ハーレー エボリューション FLSTF 1992のチョッパーカスタム

HARLEY-DAVIDSON FLSTF 1992
VIDA MOTORCYCLE

March 13th, 2017

純正フレームで挑む
常勝ワンブロー

北九州の雄、ヴィダモーターサイクル。「同店が本気を出すとこうなる」、という至って明瞭なチョッパーである。突出したメタルワークからなるセクションに艶めかしさをコーティングした佇まいは、もはやヴィダの専売特許。これほど色香を自在に操るショップはそういない。

ハーレー エボリューション FLSTF 1992のチョッパーカスタム

‘92年式ファットボーイがベースの一台だが、実はこれ、フレームのメインチューブ等はストックのままである。しいて言えば、シート下のフレームに多少手を加えた程度の純正スタイル。というのも、当初はコンプリート車両を発信しようと、メインフレームには一切加工を施さないというのがコンセプトだったからだ。

「純正のソフテイルフレームでどこまでコンパクトにまとめることが出来るか。それと見た目では、全てのフレーム箇所に手が入っているようなオーラが出せるように心がけた。フェンダーなどはメインフレームの方と繋げて、スムージングをしたかったので溶接したカタチにはなってますね」

ハーレー エボリューション FLSTF 1992のチョッパーカスタム

代表の大久保さんは一定のトーンで、感情をあまり表に出すことなく言葉をつなぐ。しかし、このタンクからフェンダーにかけての流麗なエクステリアに話を振ったところ、意表をついた聞き方だったのか、思わず笑みが広がった。

「鈑金加工がとっておきの得意技? 得意技というと笑われちゃうかもしれないですけど(笑)。まあ、どうだろう(笑)」

ハーレー エボリューション FLSTF 1992のチョッパーカスタム

フロントフォークはW&W製74スプリンガーのオフセットタイプを選択。このステム部分がレイクしたタイプを選んだのは、フロントホイールを23インチと大口径化するにあたって、若干のトレール量の変化と、ダウンチューブとホイールの位置を離したかったからだ。さて、ミッドコントロールに目を移そう。

ハーレー エボリューション FLSTF 1992のチョッパーカスタム

ステンと軽量なアルミを使い分けた造形は、アイキャッチと重さを考慮してのもの。ペグなどの旋盤加工する箇所にアルミを使い、溶接箇所をステンとすることで、無機質な素材に変化を付けて華を添えている。

そして極めつけは小倉の彫金師、ラッキーダイヤモンドによる精緻なエングレイビングと、ガンズカスタムペイントによるアートワークである。いずれも見事な息づかいで互いのパートを高め合っているのが瞭然。実車を前に、結構真面目に身震いするものがある。

ハーレー エボリューション FLSTF 1992のチョッパーカスタム

ヴィダモーターサイクルが描く、コンプリート車両のデモ車に製作されたスペシャルワン。自然と規制が多くなる量産化を前提にしながらこのクオリティ。そのポテンシャルの高さを思うと飛ばされる。

HARLEY-DAVIDSON FLSTF 1992 DETAIL WORK

ハーレー エボリューション FLSTF 1992のフロントホイール

FRONT WHEEL

フロントは23インチの大径シニスターホイールをチョイス。リムにはラッキーダイヤモンドの彫金が入る。

ハーレー エボリューション FLSTF 1992のガスタンク

GAS TANK

ハンドメイドでしか成し得ない有機的な造形のガスタンク。ペイントはガンズカスタムペイントが担当した。

ハーレー エボリューション FLSTF 1992のエンジン

ENGINE

純正モーターはフルポリッシュされ、彫金が隙無く入る。内部はハイコンプピストンとハイカムのライトチューン。

ハーレー エボリューション FLSTF 1992のミッドコントロール

MID CONTROL

オープンはBDL製2インチで、ミッドコントロールはステンとアルミの異素材を巧みに使い分けたセクション。

ハーレー エボリューション FLSTF 1992のリアフェンダー

REAR FENDER

同店らしさが如実に現れた流麗な箇所。鈑金加工でワンオフしスムージング。一体的なカバードデザインとされる。

ハーレー エボリューション FLSTF 1992のリアホイール

REAR WHEEL

リア周りはスプロケットブレーキにすることでシンプル化。ボリューミーなホイールと彫金が強調される。

BUILDER’S VOICE

VIDA MOTORCYCLE

住所 福岡県遠賀郡芦屋町芦屋1148-3
電話 093-223-0701
FAX 093-223-0704
SHOP VIDA MOTORCYCLEのショップ紹介
営業時間 9:00 ~ 18:00
定休日 第3日曜日