ハーレー ベイエリアスタイルチョッパー ショベルのFX1973

HARLEY-DAVIDSON FX 1973
SWALLOWTAIL

August 31st, 2018

深海へ引きずり込む
寄せ付けない度量

カスタムシーンにおいて、今や押しも押されぬ座に構えるショップだ。店主の桜井さんが手掛けるアルミを駆使したチョパーは、日本はもとより海外でも高く評価され、そのフォロワーは日に日に増加傾向にあり、異国の地でも本国同様の輝きを放っている。

ハーレー ベイエリアスタイルチョッパー ショベルのFX1973

今回の’73年式FXは、フロントフォークのリップルカバーを偶然見付けたことからイメージが湧いたものだと言う。ひらめいたね完全に、と嬉しそうに歯を見せた表情が印象的だ。

「これはもう俺のスタイル。色だけ青という希望をお客さんから聞いて、それ以外はいつものアルミを得意としたやり方で、ベイエリア系の感じで作り込む」

ハーレー ベイエリアスタイルチョッパー ショベルのFX1973

同店の場合、この『作り込み』が強烈。そのほとんどが聞かなければ分からない精細さだが、そこに手を加えるかどうかで完成形には顕著な差が生まれる。他人が真似しようとも同じラインを出せないのは、こうした秘伝のフレーバーが必ずどこかに潜んでいるためだ。

「実はフレームも詰めてるよ。あとフロントフォークの三つ又は無垢から削り出して、前にせり出すような格好にしてる。これは遠近感を出すためで、そうするとバイク自体がスタイリッシュに見えるから」

ハーレー ベイエリアスタイルチョッパー ショベルのFX1973

みんな悩むところだと言うフロントフォークに関しても、思考を重ねて行き着いた最善の長さにエクステンド。また、ともすればシートの長さにまで影響すると話すレイク角にも並ならない姿勢で対峙する。

「やっぱり角度で一気に見た目も変わってくる。だから角度は大事にしてる。結局フレームも角度もそれを触ったのが分からないように作るんだけど、ちょっとしたことでラインが崩れてしまう。すごい奥が深い。それがシンプルなチョッパーの難しいところだと思う」

ハーレー ベイエリアスタイルチョッパー ショベルのFX1973

氏が手掛けるチョッパーの場合、しっかり話を聞いておかないと火傷する。あえて普通に見せたフォルムには、練り込んだ創造の集大成が、まるでウォーリーをさがせのごとくに隠されているからだ。

「外装はなんでアルミにこだわるかって? まあ10代から草レースをやっててアルミパーツが身近にあったのと、あとは鉄よりアルミの方が熱に冷えやすいよね。だから機能美としても惹かれていったのは事実だね」

ハーレー ベイエリアスタイルチョッパー ショベルのFX1973

アルミを使った金属加工に、自らの手でイメージを表出するペイントワーク。そのいずれにおいても進化し続けるスワロウテイルの懐の深さは、ツーフォールダウン。光の届かない海底にまで及ぶ。

HARLEY-DAVIDSON FX 1973 DETAIL WORK

ハーレー ベイエリアスタイルチョッパーのハンドル

HANDLE

ボトムにスリットの入るライザーはワンオフで、ストレートバーをくわえる。グリップは要望通りブルーで統一。

ハーレー ベイエリアスタイルチョッパーのフロントフォーク

FRONT FORK

ロサンゼルスで見付けたリップルカバーからカスタムはスタート。三つ又は前方にせり出させて遠近感を出す。

ハーレー ベイエリアスタイルチョッパーのガスタンク

GAS TANK

アルミで製作したタンクはレリーフを持たせた立体的なデザインに成形。ペイントは桜井さん自らが担当する。

ハーレー ベイエリアスタイルチョッパーのエンジン

ENGINE

ショベルモーターのロッカーを加工してアクセントを加える。シリンダーとキャブボディをブルーに塗装。

ハーレー ベイエリアスタイルチョッパーのシート

SEAT

得意とするシートワーク。シート下にアルミベースをかませてフレームにマウント。一体感を高めている。

ハーレー ベイエリアスタイルチョッパーのリアエンド

REAR END

フェンダーばかりか丸みを帯びたステーの造形にも抜かりはない。ホイールはアクロンのヴィンテージを選択。

BUILDER’S VOICE

SWALLOWTAIL

住所 鹿児島県鹿児島市吉野町6730-29
電話 099-294-5137
SHOP SWALLOWTAILのショップ紹介
営業時間 10:00 ~ 20:00
定休日 不定休