HARLEY-DAVIDSON XL883 2001
45 DEGREES
サスペンションで拓く
パラレルワールド
カフェレーサーを意識した、車高が低く、走れるバイク。更に、今までに見たこともないような形にして欲しいというオーダーを受けて製作されたマシンである。代表の齋藤さんはそれに対して、サスペンションの組み合わせの技術や、外装の造形など、出来得る範囲で新しい試みを取り入れながら応えたと言う。
氏はこれまで、ハーレーダビッドソン社が考え抜いたサスペンションのジオメトリーを変えるという感覚を持たなかったそうだ。つまり、ハーレーの良さを引き出すことのみに注力して来たわけだが、オランダのサスメーカー、『ハイパープロ』のサービスディーラーをやることでその認識は一変。ジオメトリーから変えればハーレーとはまた違った、新たなハンドリングを得られることが分かったのである。
「国産車に近いハンドリングでクイックに入る。かなり軽快に走れて、峠に行ってもロードバイクに引けを取らないような走りが出来るというのが一番のポイントかな。でも疲れることなく、のんびり走ろうと思えばそれも問題ない」
では、自慢のハイパープロを使ったサスメニューを覗いてみよう。フロントは43φの正立フォークで、これに齋藤さん自身も開発に深く関わったアクティブ製の可変オフセットステムをインストール。フォークのオフセット量をメーカー指定のものより少なくすることで狙ったトレール量を確保し、よりスポーティーな走りを生み出している。
リアは11.5から12インチにレングスを上げて、リアサスでピッチングを調整。前後をバランスさせることで、見た目の低さと旋回性の両方を得たセッティングメニューとなっている。「ハンドリングが軽快で、セルフステアといってハンドルが切れ込んでいかない。だから乗りやすいというのを狙ってる」、と内容を丁寧に噛み砕きながら解説する。
次に、ネオフューチャーな佇まいの外装だ。前後に17インチのグライドホイールを装着し、リアに180ワイドを履かすため、トラックテック製スイングアームを加工して巧く収納。そして、見せ場のタンクとリアフェンダー、フロントカウルはクレイモデル(粘土)を起こしてモックアップ(実物の模型)を作り、そこからFRPでワンオフしたものである。タンクに関しては、FRPで成形したものをベースに、鉄板で作り直すという手間の掛かったセクションだ。
同店が高らかに謳う、『メンテナンス&モディファイド』。ノーマルを否定するのではなく改善を図ることでワンランク上の走行を実現させる。そのモディファイドを経て初めて、カスタムがあるというスタンスは、このマシンにもブレることなく踏襲される。
HARLEY-DAVIDSON XL883 2001 DETAIL WORK
FRONT FORK
フロントフォークはハイパープロのAH1、43φ正立タイプ。カウルはクレイモデルで起こしたFRPのワンオフ。
STEM KIT
アクティブ製可変オフセットステムはオフセット量を50/55mmの2種類用意。最適なトレールを確保する。
FRONT WHEEL
軽量なアルミ鍛造のグライド製17インチホイールにキャリパーはブレンボを装着。走行性の高いセットアップ。
GAS TANK
モックアップを作りその型をFRPで起こして、それをベースに鉄板で製作。ソリッドなカラーリングが光る。
SEAT COWL
シートカウルもFRPのワンオフでそれに合わせてシートを製作。カウル内はETC等の小物の収納スペース。
REAR WHEEL
リアも同じくグライド製17インチホイール。マフラーは往年のトランプサイクル製レーシングタイプを装着。
BUILDER’S VOICE
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