H-D FL 1947
BUDLOTUS MOTORCYCLE
ナローな車体構成に見る
手練のクラフツマンシップ
シンプルなスタイリングを呈しながらも、ウィットの効いた細やかな作り込みで魅せるチョッパー製作で知られる山口県の『バドロータス』。同ショップが今年の名古屋で開催されたカスタムバイクショー、ジョインツに持ち込んでいたのが、今回紹介するチョッパーだ。
製作の経緯を、ビルダーの福永さんから聞いた。
「’60年代っぽい雰囲気のナックルベースのチョッパーに乗りたいっていうお客さんからのオーダーでした。ほかに要望があったのが、フロント周りはナローの41パイで、リアは18インチ、タンクはあまり小さすぎず容量がなるべく大きいもの、そんな感じですね。
あとはその都度打ち合わせをしながら決めていきました。その他の細かい部分は自由に作らせてもらってます」
ベース車両にはパウコフレームにナックルモーターが載っていたが、当時物の雰囲気を好むオーナーの希望を尊重して、純正レプリカフレームにスワップ、クロームをかけている。
フロントエンドは愛知のフィーバーがリリースしているNARROW 41トリプルツリーに、パンヘッドのフォークをセットアップ。リアの18インチホイールとの組み合わせも相まって、目論見通りの車体の細さを実現させている。そこで、ナローという点で注目したいのがマフラーである。
「マフラーはフレームの内側を通したかったんです。車体全体を細身にしたかったし、できるだけ足が熱くならないように。パイプを下げることもできたけど、アップにしたかったのでこういう作りにしています」
18インチというリアタイヤのチョイスもあって、タイヤやフレームとのクリアランスは十分に確保。また、並走する下のパイプにもフレームから逃げる凹みを設けるなど、車体を這うようなライン取りには苦心の跡を垣間見る。
ガスタンクはバナナタンクをチョイス。ナローさを保ちつつ容量を確保するにはベストな選択だと判断した。
「そのまま使うんじゃ味がないんで、パテを盛ってエッジをつけています。容量を減らさない加工ですね」
バドロータスらしい遊び心溢れるメタルワークにも注目したい。アシンメトリーなデザインのシッシーバーやシフターにはさりげなくツイストがあしらわれ、シンプルな車体構成に外しのアクセントを提供している。
一見してスタンダードなオールドスクールチョッパー。しかし細部を見れば、芸の細かさに驚かされる。まさにバドロータスの真骨頂を詰め込んだような一台である。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON FL 1947 DETAIL WORK
GAS TANK
ブラックのタンクに映える、艶やかなゴールドのリボン。ペイントはビルダーの福永さんが自ら手掛けている。
PLUG CODE
プラグコードは白と黒のテレフォンコードでデコレーション。アルミのシフトノブは旋盤から削り出しで製作。
OIL TANK
オイルタンクはエッヂの効いたデザインでパイプを逃している。ショー出展を記念したプレートが配された。
SEAT
’70年代のビンテージシートを参考にデザインされたワンオフシート。座面にはステッチでダイヤを描いている。
MUFFLER
フレームの内側を抜け、シッシーバーもかわして一気にリアまで抜けた、潔いストレートなラインのパイプ。
SISSY BAR
「2本の棒の片方を上にギューっと引っ張ったようなイメージ」のシッシーバー。遊び心をのぞかせたパートだ。
BUILDER’S VOICE
BUDLOTUS MOTORCYCLE
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