開く量を大きく取ることが出来るものを指す。また、ハイリフトカムではあるが形状が台形のものをデュレーションカムと言い、山型ではないためバルブの開閉時間が長くとれ、その分混合気や排気の吸排を多くすることができる。
バイキング【Viking】
スウェーデン、ノルウェー、デンマークを筆頭にしたスカンジナビア沿岸地域の武装船団(海賊)のこと。全盛期は800~1000年頃で、西ヨーロッパをターゲットにして略奪を繰り返していた。スカンジナビア沿岸、つまりヨーロッパ北部のバイカー・カルチャーにその名残は現れ、カスタムバイクのペイントの絵柄や、バイカーのクラブ名などに反映されている。
パイプ【Pipe】
マフラー、及び、エキゾーストパイプ(排気管)のこと。
バガー【Bagger】
ツアラー系のカスタム、またはツアラーバイク。フェアリング、サイドバッグなど、長距離移動用の装備を持つ。エイプハンガー(あるいはスカイハイバー)やカラフルなペイントが特徴となる。
ハガー(ハーレー)【Hugger (Harley)】
ハーレーダビッドソン・スポーツスターファミリーのモデルのひとつ。リアサスペンションが短く、シート高が低い車体はまるで路面にハグするかのような印象を与えることからこう命名された。
バゴス・モーターサイクル・クラブ【Vagos Motorcycle Club】
アメリカ・カリフォルニア州の南部で結成された、アウトロー・モーターサイクル・クラブ。クラブカラーは緑とされ、彼らの息のかかった領域はグリーン・ネーションと呼ばれる。同じアウトローのモンゴルズとは友好関係にあり、ホームグランドのカリフォルニア州では唯一無二の存在感を誇示する。1965年設立。
バスケット・ケース【Basket Case】
分解されたバイクが製作されずにパーツのままになっている状態。あるいはパーツをひとつずつ集めて、イチからバイクを作り上げること。
パスタ・ロケット【Pasta Rocket】
イタリア製スポーツバイクの呼び名。言うまでも無く国民食から取られたもので、主にドゥカティ、MVアグスタを指す。一方、日本車はRice Rocket(ライス・ロケット)である。
バスタブ【Bathtub】
1957年~’60年代前半に生産されたトライアンフの固有モデルに付けられた愛称。大きなリアフェンダーがバスタブ(風呂桶)を逆さまにしたように見えるのが由来。代表的なモデルは3TA、タイガー100など。
バック・ドア【Back Door】
ツーリングなどの集団走行で一番後ろを指す。最後尾。
バックファイア【Backfire】
混合気がエンジン内でなく、吸気系(キャブレターやインテーク・マニホールドなど)で爆発してしまうこと。排気系の場合はアフター・ファイアと呼ぶ。
バッド・トゥ・ザ・ボーン【Bad To The Bone】
手に負えないほどの悪党。または筋金入りのという意味。
バッフル【Baffle】
マフラー内の排気音を抑える部品。パイプ状や消音材を使用したものがあり、形状や材質により音質や音量が変わる。
ハバーマン・パフォーマンス【Habermann Performance】
トーマス・ハバーマンが営むドイツのカスタムバイク・ショップ。ドイツ語圏の高等職業能力資格認定制度であるマイスターを金属加工部門で取得。彼が生み出す美しいハイエンドなカスタムバイクは、欧州のみならず世界中で高く評価される。
パフォーマンス・マシン【Perforamance Machine】
アルミ削り出しのブレーキ・キャリパーで世界中のカスタムファンに愛用される、アメリカ・カリフォルニア州のパーツメーカー。1970年創業で、他にもホイールやフットコントローラー等のデザイン性に優れた高性能パーツを多数扱う。
ハマー(ハーレー)【Hummer (Harley)】
ハーレーダビッドソンが戦後の1947年に、ドイツのバイクからヒントを得て製造した125ccの小排気量車。初期のフロントにはガーターフォークが採用されていたが、1951年にはテレスコピックへと改良された。2年後の1953年になると、エンジンを125ccから165ccへとアップ。ちなみに、ハーレーの小排気量モデルが『ハマー』と正式に呼ばれるのは1955~59年製造の125ccモデルのみである。
パラレル・ツイン【Parallel Twin】
並列2気筒エンジンのこと。ふたつのシリンダーが平行に並び、また、1本のクランクを2気筒で共有するという構造になる。エンジンを構成するパーツが少ないという特徴があり、そのため重量が軽い。
バルブ【Valve】
エンジンパーツのひとつ。シリンダーヘッド内にある傘状の部品を言う。カムシャフトと連動して開閉を繰り返し、バルブは吸気・排気の2つに分けられる。まず、吸気側のバルブはキャブレター・EFIから供給された混合気の量を調整する役割を担う。排気側バルブは排気ガスをエンジンの外へ出す役割をし、それぞれが上手く機能することで快適な走りを実現する。
パワー・トレイン【Power Train】
エンジン、トランスミッション、クラッチ、ドライブベルト(チェーン)などの、動力を伝達する駆動系すべてを含んだ総称。
パワー・プラント【Power Plant】
直訳では発電所の意味。しかし、バイクの世界ではパワーを産み出す大本という認識で、『エンジン』のことを指す。
パワーウェイト・レシオ【Power-Weight Ratio】
出力荷重比と言う。これは加速能力を示す指標として用いる比率のこと。理論上は、1馬力が負担する重量が軽いほど加速性能が高いことになる。数値の出し方は、車重(kg)÷馬力(ps)となるがこの時ライダーの体重は加味されていない。そのためバイク単体のポテンシャルを計る絶対的な数値にはなりえないので要注意。
パワーバンド【Powerband】
一番馬力が出る回転域のこと。
パン・ショベル【Pan Shovel】
ハーレーダビッドソンのパンヘッド・エンジンに、ヘッドのみをショベルヘッド・エンジンに交換したもの。あくまでも個人の手でカスタムされたエンジンを指し、ジェネレーター(直流発電機)搭載の、パンヘッドの腰下を流用したメーカー純正ショベルヘッド(アーリーショベル)とは明確に異なる。パン・ショベルはパンヘッドありき、アーリーショベルはショベルヘッドありきと覚えておこう。
パンケーキ・エンジン【Pancake Engine】
BMWに代表される水平対向エンジンの通称。パンケーキのようにエンジンが平らに見えることからこう呼ばれる。
バンス&ハインズ【Vance&Hines】
1979年にアメリカ・カリフォルニア州で誕生したハイパフォーマンスなマフラーメーカー。レース愛好家だったテリー・バンスとバイロン・ヘインズの両者の名前を取って社名とした。排気効率を高め、独自のノウハウを注入したマフラーは世界中で使用されている。
バンディドス【Bandidos】
1%er(ワンパーセンター)と呼ばれるアメリカのアウトロー・モーターサイクルクラブ。1966年にテキサス州ヒューストンで結成。ヨーロッパ、オーストラリア、アジア各国に支部があり、バンディドー・ネーションと総称される。
パンヘッド【Panhead】
1948年にリリースされたハーレーダビッドソンのOHVエンジン。エンジン上部のロッカーカバーが鍋(パン)を逆さまにしたような形状だったから、そうニックネームが付けられた。排気量は1000ccと1200ccがあり、エンジン内部には油圧タペットを、シリンダーヘッドにアルミ材を採用することで信頼性を向上させた。1965年まで製造された。
ハンマー・ダウン【Hammer Down】
スロットルをいきなり全開にして急加速すること。