H-D FXBB 2019
SUNNY-SIDE GARAGE
最高を突き詰める
ホームストレートの残光
カスタム車で鈴鹿サーキットを走ると言う。そんな連絡が入ったのは走行会の2ヶ月ほど前で、いきなりのカウンター的発言に面食らったのを思い出す。鈴鹿サーキットといえばF1も開催される誰もが知った国際レーシングコース。そんなレーサーの聖地で、この間撮影したあのカスタム車を走らせると言うのだからただごとじゃない。
レーサースタイルとは程遠い、特徴的なリアエンドの上がったスピードクルーザースタイル。主の須川さんは自分の愛車でもあるこのFXBBで、街中を走る最強のハーレーダビッドソンを作っていく予定だと言う。そこで氏がテスト地に定めたのが今回の鈴鹿サーキットだった。
まず前回からのおさらいをすると、カスタムでの変更点は主に3つ。開発中のフルチタンマフラーとカーボン製アンダーカウル。そしてブレンボ製コルサコルタのブレーキマスターで、マフラーとアンダーカウルに関しては製品化にともなう最終確認を行い、そこにプラスして足周りやインジェクションチューンのセッティングも煮詰められていった。
「やっぱり街中よりもサーキットの方が安全にいろんなことが試せるんです。足周りのセッティングやチタンマフラーとか、あとはサンダーマックスの調整。そういう所のふり幅をチェックすることで、ストリートで一番良い所まで持ってこれるんですよね」
コースに出れば、数周走るごとにピットインしてはサスペンションの減衰調整やサンダーマックスのデータをアップデイト。レーシングスーツを着ながらその都度ノートパソコンとにらめっこする須川さんの姿には鬼気迫るものがある。そして当然、こうした極限の世界で収穫した果実はたっぷりと糖度をたくわえて、その後開放される市場でひと際存在感を放つことになる。
「足周りは凄い良かったです。オーリンズのサスも詰めていくほど思うように曲がってくれて。あと今回BSTのカーボンホイールを使ってみて街中よりも効果が明らかでした。足周りが軽いってこんなにもラクなのかって。あとブレーキはもう文句なしでしたね」
ストリートでの走りを追求するあまりに、国際サーキットにカスタムバイクを持ち込むという発想が良い。なかなかそこまで思考を飛躍させる作り手はいないが、氏の場合それをいとも簡単にやってのけてしまう脚力がある。常に最善策を模索し、その解答を得るためには足踏みをしない。そして最も、店主自らバイクを楽しむ姿にファンの心拍数は高らかに同調する。
HARLEY-DAVIDSON FXBB 2019 DETAIL WORK
BRAKE MASTER CYLINDER
ブレーキマスターはブレンボ製コルサコルタで、オリジナルで開発したフィッティングパーツでセットする。
FRONT FORK
オーリンズ製ユニバーサルのスプリングとオイルをハーレー用に変更。セッティングを詰めて理想の乗り味に。
ENGINE
カムに中回転寄りのレッドシフト製を選択。チューンにサンダーマックスを使い、学習を重ねて最良の値に設定。
UNDER COWL
軽量化をカスタムのテーマに掲げる同店のオリジナルカーボンカウル。他にも多数カーボンパーツを揃える。
MUFFLER
開発最終段階のフルチタンマフラー。巷にあるショートタイプではなく、馬力を引き出すために長さを確保。
REAR END
同店の特徴ともなるカチ上がったリアエンド。サスはオーリンズ製で、外装の塗装はシェイキン清水さんが担当。
BUILDER’S VOICE
SUNNY-SIDE GARAGE
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