KOBE NEW ORDER CHOPPER SHOW 12th ANNUAL
2017 ニューオーダーチョッパーショー
FEATURE
July 8th, 2017
迎合しない異分子の
骨太なチョッパー祭り
7月2日(日)に開催された、今年で12回目を数える関西傑出のカスタムショー、『ニューオーダーチョッパーショー』が大盛況のうちに幕を閉じた。
当日は梅雨の合間に覗くピンポイントの好天に恵まれ、結果3000人以上もの来場者を動員。そして会場内では、『ボンネビルスピードトライアル』に挑むシウンクラフトワークス松村さん、インディアンオレンジ小田さん、モーターサイクルズフォース久保さんのレーサー3台が展示され、『BARBARIAN CIRCUS』特設スペースではアーティストによる恒例のデモンストレーションが実施された。
日本で初めてビルダーズチョイスを採用したアワード手法や、大砲をぶっ放したり、本気のロープアートを盛り込んだ、世論に迎合しないドラスティックなコンテンツで独走してきたニューオーダー。ここでは、昨日ショーを終えたばかりの主催者清水さんをつかまえて、鮮度高めなインプレッションをお届けしたい。
今回はもうぎりぎり
ほんとうに感謝!
ー 清水さん、ショーお疲れ様でした。本当に昨日の今日で、どっぷり疲れが残っている中ありがとうございます。
■ いやいや、ほんとにねえ、晴れてよかったー! ていう(笑)。今回は去年よりほぼ2ヶ月早い開催じゃないですか。だから出展業者さんにもすごい苦労をかけたと思うんです、スケジュールがタイト過ぎるとか。あと、来場者の方々も気付いてくれてないんじゃないかというのもすごいあって、ほんとに心配だったんです。でもおかげさまであれだけの人とバイクが集まって、もう駐車場まんぱんでしたもんね。
ー あれで何人ぐらいだったんです?
■ 大まかな集計で3000強ぐらい。
ー 晴れたし結果オーライですね。
■ そう、本当に。ほんとセーフ!
ー そんなタイトなスケジュールじゃプレッシャーもありましたよね(笑)。
■ もう嫌な夢しか見なかったですよ、ほんと嫌な夢しか(笑)。やっぱり僕らもそういうイベントに遊びに行ってた口だから、次の週の天気予報でバツ出てたらもうヤル気なくなるんですよ。
ー そういうもんですか(笑)。
■ ええ(笑)。で、だいたい皆で行く? どうする? ってなった時に、もう来週どうせ雨でしょ、みたいになっちゃうんで。それで今回はもうずーっと日曜日は曇りマークか、曇りのち雨マークが続いてたんでぎりぎり、本当に感謝(笑)。
ロープアートは
最後のご褒美です
ー さて、ショー自体の雰囲気はどうでした?
■ ああ、僕的には今回も好きなバイクがいっぱいあったりで、内容的には満足してるんですよ。
ー 内容的には今回から何か新しく始めたものも無く、今までの流れを汲んだものですよね。
■ そうですね。
ー そんな中でやっぱりロープアートショーが見所というか。
■ はい。最後のご褒美ですあれは(笑)。
ー ご褒美(笑)!? というと?
■ やっぱりあの、普通メインイベントはショーの真ん中ぐらい、昼過ぎあたりに持ってくるものなんですけど、あれは出展業者さんとかも含めて最後にお疲れさまでした! っていう気持ちのもので(笑)。バイクのカスタムショーにある必要性はどこにもないんですけれども(笑)。
ー いやいや、あれはやっていくべきですね、ずーっと。
■ だから皆さんのご褒美っていうのは、本当になんか、ニューオーダーチョッパーショー、ps、みたいな感じなんですよ(笑)。だから表彰式の後にやるでしょ、普通表彰式が最後じゃないですか。
ー なるほど! そういうことですか!
■ 表彰式が終わってね。
ー でもやっぱり清水さんは主催者ですから、あのロープアートをやることに対して賛否両論あったと思うんですよ。
■ はい。ほんまにあの、主催者側にめっちゃ近い人でも嫌いっていう人もいっぱいいるし、またやるの? とも言われるんですけど、そこはもう僕のわがまま聞いて、最後の30分だけやからって(笑)。
ー 締めのアイスクリーム的な感じだと。
■ ああでもね、今締めのアイスが段々ステーキになってきてるんですけどね。それにロープアート自体を楽しみにしてくれてる人も増えて、年々、表彰式が終わっても最後まで残ってくれるお客さんが増え続けてるんですよ。
実はあの人が
いろいろやってくれてる
ー でもあれ、よく考えればもともとアイスほどやさしくないですよね(笑)?
■ ちゃうすけどね(笑)。タバスコとぽとぽ入ってますけど(笑)。最初はエースモーターサイクルの徳山さんが、すごいニューオーダーのイベントに関してアドバイスをくれてて、3、4回目やったかな、大きなオブジェを飾ったことがあったんですけど、それも徳山さんのアイデアだったし。
ー あの思いっきりぶっ放したやつですね!
■ そうです、大砲とか。
ー あれは凄かった、本気で焦りましたから。屋内なのに手加減なしかよって(笑)。
■ ええ(笑)。とかほんまに、実はものすごいあの人が僕らのためにいろいろやってくれてるんです。
ー そうなんですか!?
■ はい。で、ロープアートはエースの周年記念でSM女王様に出てもらうからもし良かったらニューオーダーでもやってもらったらどうや? って。で、SMショーなんか見たことないから1回見に行かしてもらって、ほんでもう、あっ! 全然思ってたのと違う! って。これは絶対受けるなって。
ー そこがもうイベンター的視点ですよね。チョッパー屋なのに(笑)。
■ まあ(笑)。
ー さっきの大砲の話もそうだけど、生半可な催しはないですよね。突き抜けてるというか。一般の人が想像するSMとは違ってあれは本当にアートだと思うし。まあそこから股間を熱くするのは個人の自由だけど。
■ ああ、そう言ってもらえたら(笑)。いちばん僕も嬉しいです(笑)。
ドランゴンボールでも
クレヨンしんちゃんでも
ー では最後に、今後ニューオーダーチョッパーショーはどんな方向に進んでいくんです?
■ カスタムバイク自体はそんなに変わるもんじゃないんで、もうほんまにショーも永遠のまんねり。ドラゴンボールで良いんですよ、もうこの場でこうして最後に笑えたら良いんです(笑)。
ビルダーズチョイス & 出展車両
チョッパーショーの名のもとに、今年も全国から多くの珠玉のバイクが集結。そして、ニューオーダーといえば、ビルダーズチョイスで決めるアワード発表だろう。これは来場者ではなく、出展者のカスタムビルダー同士が票を投じ合って一番を決めるもので、正にプロフェッショナルたちの頂上決戦である。
日本でいち早くこのやり方を取り入れスタートを切ったニューオーダーは、以来12年間に渡ってこの厳正なアワードを展開。今年は、ラックモーターサイクルズ、平和モーターサイクル、グリーンモーターサイクルスがその栄冠に輝いた。では早速、アワードバイクと出展車両を見てみよう。
アワード3位は、愛媛県新居浜のグリーンモーターサイクルスのショベルヘッド。4速フレームをモディファイしたサス付き仕様。ディテイルの作り込みと、そのバランスに長けた一台。
2位は、広島県の平和モーターサイクルのトライアンフTR6。今回は新作含めて3台を出展したが、このホットロッドカスタムショーでナンバー1に輝いたマシンが見事受賞。
1位は、京都のラックモーターサイクルズのリジッドショベル。チョッパーショーの頂点に相応しい、切れ味鋭いシルエットを形成。緻密なメタルワークが冴え渡るビルダー渾身の作。
自走で参加したホットモーターサイクル。『走り』にウエイトを置くショップなだけに、どのカスタムショーへも基本的には出展車両に乗って参加。今回はリジッドショベルを並べた。
神戸のホールオブザウォールモーターサイクルズのカワサキは往年のトレイシーボディがポイント。フレイムスも直球勝負のイエローカラーと、和洋折衷が見事に溶け合っている。
この夏、ボンネビルスピードトライアルに参戦するインディアンオレンジの小田さん。ショー後に先行してレーサーを輸送した氏だが、多忙を極める中でもショベルリジッドを出展。
オフセットしたヘッドライトが特徴的な、名古屋アンブカスタムモータースのSR500。欧州に熱狂的なファンの多いストリートカフェスタイルをブレることなく推し進める。
陸王シャーシにWLエンジンを積んだ陸王ダビッドソンのチョッパーは埼玉のブートレグ作。チョッパーからハイスピードカスタムまで、どのスタイルでも一級品に仕上げる腕は流石。
カスタムマシンにレーシング系要素を注入する山梨のバイクガレージココロ。溢れ出るパッションを炸裂させた一台はストリート仕様のスポーツスター。ライトはハンドル右側に設置。
ニューオーダー主宰にしてトライアンフ専科コアマシン店主の清水さん。ショー翌日にも関わらず快く取材に対応してくれた。とりあえずは今回の結果に胸をなでおろしている様子。
会場 |
神戸国際展示場3号館(ポートアイランド内)/兵庫県神戸市中央区港島中町6-11-1 |
開催日 |
2017年7月2日(日) |
時間 |
9:00 ~ 16:30 |
WEB |
NOCSのウェブサイト |