H-D FXBB 2019
SUNNY-SIDE GARAGE
時空をこえてつながる
光陰のドキュメンタリー
2011年の創業から、一貫してレーシーなカスタムを展開してきている。数あるカスタムスタイルのなかで、自分が惚れ込んだ只ひとつのものを推し進めてきた愚直さと、それを裏で支える夢中ぶり。いずれの度合いも、その辺のものさしではとても計りきれない尺度を持つが、肝心の当の本人がそんな熱さを感じさせないスローな雰囲気なのがまた良い。
簡単に言うと、はたから主人の須川さんを見てもガツガツしていない。日々向き合うパーツ開発や走行のデータ取りなどやってる内容はかなりのものだが、楽しんでる感じが一番先に見え、肩の力がふんわりと抜けている。
そしてその第一通過点の先に、人知れぬ苦労が山積しているわけだけど、そういった面を他人に垣間見せることすらないのも繊細な人柄の現われだろう。
「このストリートボブは最新の部品を使ってブラッシュアップしてる車両ですね。やっぱりウチは軽量化、パワーウエイトレシオが一番のポイントなんで、それを軽くすることでどれだけ面白くなるかをテストしてます」
今回、これまでのカスタムから大きく手を加えた箇所は、スイングアームとマフラーである。まず、スイングアームは純正が約11kgなのに対して新たに開発したのは約5kg。この約6kgのバネ下重量の軽減による向上は顕著で、車体を左右に倒し込んだ時の軽やかさや、加速時にタイヤが路面を蹴り込むダイレクトな感覚など、その体感効果はてきめんだと言う。
次にマフラーは、軽量/高強度のチタンを使い量産品として製作。出力が出るように、また、2イン1デザイン固有の吹け上がりが楽しめるようにと、軽量化以外にこの2点にも配慮して仕上げた一品だ。
「フォークはオーリンズの倒立ユニバーサルをハーレー用にスプリングとオイルを換えてます。セッティングはサーキットで試してみて今は左右独立です。左側は縮むだけの動作で右側は伸びるだけの動作をするカートリッジを作ってるんで」
昔は左右同じスプリングを入れていたが、現在は硬さの違うスプリングが入れられるようになったことで、そのやればやるほど面白くなっていく感じにのめり込んでいるそうだ。一方、リアショックは同じオーリンズのストリートボブ用を装着している。
性能を重視した上で、軽量化を追求。「外装関係はもうこれで終わりですかね」と、各所のアップデートによりある一定の極みまで達した感のあるマシンは、共に精励してきた、氏のドキュメンタリーでもある。
(写真/山田健太郎)
HARLEY-DAVIDSON FXBB 2019 DETAIL WORK
FRONT FORK
オーリンズ製倒立ユニバーサルのスプリングとオイルを換えてセット。左右で硬さの違うスプリングを挿入。
FRONT WHEEL
ホイールは前後19/17インチのBST製カーボンを。ブレーキキャリパーにはブレンボのGP4RXを採用する。
GAS TANK
ベース車が分かるようにタンクとフェンダーは純正を使用するのがマナー。塗装はシェイキン清水さんが担当。
FOOT CONTROL
ミスミエンジニアリング製ハイミッドコントロールを装着。カーボンのオイルキャッチタンクはオリジナル品。
MUFFLER
出力を上げ、量産化を実現させたオリジナルのチタンマフラー。2イン1特有の吹け上がり感にも配慮された。
SWING ARM
中空パイプの手曲げ品となる国内生産のスイングアーム。アルミA7075材と7N01材を使い約5kgで開発。
BUILDER’S VOICE
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