HARLEY-DAVIDSON XLH883 2002
とりあえず大阪チョッパーズ
ちょい乗り仕様の
美的アティテュード
ユニークな屋号とは裏腹に、ドシリと構えた漢(※男ではない)が営むショップである。なんせ実家は空手道場で、そこでしばらく実業団の一員として熱心に活動していたベストキッドなのだから。
でもかといって、店主の角川さんは頑固一徹、回し蹴り的な緊張感のみが漂う人物ではない。どちらかと言えば、それと同等かそれ以上のユーモアを併せ持っていたりする。
このバイクは、乗りやすさにウエイトを置いて製作したものだそうだ。元々は氏の妹が乗っていたのを譲り受け、お店にあったパーツをうまく使い回してリメイク。当初は角川さん自身が普段の足に乗ろうと考えていた一台だと言う。
「このカスタムは寄せ集め(笑)。僕がちょい乗りで使おうと思ってたバイク。だから、そこかな。お金を掛けずに店の物でなんとか組むという(笑)」
一見言葉は悪いが、実車を見れば寄せ集めで片付けられるレベルでないのは瞭然。さほど手を加えているわけではないが、なんともバランスの良いシルエットである。この、ほど良い加減がなんともいじらしい。
「ペイントや各部を黒に塗った色味は、まあヤレてるのが嫌いやからって感じですかね。ホイールもトリプルツリーも腐食するじゃないですか。でも黒塗っといたら分からないんでね(笑)」
ひとつのキーワードになるのが、この『ヤレが嫌い』という点だろう。人様の前に出る時はポマードを髪に撫で付けビッとキメるという氏の美的感覚は、すべての作業に無意識的に息づいている。
そのヤレを避ける為に、XLH883のスポークホイールから1200Sのキャストへ換装してブラックアウト、同じくフォークのアウターチューブ、汎用ウインカーのボディまでを黒に塗装。細部にまで手を回すことで統一感を持たせ、完成度を上げた作りに同店のショップカラーが覗く。
ガスタンクは店に転がってた物をポン付けして、リアフェンダーは純正を使って加工した物である。しかしフェンダーに直でナンバープレートを溶接した為に、タイヤとのクリアランスがわずか指2本分しかなく、そのためリアショックが極力沈まないように固めのプログレッシブ製を付けたのだと笑う。
時にはこうした豪快なエピソードもいきなり放り込んでくる氏は、別れ際に、「カスタムビルダーなんて書かずに整備士って書いておいてくださいよ」、と言い放った。なるほど、その真意は痛いほど分かる。が、いち整備士がこのボディとカラーバランスを備えたカスタムを仕上げることはまず不可能だろう。
HARLEY-DAVIDSON XLH883 2002 DETAIL WORK
FRONT FORK
基本的には店にある物で構成。フォークは1インチローダウンして三つ又とボトムケースをブラックアウト。
FRONT WHEEL
ホイールは純正のスポークだと経年劣化で腐食することから、XL1200Sのキャストに換えてブラック塗装。
GAS TANK
同じく店に在庫していたスポーツタンクをマウント。鮮やかなパープルベースのフレイムスがひと際目を惹く。
SEAT
シートは侍のタメさんの所のオリジナルである。こうした意外なチョイスに同店の視野の広さが現れている。
REAR END
純正を加工したフェンダーにステーを溶接でジョイント。リアショックはプログレッシブ製の固めのタイプ。
MUFFLER
収まり良く配されたサンダーヘッダー。タンクのフレイムスラインと相まりアグレッシブな雰囲気を醸し出す。
BUILDER’S VOICE
とりあえず大阪チョッパーズ
住所 | 大阪府摂津市一津屋3-22-11 |
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電話 | 06-6195-9314 |
FAX | 06-6195-7041 |
SHOP | とりあえず大阪チョッパーズのショップ紹介 |
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定休日 | 火曜日 |