HARLEY-DAVIDSON XL883 2008
TRAMP CYCLE
死角を持たない
オールラウンダー
ハーレーではなくオートバイという乗り物に対する認識。一方で、相反したカスタムカルチャーへの造詣の深さ。一カ所ではなく全方位的に、しかも、そのいずれもを深いところで会得している人。それが、トランプ代表の長岡さんだ。
ちなみに、氏がその辺のアピールを外部にすることはほとんどない。でも、よほどのことが無ければ覗かせない世界だからこそ、それを目の当たりにした時の衝撃は大きい。すべてを理解した上で、さらりとこなすトランプのオペレーションはいちいちスマートで、華麗だ。
このXL883は、特別ハーレーにこだわったものではなく、ワインディングもサーキット走行も楽しめる、『バイクらしいバイク』がコンセプトだと言う。外装に関して言えば、取って付けた感を排除して、そのままディーラーに並んでいるようなクオリティを念頭に、自然であり、綺麗であることに配慮して製作された。
「カスタムには保安基準の問題もあるじゃないですか。それをクリア出来ないから仕方無くこう作ってるじゃなしに、その基準のぎりぎりのラインで作り込むというのがいつも心掛けているところですね」
オーナーはスポーツスターが好きで買ってる。その形を敢えて変えるんだったらベース車はもっと良いのがいっぱいある、と氏は笑う。そして、そのバイクを楽しむなら、まず基本骨格を残した状態で普通に乗れるのが大前提。車検に通らないようなカスタムが、オートバイとしての機能をしっかり果たすかどうかには疑問が残る。
前後19/18インチのミスミエンジニアリング製ホイールを装着し、フロントフォークの内部に自社スプリングを挿入して1インチローダウン。リアに1インチアップのオーリンズ製360mmショックを合わせることで、ノーマル時の乗車姿勢を変え、操作性を向上させている。
「ノーマルは前上がりでバネが柔らかいから結構ノーズダイブが多い。走りに振っていくと、それがどうしても邪魔になるんですね。言うたら前が上がれば当然キャスターが寝る形になって曲がりにくいとか、今度は逆に下げ過ぎるとクイックになるとか。それをある程度乗ってる姿とのバランスを見て調整する必要があるんです」
ワインディングもサーキットもストリートも、すべて1:1:1の同じ割合で楽しみたいオーナーに向けてあつらえた、オートバイという乗り物を知る、熟知するビルダーが手掛けた一台である。
HARLEY-DAVIDSON XL883 2008 DETAIL WORK
FRONT WHEEL
ミスミエンジニアリング製アルミホイールの上部に、トランプオリジナルのフェンダーとスタビライザーを装着。
GAS TANK
多くのオリジナルパーツを展開する同店はガスタンクも手掛ける。メカニカルなエアプレーンキャップが個性だ。
BACK STEP
ストリートでの使用を考慮したステップもオリジナル。見ての通り、狙い澄ましたシェイプが圧巻の完成度を誇る。
MUFFLER
トランプといえばこのフルチタンマフラーだ。コピーが出回るも、本家のクオリティを前には足元にも及ばない。
REAR FENDER
オリジナルのリアフェンダーにブラックボディのウインカーをセット。薄っすらグリーンのピンラインが入る。
REAR WHEEL
ミスミホイールにブレンボキャリパーを合わせる。1インチアップのオーリンズ製ショックで走行性を高めた。
BUILDER’S VOICE
TRAMP CYCLE
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