ト行のバイク用語集
トゥームストーン・テールライト【Tombstone Taillight】
アメリカの墓石(Tombstone)に似た形状のテールライトのこと。ハーレーダビッドソンの純正パーツとして、1947~54年のパンヘッド時代に採用されていた。カスタムパーツとしても広く使用されている。
ドーナッツ【Doughnut】
前輪を軸にしてバーンナウトをしながら360度回転し、高温で溶けた後輪でドーナッツのような円を路面に描くこと。日本では映画「マッドマックス」のワンシーンから、マックス・ターンと呼ばる。
ドープ【Dope】
レース用のアルコールとメタノールを混合した燃料。または麻薬を指す。
ドッグボーン・ライザー【Dog Bone Risers】
その名の通り、犬がくわえる骨の形に似ていることから命名されたライザー。大きく3つに分けられ、1つ目に、ライザーの上下にパイプをくわえるクランプ穴があるもの。2つ目に、上下にクランプ穴があるが、上側のハンドル固定部のみ手前にオフセット(引かれている)されているもの。3つ目に、上側のみ手前に引かれたクランプ穴があるもの。
トッパー(ハーレー)【Topper (Harley)】
1960~65年のわずか5年間製造された、ハーレーのスクーターモデル。排気量は165ccで、2ストローク・シングルエンジン。ボディはフロント回りが鉄製で、リア回りは当時としては前衛的なFRP製であった。また、アイビースタイルが流行っていた時代背景のなか、このトッパーは見事にマッチし、アメリカABCのTVシリーズ『サンセット77』にも使用されていた。
トップ・エンド【Top End】
エンジンのクランクケースから上の部分。ヘッド、シリンダー、ピストンを含んだ箇所のこと。あるいは、最高時速のことをこう呼ぶこともある。
ドライ・サンプ【Dry Sump】
ハーレーダビッドソンに代表されるエンジン潤滑方式のひとつ。エンジンとは別にあるオイルタンクからオイルがエンジンに流れて各部を潤滑。その後、ポンプでオイルを回収してオイルタンクに戻すシステムのこと。サンプはオイル溜めの意味で、そこがドライ=乾燥しているのは別にオイルタンクで溜めているから。
トライアンフ・モーターサイクル【Triumph Motorcycle】
1885年に、イギリスでドイツ人のジーグフリード・ベッドマンが貿易会社を興したのが始まりのモーターサイクルメーカー。社名の由来は、同社がかつて製造販売していた自転車の商品名から。自転車がヒットして成功を収めると、今度はバイクの製造販売へと移行。1902年に第一号車を手がけ、その後はスピードツイン、サンダーバード、タイガー、トロフィー、ボンネビルと数々の名車を発表。しかし、1950年代にBSAの傘下となり、70年代には母体のBSAグループがノートン=ビリヤースと合併し、ノートン=ビリヤース=トライアンフ(NVT)と混然の3連合となった。そうした苦難を乗り越えて、90年代に新生トライアンフとして復活。水冷エンジンを擁するまったく新しいモデルの製造をスタートした。
トライク【Trike】
車体の中心線に対して左右対称にタイヤが付いた3輪車のこと。一般的には前輪1・後輪2の配置が一般的だが、逆の前輪2・後輪1のタイプは逆トライク、リバーストライクとも呼ばれる。メーカー純正のものから2輪だったものを3輪にカスタムしたものとが存在する。2輪はもちろんサイドカーとも違う乗り味で一部のファンに支持されている。
トラクション【Traction】
タイヤの摩擦性能を表すグリップのひとつ。具体的に言うと、タイヤの駆動力を路面に伝える力のことで、つまり、バイクを前に進める力を指す。この力が発揮されることを「トラクションが掛かる」と表現し、発揮されない状態を「トラクションが掛からない」と表現する。
トラスフレーム【Truss Frame】
三角形が格子状に組まれたフレームのこと。三角形のフレームではなく、三角形が格子状に組まれたものであることに注意。特性としてフレームのしなりと剛性がバランスする構造で、ドゥカティを筆頭にした欧州メーカーが好んで使用する。
ドラッグ・スペシャリティーズ【Drag Specialities】
アメリカ・ウィスコンシン州のハーレー用パーツ、アクセサリーのディストリビューター。CCIに次ぐ規模を誇り、1970年代に創業。電話帳ほどの分厚いオリジナル・カタログはFat Bookの名で知られる。
ドラッグ・バー【Drag Bar】
横一文字に伸びたハンドルで、両端は手前に少し曲がっている。ドラッグレースのハンドルバーに由来する。
ドラッグ・パイプ【Drag Pipes】
サイレンサーの入っていないパイプだけの排気管のこと。その名の通り、ドラッグレーサーに装着する仕様で、排気口はスラッシュカット(斜め切り)が一般的。
ドラッグレース【Drag Race】
400m(1/4マイル)の直線コースを全開走行で競う単純明快なアメリカ発祥のモータースポーツ。日本ではゼロヨンとも呼ばれた。
トラブルシューティング【Troubleshooting】
バイクやクルマの不調の原因を追い、突き止める作業を言う。実際に起きている症状やメカニズムの原則に基づいて、勘や経験に頼らず、論理的かつ科学的に遂行される。
トリプル【Triple】
3気筒エンジン。またはそれを搭載するバイクを言う。カワサキのマッハ、トライアンフのスピードトリプルやデイトナ675などが知られる。
トリプル・ツリーズ【Triple Trees】
国内ではトリプル・ツリー、あるいは、三つ叉と呼ばれる。2つのフロントフォークを固定する役割を持ち、構成パーツは、フロントフォークのチューブを固定する穴の開いた2枚の金属製プレートと、ネックに通すためのシャフト、スムーズな動きを司るベアリングとなる。
トルク【Torque】
エンジンが発するタイヤを回すための力を言う。トルクが大きいほどに発進や加速性能が高くなるという特性がある。注意点として、トルクは馬力とは違い瞬間的な力のことで、片や馬力は継続的な力を表す。馬力が高いほどにスピードが増し、重い物の運搬効率もアップする。
トレイシー・ボディ【Tracy Body】
1970年代にカリフォルニア州サンタクルズにあったFIBERGLAS WORKS(ファイバーグラス・ワークス)で製造されていたカスタムパーツ。タンクとリアフェンダーが一体となった流麗なボディが特徴となる。ハーレー用、トライアンフ用、HONDA CB用、KAWASAKI用など、専用の商品が販売されていた。
トレイル【Trail】
トレイル量とも言う。前輪を真横から見て、中心部のアクスルシャフトから地面へ垂直に降ろした地点をX。ステアリングの軸になるネック角のまま地面に降ろした地点をY。このXとYの距離を指す。距離が長いほど、つまりトレイル量が大きいほどフロントフォークは寝ていて直進安定性が高い。一方、小さいほどに素早いハンドリングが出来るが安定性は低い。トレール量は走行性能に関わる重要な箇所のため、適切な値が確保されなければバイク本来の軽快な走りが損なわれる。
ドレッサー【Dresser】
長距離ツーリング用に手が加えられたバイクのこと。主にハーレーに対しての呼び名。
トン【Ton】
トンは重量を表す単位。1トンは1000kg。