ウ行のバイク用語集
ヴァル・ペイジ【Val Page】
イギリスの各バイクメーカーを渡り歩いた敏腕デザイナー。J.A.P.のJ.A.プレストウィッチを師匠に持ち、以後、1920~50年代にかけてアリエル、トライアンフ、BSAのデザイナーを歴任。多くの名車を世に生み出してきた。1978年没。
ウィークエンド・バイカー【Weekend Biker】
見せかけだけのバイク乗りを言う。ウィークデイ(平日)は一般人として勤労に励むが、ウィークエンド(週末)になると慣れないバイカーを気取り、わざと悪っぽい振る舞いをする人を言う。
ウィッシュボーン・フレーム【Wishbone Frame】
略称ウィッシュボーン。ハーレーダビッドソンのパンヘッド時代に採用されたリジッドフレームを指す。ダウンチューブが特徴的で、ネックからアンダーチューブにかけて、直線から途中で左右に広がった独特の形状となる。この時代移行は、真っ直ぐ下に降りたストレート・レッグフレームを採用。
ウィリアム・A・ダビッドソン【William A.Davidson】
ハーレーダビッドソンを創業した4人のうちのひとり。3人いるダビッドソン兄弟の長男だが、一番最後に合流したとされる。1937年没。
ウィリアム・G・ダビッドソン【William G.Davidson】
ウィリー・Gの名で広く認知される。ハーレーダビッドソンを創業した4人のうちのひとり、 ウィリアム・A・ダビッドソンの孫にあたる。決して親の七光り的な存在ではなく、実に才能に富んだ人物であった。ショベルヘッド時代のFX、FXSローライダー、XLCRなど数々の名車を手がけ、現場のみでなくハーレー本社の重役としても経営手腕をふるってきた。今は現場と経営、双方の第一線を離れて、デザイン系の最も名誉のある役職に席を置いている。
ウィリアム・S・ハーレー【William S.Harley】
ハーレーダビッドソンを創業した4人のうちのひとり。3人のダビッドソン家に対して、唯一1人のハーレー家出身。近くに住んでいた友人が、ダビッドソン家次男のアーサー・ダビッドソンで、彼と一緒にバイク製作を始めたのがハーレーダビッドソンの起源とされる。ちなみに、作るだけでなくハイレベルなレーサーとしても知られた存在であった、1943年没。
ウイリー【Wheelie】
前輪を上げて後輪のみで走るライディングテクニックのひとつ。クラッチとスロットルの巧みな操作と、バイクのバランスを保持することで可能となる。
ヴィンテージ【Vintage】
価値のある年代物。または、ある特定の時代の製造物。元々は、ワイン用のブドウを収穫、醸造、瓶詰めするといった一連の工程を表す単語であった。それが派生してこう呼ばれるになったのである。
ウェイン・エンジニアリング【Wayne Engineering】
1970年代に人気を博したカスタムパーツ・メーカー。リジッドフレームをメインにして、なかでもシングルクレードル・タイプが熱狂的なファンから支持された。他に、フロントフォークなども精力的に製造販売していた。
ウエスト・コースト・チョッパーズ【West Coast Choppers】
2000年代前半、一世を風靡したアメリカ・カリフォルニア州のカスタムバイクビルダー、ジェシー・ジェームスのショップ名。W.C.C.。70年代のチョッパースタイルに現代の要素を取り入れた『ニュースクールチョッパー』のパイオニアとしてその名を世界中に轟かす。抜きん出たセンスとクオリティを武器に、手がけるチョッパーは常に注目を集めていた。
ウェットサンプエンジン【Wet Sump Engine】
別体のオイルタンクを持たず、クランクケース内にすべてのオイルが一括して入っているもの。国産車のほとんどはウェットサンプ方式となり、この一種類のオイルでエンジン、ミッション、クラッチのすべてをまかなっている。また、クランクケースにオイルを溜めておくという構造上、どうしてもクランクが大きくなる傾向がある。
ウェルディング【Welding】
溶接。カスタムバイクの製作には欠かせない作業工程のひとつで、熱や圧力を加えて金属と金属をつなげる手法のこと。
ヴェロシティ・スタック【Verocity Stack】
別名、ファンネル。一般的にはキャブレターの吸入口に装着するレーシング・パーツとして用いられる。しかし、短い筒型のシンプルな形状からカスタムパーツとして使用するユーザーも多い。エアクリーナーを排除した機構のため、抵抗はなく、大量の空気をキャブレターに供給することが可能となる。
ヴェンチュリ・エフェクト【Venturi Effect】
広いところから狭いところへと流体の流れを絞ることで流速をアップ。そうすることで圧力の低い部分を発生させることを言う。流体力学で認められた効果のひとつで、キャブレターや霧吹きなどの噴射はこれが応用されてのものだ。
ウォーター・ジャケット【Water Jacket】
エンジンのシリンダーの周りに用意された水路を指す。これは水冷エンジンで発生した熱を、冷却水へと逃がすために設けられたものだ。
ウォーターヘッド【Waterhead】
ハーレーダビッドソンの『Vロッド』の俗称。これまでの空冷ではなく水冷Vツインエンジンとなり、シリンダーヘッドを冷却液で冷やすことから名付けられた。
ウォッシュ・アウト【Wash Out】
走行中、急にフロントホイールのグリップが無くなり転倒。そのまま後方から押し流されたように滑走した状態を言う。
ウォナビー【Wannabe】
ワナビーとも言う。バイクに乗っていないのにファッションだけはいっちょ前のこと。また、バイカーに憧れているのにその素振りを見せず気取っていること。
ウォルター・ダビッドソン【Walter Davidson】
ハーレーダビッドソンを創業した4人のうちのひとり。ダビッドソン家の3男で、1907年に会社が正式に設立されると兄達ではなく3男の彼が社長に就任した。1942年没。
ヴォン・ダッチ【Von Dutch】
アメリカ・カリフォルニア州に居を構えたアーティスト。カスタム・カルチャーにおいて『ゴッド・ファーザー』の異名を持つ、ロー・ブロウ・アートの御三家のひとり。目玉に羽のついた、フライング・アイボールの作者として知られ、サインペインターとしての手腕を多方面で発揮。一方、ホットロッドやチョッパー、カスタム・ガンの製作でも名を馳せ、マルチな才能をいかんなく披露した。ちなみにヴォン・ダッチとは、まるでオランダ人のように頑固という意味を持つ。1929~92年没。
ウラル【Ural】
ロシアのウラルモト社(元IMZ社)が開発販売するバイクとサイドカーのモデルを指す。また、2輪車よりもサイドカーを主力商品とする世界でも珍しいメーカーである。キッカケは、第二次世界大戦中にドイツ軍の軍用バイクBMW R71をソ連軍が模倣して使用したのが始まりとされる。ちなみに、それはソ連だけではなく、アメリカのハーレーダビッドソンも同じBMW R71を真似たXAという軍用モデルを手がけていた。
ウルトラ【Ultra】
『超』という意味合いで、相当グレードが高いことを言う。ハーレーダビッドソンのツアラータイプにFLHTCというモデルがあり、この最上級版として豪華な装備を持ったFLHTCUがある。このモデルがウルトラのニックネームを持つ。