HARLEY-DAVIDSON XL1200R 2005
TRIJYA
蝶を模した
女性的な曲線美
ハイデザインにきめ込んだ、見るもホレボレなボディライン。優しく愛でるかの、細やかなフィニッシュが成されたXL1200Rは、トライジャのショップカラーが全面に投影された一台である。
「オーナー様が蝶が好きな人で、そのやわらかなイメージを出していくように作って行った。この形になるまで今まで大きく3回カスタムしてて、いったんこれで最終系になると思います」
代表の岡本さんにカスタムのポイントを聞くと、純正パーツを使っている点との返答を得た。タンクやフェンダーなどは純正パーツに二次加工を施したものだと言う。リブを入れたり、鉄板をつないで立体感を出すというのが見せ場となっている。では何故、1からのワンオフではなく純正流用なのだろうか。
「純正の良さを敢えて無くす必要がないから。確かに1から作れば自由度もあって好きに作れるけど、それはお金の掛かること。お客さんのことを思えば1から作るよりは良いし、わざわざタンクやフェンダーを買い替えないでも二次加工の方が表現力に優れている場合もある」
ワンオフが必ずしもベストではない。時には、既存パーツの有効利用が特別な装いに変貌を遂げる。オイルタンクカバーを中心に、タンクとフェンダーそれぞれに鉄板でつないだ造形は、美しい放物線を描きながら調和。そこに立体的なリブを立てることで、魅惑的なフォルムは加速度を増す。
「塗装が特徴的なのは、コンセプトがツヤツヤ感よりも独特の光沢が欲しかったから。基本的にはメタリックとパールが入ってるんですけど、最後に艶無しのクリアで仕上げてるのでこうなる。それに、塗装の後で薄くワックスをかけてるからエッジに光沢が出る。こうすると立体感が増して、より陰影も付くんですよ」
これは何も特別なことではなく、昔からある表現方法のひとつだそうだ。氏のように、25年もハーレーと接して来た人間にとっては山ほどあるペイントテクニックの一片に過ぎない。
純正パーツの二次加工と、艶無しの塗装でメイクした、蝶がモチーフの『バタフライスポーツ』。やわらかく、女性的なしっとりとしたラインに、陰影が強調される艶消し塗装が合わさることで、眼前には思わず言葉を失うかのグラマラスなボディが浮かび上がる。そしてそこに、ゆるやかに腰を据えて到達するエクスタシー。それは、高みを目指して改良を続けた、オーナーにのみ許された蜜月の世界。
HARLEY-DAVIDSON XL1200R 2005 DETAIL WORK
HEAD LIGHT
ヘッドウインズのライト上にはワンオフのフェアリングをセット。外装と同色の艶消しパターンで塗装される。
FRONT WHEEL
鮮やかな光沢を放つフロントホイールはアルミビレットのPM製を選択。ローターも同デザインで合わせる。
GAS TANK
純正タンクを使ったアーティスティックな造形。リブと艶消し塗装が相まり、狙い通りの色気と陰影を醸し出す。
ENGINE
上質なマシンの雰囲気に合わせてダイヤモンドカットを施行。HSR42キャブに自社の刻美製カバーを装着。
REAR END
クオリティ確かな純正長のオーリンズ製ショックと、フロント同様にPM製ホイールとローターのセットアップ。
REAR FENDER
純正フェンダーにリブを入れて二次加工。ストラットを経由してオイルタンクまでが一体的なラインとなる。
BUILDER’S VOICE
TRIJYA
住所 | 大阪府柏原市本郷5-4-18 |
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