HARLEY-DAVIDSON FLHRS 2004
とりあえず大阪チョッパーズ
とりあえず九州
廃れないロードキング
超が付く体育会系の人との話は早い。まっすぐ飛んでくる言葉は明瞭で、シンプルだ。実家が空手道場というマッチョな環境で育った店主の角川さんは、いつものようにサクサクッと、説明を始めた。
「ほぼノーマルだから、作ってく上でのテーマも何も無いですね(笑)。これは正直な話、今年のゴールデンウィークに九州で僕が乗ろうとしていたバイク。でもその前に今のオーナーさんが来て、ああこれが良いわって買われたから、結局走られへんかったんです(笑)」
自分が乗ろうとしていたことから、パーツを新調するのではなく、店に転がっている物でまとめたそうだ。しかし、PMキャリパーやホイールなどのハイエンドパーツが文字通り転がるショップなどあるはずも無く、きっと、大切に保管された在庫の中から失敬したものなんだろう。
「特に何を買うでもなくね。これはまあ、流行り廃りのないスタイルにはしたかったから、これでちょうどええんちゃうかな。10年経っても20年経ってもずっと乗れるやつ」
キャンディブルーにゴーストフレアーの入るペイントも、蓋を開ければ10年前の仕事。つまり、元々オールペイントされていた外装を丸々入れ替えたわけである。それを考えると、何十年経っても色褪せないという芯の通ったコメントも、ずしりと重みを増す。
フロントフォークは純正で、前後ホイールにPM製を選択し、それに合わせてディスクローターとブレーキキャリパーも同社製で統一。なかなかに豪奢なセットアップだ。
「このバイクで唯一買ったパーツはS&Sのエキパイ。これだとまず下に排気を落とすんで良いんです。今までキャブ車の独立管のリアエキゾーストって、いきなりボンッと左側に出て取り回されてたでしょ。あれがダメ。出た瞬間に空気の流れが悪くなるから。でもコレだと、曲がってる箇所が少なくて抵抗も抑えられてるし」
人づてでも感覚でもなく、実際に自分でシャシダイに乗せて学んだノウハウである。こうした数値に基づく判断は、角川さんの性格を反映した同店のストロングポイントだ。
「キャブはノーマルで、ジェットで調節してるだけ。ゆっくり乗るならCVキャブで十分。こんなに優れたキャブはないですよ(笑)。そもそもセッティングが出てなかったらアフターファイヤーが出たりして教えてくれますしね」
在庫パーツと10年前の外装、そしてジェットの番手を上げるだけで調律した、とりあえずと見せかけて、なんとも用意周到なロードキングである。
HARLEY-DAVIDSON FLHRS 2004 DETAIL WORK
FRONT FORK
フォークを始めフロント周りはノーマル。が、このゴージャス感はどうだろう。素性を知った作り手の技が光る。
FRONT WHEEL
ホイール、ディスクローター、ブレーキキャリパーはPM製で統一。眩いビレットの輝きを放つ贅沢な足周りだ。
GAS TANK
10年前に塗装した外装とごっそり入れ替えた部位。キャンディブルーに縁をブラックでぼかしたフレアーが入る。
ENGINE
エンジンはストックで、キャブはCVを装着。ジェットの番手を上げて調節し、万全なセッティングが出される。
MUFFLER
エキパイは性能を考えたら理に適っているという理由からS&S製を選択。マフラーはバンス&ハインズ製。
SIDE BAG
サイドバッグは純正のレザーバッグから、外装一式と共にオールペンが施されたハードケースに変更された。
BUILDER’S VOICE
とりあえず大阪チョッパーズ
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