H-D FLTRXST Road Glide ST 2022
ANGIE MOTORCYCLES

良識ある紺碧の
パフォーマンスバガー

東北エリアでバガーカスタムの盟主といえば、一にも二にも『アンジー』の名が挙がる。バガー全盛の頃から現在まで、ひたむきに身を入れてきたノウハウは季節がひと回りするごとに厚みを増し、今やトレンドだけを追う他のショップがそう易々と追いつける範疇にはいない。

代表佐藤さんの右腕として日々の戦場を差配するのがメカニックの三嶽（みたけ）さんで、こちらのロードグライドSTは氏の愛車である。そして、これまでバガーカスタムに喉元までどっぷり浸かってきたなかで、「アグレッシブに走る」ことを前提に仕上げたのが今脚光を浴びるパフォーマンスバガーのジャンルであった。

「ウチらしい仕上がりを目指して、あとは個人的な好みというのも要素としてしっかり入れた一台です。ただ、いま旬なのがローライダーSTとかなんですけど、そこで逆にツアラーで是非やってみたいと。そういう経緯でカスタムしました」

米国のレースシーンから火が付いたパフォーマンスバガースタイル。元々最前線でバガーカスタムを手掛けてきた同店がパフォーマンス系にシフトするのは、異ジャンルからの参戦ショップと比べるまでもなく必然の流れだろう。

基本的にストックスタイルの素性を活かした上でオーバードライブさせた一台だが、ポイントはユーロ系パーツを駆使した点。部品精度や美的外観といった面から伊国ビティズデザイン製を重用するが、他に、要所に挿し込んだブルーカラーもたけなわだ。

「個人的に青が好きな色味なので、それをどう組み込んでいくかを一番ポイントとして考えたかもしれません。青い部分をどれだけバランスよく保てるかというのに凄い悩みましたけど、結果的には満足いく配色になった印象ですね」

一方、全体を構成する外装を見ていくと、フェアリングやガスタンクは純正品で、前後フェンダーとサイドバッグも純正状態で既にスタイリッシュなショートタイプなことからそのまま採用。曰く、社外パーツをみなまで使わないでもこれだけ持っていけるのが良いところ、とのこと。

続いて、前後ホイールにアレンネス製を。またハンドルやエアクリーナーを始めとしたエンジン周り、更にはフットコントロール一式にビティズデザイン製を動員。

バガーカスタムでとくと養ってきた目利きの得手は、純正品を用いつつ、ピンポイントで一気に投下される。そしてこの潮時を見極めた攻略が、東北の地でバガースタイルを支えてきたショップの良識である。

FRONT FAIRING

純正品のシャークノーズフェアリングを採用。ヘッドライトは元々は米軍メーカーのバハデザイン製を選択。

METER

ハンドルとライザー&メーターのゲージハウジング、アッパートリプルはイタリアのビティズデザイン製を使う。

FRONT WHEEL

ホイールは前後21／18インチのアレンネス製ワイスポークを。ラジアルキャリパーはイタリアのレブフィニ製。

MUFFLER

トラスクパフォーマンス製マフラーに、エアクリーナーやカムカバーなどはビティズデザインのマッシブシリーズ。

FOOT CONTROL

フロアボードやシフターキット、ダービーカバーはビティズデザイン製。クラッチは名品T.P.P.のVPクラッチ。

SIDE BAG

サイドバッグはショートタイプで見栄えの良い純正を。ショックはオーリンズに換装。シートはサドルマン製。