H-D FXDLS 2017
SUNNY-SIDE GARAGE
ハンドリングがピカイチ
前後17インチのローライダー
『ダイナでスポーツする』と聞いたこともないフレーズが飛び込んできた。
「山道でもフルバンクまで楽しめるような車両で作りました」と話すのは、松阪市に『サニーサイドガレージ』を構える須川さんだ。
店主であり、インジェクションチューニングの名士として東海地方随一の評判を得る須川さんの手がけたこのカスタムローライダーSは接地感が最強の武器だ。
ノーマルのローライダーSがフロント19/リア17インチのセットアップに対し、フロント17/リア17インチに装換。
タイヤの接地面積は名刺1枚分と言われている。そこでコーナリングアディクトにとっては、いかにグリップ面積を増やすかというのが重要な課題となってくる。
「19インチで100の幅よりも、17インチで120の幅の方が接地面積は大きいですから、コーナリングしている最中の安定感も全然違います」と、このカスタムマシンの面白さを語りだす。見た目が勝負のカスタムが多い中、走行性能を売りとする。
山道のストレートでは一瞬のアクセル全開から、コーナーへの進入ではハードなブレーキング。スピードの落差が大きいほど、バイクは不審な挙動を見せるものだ。しかしこちらは、スタビライザーやステアリングダンパーを一切付けていないにも関わらず、次から次へと迫り来るコーナリングでも、安定感を持っているのが強み。
ハーレーのカスタムではあまり見かけない前後17インチという仕様が、限界の底しれぬ新たなる深淵(しんえん)を作り上げる。
「結構賭けでしたね。前後のセットアップを変えるとバランスが崩れて、怖い思いをしたこともたくさんあるんです。でもこの車両に関してはどんなにアクセルを開けても、どれだけハードなブレーキングをしても、一切ブレない。ミラクルが起きました」
前後のサイズを変えただけで起きたミラクルではない。バネ下荷重の軽量化を狙い、BSTのカーボンホイールを選択。加えて、フロントにはオーリンズの正立フォーク、リアには同じくオーリンズのブラックラインシリーズの336mm、もちろんそのスプリングとオイルも車両に合わせて変更し、最上のマッチングを実現した。
さらに、自社オリジナルのドライカーボンパーツへと刷新することで、基本的に重い車両を最軽量化。
ハンドリングがピカイチ、コーナリング狂がうっとりするマシンに仕上がったのだ。
(写真/山田健太郎 文/野上真一)
HARLEY-DAVIDSON FXDLS 2017 DETAIL WORK
HANDLE
バーハンドルのほかドライカーボン製ビキニカウルやメーターダッシュは自社オリジナル製品を装着する。
FRONT FORK
オーリンズ製正立フォークも長めの印象だが、ホイールが17インチのためロングフォークのような趣さえ伺える。
FRONT WHEEL
BSTカーボンホイールでバネ下の軽量化を図り、更にフロントフェンダーに自社のドライカーボンパーツを配備。
CARBON PARTS
リアフェンダー、チェーンガード、バッテリーケースなど自社オリジナルドライカーボンパーツで軽量化を実現。
REAR SHOCK
オーリンズ製ブラックラインシリーズ336mmを装着するが、通常はもう25mm長いリアショックを使用している。
MUFFLER
トランプ製の2in1チタンマフラーをベースに、高回転域も伸びるようにサイレンサーにモディファイを施す。
BUILDER’S VOICE
SUNNY-SIDE GARAGE
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