ANGIE MOTORCYCLESのハーレー サンダーバイクのコンプリートカスタム FXBR(Softail Breakout) 2023年

H-D FXBR 2023
ANGIE MOTORCYCLES

July 23rd, 2025

欧州カスタムメーカーの波頭
サンダーバイクのコンプリート

高年式車両にも関わらず、原型を留めないほど先進させた潔さ。この低くも太く力強いカスタムを手掛けたのは、仙台の『アンジーモーターサイクル』だ。

このショップが特化しているのはハーレーの高年式車両を扱っているということ。カスタムシーンでは型落ちした中古車がベース車両となる場合が多いが、それはスタート段階が安価になるという理由によるところが大きい。

ANGIE MOTORCYCLESのハーレー サンダーバイクのコンプリートカスタム FXBR(Softail Breakout) 2023年

一方で、いまや天文学的単位の金額となった旧車のナックルやパンヘッドをベース車両に、さらに膨大な時間と多額のお金をかけてカスタムするのは、理想の高さと趣味性によるものと、誰もが理解しやすい。

では、ベース車両が高額となりがちなおろしたての高年式車両をカスタムするというのは、一体どのような発想なのだろうか。

ANGIE MOTORCYCLESのハーレー サンダーバイクのコンプリートカスタム FXBR(Softail Breakout) 2023年

代表の佐藤さんは「パンク以外でのレスキュー率ゼロ%を目指す」ということを掲げている。ゆえに扱うのは自然と2000年以降の車種が大部分を占めている。

今回の2023年ブレイクアウトのカスタムプランがスタートしたのは2021年、コロナ禍真っ只中だった。カスタム開始が2021年なのに、ベース車両は2023年となると計算が合わないが、世界中の誰もが辛い思いをしたコロナ禍を振り返ると、想像も難しくはない。

ANGIE MOTORCYCLESのハーレー サンダーバイクのコンプリートカスタム FXBR(Softail Breakout) 2023年

当時、国内においても製造力は衰え、海外からやってくるすべての輸入品はさらに入手困難を極めた。ドイツに拠点を置くサンダーバイクパーツをふんだんに使ったこのカスタムは、その部品集めに悪戦苦闘した。

当初は2021年のブレイクアウトをベースとしていたが、輸入品のゆっくりとした到着に時間はいたずらに過ぎてゆき、そうこうしている内に最新モデルのブレイクアウトは排気量が1インチアップしてしまったのだ。

ANGIE MOTORCYCLESのハーレー サンダーバイクのコンプリートカスタム FXBR(Softail Breakout) 2023年

そこで普通なら時間の経過による型落ちは致し方ないと考えるが、佐藤さんは最上級のコンプリートカスタムを目指していたので、最新最強のモーター搭載は譲れなかった。

「オーナーは言葉の多くない方で、カスタムの方向性は一任されていたので」と氏は語る。文句も出ないだろうから型落ちでもOKなのではなく、依頼者の喜ぶ顔が見たいからこそ、そこは譲らなかったのだ。

ANGIE MOTORCYCLESのハーレー サンダーバイクのコンプリートカスタム FXBR(Softail Breakout) 2023年

圧倒的なフロントリム径、ワイドなリアリム幅。それを流れるようなフォルムと美しいカラーバランスで、コンプリートカスタムは仕上がった。

(文/野上真一)

HARLEY-DAVIDSON FXBR 2023 DETAIL WORK

サンダーバイクのコンプリートカスタム FXBR(Softail Breakout) 2023年のフロントフォーク

FRONT FORK

ホイール取り付けのために、サンダーバイク製フロントフォークやリムを削り、キャリパー位置を変更した。

サンダーバイクのコンプリートカスタム FXBR(Softail Breakout) 2023年のフロントホイール

FRONT WHEEL

フロントリムは23インチ。「付けられない」ことを知りながらも、そこを何とかするのがカスタム屋の矜持である。

ハーレー サンダーバイクのFXBR(Softail Breakout) 2023年のガスタンク

GAS TANK

単色の黒ではなく、特別モデルCVOと同様のブラックラメがベースで、ゴールドリーフがあしらわれている。

ハーレー サンダーバイクのFXBR(Softail Breakout) 2023年のフットコントロール

FOOT CONTROL

フットコントロールのステップにもサンダーバイク製を。スケルトンカバー内にはT.P.P.のVPクラッチを搭載。

ハーレー サンダーバイクのFXBR(Softail Breakout) 2023年のリアフェンダー

REAR FENDER

サンダーバイク製はフラットだが、オーナーの乗るスーパーカーに似せたエアダクトを制作し、スポーティーに。

ハーレー サンダーバイクのFXBR(Softail Breakout) 2023年のリアタイヤ

REAR TIRE

21インチリムを組んだリアタイヤ。現在の輸入価格ならリアで300万円以上、フロントリムは200万円以上にもなる。

ANGIE MOTORCYCLES

住所 宮城県仙台市宮城野区銀杏町40-10
電話 022-290-6716
FAX 022-290-6712
SHOP ANGIE MOTORCYCLESのショップ紹介
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