H-D FXLR Low Rider 2018
VIDA MOTORCYCLE
最新モデルでも実現させる
クルーザーのスタンダード
ハーレーのダイナモデルが廃盤となり、ソフテイルに統合された衝撃は記憶に新しい。併せてツインカムに次ぐニューモーター、ミルウォーキー8のデビューもセンセーショナルだった。しかしカスタム業界、ことダイナ&FXRを用いたスピードクルーザーを手がけるショップにしてみれば、比較的関心の低い話題だったことは否めないだろう。
そんな中、このニューマシンに可能性を見出したのがヴィダモーターサイクルの大久保さんだ。
「発表でフレームの剛性であったりコーナーでの高い旋回性をかなり謳っていたので、これまで作ってきたクルーザーに近いものが出来るんじゃないかと。ラバーマウントじゃないモノでどれだけ寄せれるか、もっと走りに振れないか、ということを試したかったですね」
ソフテイル、しかもM8で造るクルーザー。マシンを精査し、テストライドを行なった上で「ローライダーなら出来るのでは」、という結論に至った氏は、この新たなチャレンジに着手した。
「今回の一番のこだわりはフォーク。純正の短いフォークだとこのバランスが取れなかったですね。シャコタンみたいで(笑)」。M8用のロングインナーチューブがリリースされていなかった為、プログレッシブのダイナ用カートリッジを使い、ダイナと同じ長さのインナーチューブを用いてノーマルから2インチアップに成功。前からみればダイナにしか見えないルックスを手に入れた。
ルックス、という点で最も強烈に主張しているのが、氏が個人的に所有していたFXRPの純正フェアリングだ。純正ポリスの白を惜しげなくブラックアウトし、M8ソフテイルへと装着。30年もの隔たりのある両者だが、違和感なく収まるのはH-Dという同じ血族の為せる業か。
リアバッグも注目すべきポイントだ。デタッチャブルのフェアリングとバッグがウリの現行モデルFLSBスポーツグライドの純正バッグで、同じソフテイルゆえに無加工で収まるのは当然だが、皮肉にもスポーツグライドよりローライダーの方がフェンダーとバッグのラインがマッチしている。またフロントフェアリングとの相性も絶妙。もしFXRPやDPのバッグならここまでのマッチングは見せなかったはずだ。
大久保さん曰く、「安心感の塊」というM8のクルージング性能。フェアリング&バッグで快適性を更に向上させたヴィダ初のM8スピードクルーザーがここに誕生した。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON FXLR 2018 DETAIL WORK
RISERS
ライザー&メーターブラケットはHCP製。ローライダー純正の2連メーターを使用。差し色のゴールドが眩しい。
FRONT FAIRING
FXRPの純正フェアリング。ヘッドライト&フォグランプはLEDに。ナックルガードはVidaの人気パーツだ。
PAINTWORK
強い光が当たると浮かび上がるマットブラックのラインは氏が全幅の信頼を寄せる「カメレオン」の仕事。
ENGINE
T-MAN Performance製のカムに交換するだけで100馬力を超える心臓。チューニングはビークルデポに依頼。
SEAT
シートはVidaのクルーザーには定番となっているBMC Corbin。ライザーの金に合わせ、ゴールドのステッチを。
MUFFLER
パイプはSawicki Speed Shopの2in1。M8用はBassaniかTBRが多数派だが、敢えてマイノリティを選択した。
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