H-D TWIN CAM
CUSTOM WORKS ZON
和洋折衷が華やぐ
凛とたたずむ美の甲冑
国内第一級のカスタム屋が手掛けたマシンは、明らかに漂う気配が違う。遠くから見ても浮き立つ鮮やかな存在感は、ごく限られたショップのみが持つ異能の資質。それは昨年の2021ホットロッドカスタムショーの会場内でも顕著で、出展ブース前の人垣が絶えることはなく、そこには発光するかの輝きがあった。
はたして当然のごとく各アワードを受賞したゾンの一台は、甲冑と鎧をイメージソースにして製作。アルミのカバードボディを心髄に、和のテイストでしなやかに包み込んだ唯一無二である。
とっかかりはリアホイールの23インチ化だったと、ビルダーの吉澤さんは言う。そこを起点にした上で、フレームワークに着工。外装のカバードボディの発案に関しては、トレイシーボディのような綺麗なラインで魅せたかったのがキッカケだ。
「23インチをやったことがなかったのでどうしてもやりたかった。それでホイール製作から入ってですね。アルミのカバードはまず最初にワイヤリングでアウトラインを作って、オーナーさんと打ち合わせしながら鉄板で成形していってます」
また、カバードボディは単純な1層構造ではなく、2層と3層部分を使い分けて構築されている。トップ部分は1層ながらサイドを2層に、そしてエンドのフチ部分は3層で創作。シート下の両サイドのダクトは、10ミリ厚のアルミを削り出して溶接で留めた箇所だ。
他に、ガーターフォークや、シート下に潜ますカバードボディと一体化させたオイルタンク。ホイールやマフラー、フットコントロールなど、そのほとんどの箇所をワンオフで手配。曰く、「既製品だと手抜いてるように見えちゃうんで作ってます」と、こともなげに語るその姿にカスタムシーンの第一線を走るビルダーの意識の高さを目の当たりにする。
「カバードは甲冑をイメージした時に、中の心臓部分を隠して後は外装で魅せたいなって。まあウチが得意なのがメタルワークなんで、どこまで出来るか試してみたかったというのもあってこの形になったんですけどね」
圧巻ともいえるカバードボディには、神戸のシルバースミスフィン河村さんの手で彫金が入れられ、カバード下からのぞくタンク本体の24金リーフの3D塗装は京都のカミカゼが担当。この、タンク単体でも十分なところを、更にカバードの付加価値を加えることで絶対的な座を掌握(しょうあく)するカスタムワークスゾン。底の知れないカスタム屋の気炎はいまだ冷めやらず。
HARLEY-DAVIDSON TWIN CAM DETAIL WORK
FRONT FORK
ベースのガーターフォークを狙った造形に削り上げてフィニッシュ。ヘッドライトカバーもアルミでワンオフ。
COVERED BODY
アルミ材のカバードボディは1層ではなく2層と3層の部位も取り入れ構築。彫金はシルバースミスフィンの仕事。
MID CONTROL
オープンプライマリーに単一製作のミッドコントロールをセット。フットシフトはジョッキーシフト化された。
MUFFLER
基本的にワンオフで構築するのがゾンのカスタムスタイル。ブラックマフラーのエンドキャップがアクセント。
REAR END
リアへと続くボディのシート後方にオイルタンクを配備。通常のオイルタンク位置は電装ボックスとして使用。
REAR WHEEL
今回のスタートとなった23インチホイール。全体とのバランスを取るのが難しいこのホイール製作から始動した。
BUILDER’S VOICE
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