HARLEY-DAVIDSON S&S SHOVELHEAD
STOOP MOTORCYCLES
イッたカラーの
濡れ場劇場
「JOINTSに出展するのはピンクと紫のチョッパーらしいよ」。遂に完成したと言うモーリーこと生森さんの情報が流れて来た時に軽くフリーズした。なんて粋なんだって。普通ピンクと紫と聞けば、ド変態カラーのバイクを想像させるものだけど、この人に限ってはもう期待しか湧かない。今回はその色でどんな男前に仕上げてるんだろう……。
相変わらずのストゥープ節が炸裂である。グンッ!といきり立つストレッチフレームに、ネックからの距離を十分取った場所にちょこんと載せたピーナッツタンク。そして、そこからクロームのシートプレートを経てフェンダーへとつながる滑らかなラインはもはや、下手な女の裸体よりエキサイティングだ。
さて、見せ場、いや濡れ場は数あれど、まずシルバーに光り輝くシートプレートから見ていきたい。これは、タンク後方のマウントタブとツライチに合わせることで、流れるようなフォルムを殺さずにそのままフェンダーへと導く役目が1点。もう1点は、理想的な小さめのシートサイズにするとどうしてもその下に隙間が生まれることから、それを隠すことも兼ねてのものだ。そして結果的に、シートプレートを中心に隙の無い『凝縮感』を出すことで、特徴的なオフセットしたタンクと全体のバランスを取っている。
ペイントもマジックだ。フレームのメインとダウンチューブをつなぐ補強パイプにのみ紫を塗っているのが分かるだろう。曰く、「ここってカッコ悪いから本当は入れたくない補強じゃん。でも敢えて目立たせれば気になんないかなって。あとこれだったら色が引っ張られて全体的に紫色に見えるかなって」。実にアーティスト肌な色彩感覚である。
基本は下側を重い黒にして、上側に行くにつれてバッと紫にしたかったと言う。タンクやフェンダーはそのグラデーションに倣い、フレイムスに至っては紫のラインが太り過ぎてしまった為、再度その内側にゴールドのピンラインで『締めた』箇所である。作り物のみならず色味の執心も半端じゃない。
ちなみに、今回のタンクとオイルタンクはそれぞれ一度仕上げてフレームに仮組したものの、出来に納得ゆかず作り直した物である。それはJOINTSの10日前のことで、そこからまた夜を徹して完成させたドラマチックだ。なぜそこまで身を削るのか理解に苦しむが、当の本人にしてみれば至ってシンプルで、「絶対後で後悔するからやるだけ」、とのこと。
「一応自分の中では一周回ってどこから見ても格好良いようにはしてる」。いつもの会話の中で滅多に出さない本音を放り込まれると、身もだえするほどにやるせない。
HARLEY-DAVIDSON S&S SHOVELHEAD DETAIL WORK
HANDLE
手前にオフセットしたライザー一体のスワローバーにネス製グリップを装着。テーマは『ニュースクール』だ。
FRONT FORK
2インチオーバーの35φフォーク。ボトムケースはクリーンにスムージング。ヘッドライトはガイド製を装着。
GAS TANK
前側のフレイムスラインが特徴的なタンクは目いっぱいオフセットして装着。納得行かず新たに作り直した物だ。
SEAT
隙間を生まずにコンパクトなシートサイズを実現するクロームプレート。アーティスティックな造形である。
OIL TANK
オイルタンクも同様にイチから作り直されたものだ。紫のフレイムスの中にゴールドのピンラインが入る。
MUFFLER
同店の決め技的なシュッと伸びたミッドハイのロングパイプ。Okun’s Chopper Mory Madeの文字が刻まれる。
BUILDER’S VOICE
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