HARLEY-DAVIDSON XL883R 2002
BLACK CHROME BIKE WORKS
イメージにあるのは
80年代のレースシーン
見てくれは80年代のサーファーという表現がピタリと来る、健康的に陽に焼けた爽やかな印象。そしてひとたび話し出せば、歯切れの良い快活な声が耳心地良く響く店主である。このマシンは、そんな雰囲気を持つブラッククロームの松本さんが考えるオリジナルなカフェレーサーだ。
「自分の中にカッコ良い物のイメージがある。80年代の名レーサー、ウェスクーリーとかケニーロバーツとかにハマった口で、そのマシンの足周りやエンジンに興味があった。もちろんライダーが乗って走る総体的なカッコ良さが一番だけど、そういう物がイメージの元になってるんです」
カスタムの際に思い描くのは80年代のレースシーン。しかし、それをそのまま国産やヨーロッパ車に落とし込むのでは意味がない。ハーレーのエンジン造形や、鼓動感といった乗り味を活かして表現するからこそ面白いと言う。
ベースは2002年のXL883Rである。全体のアウトラインをどう上手くまとめるかに苦心したそうだ。そして、今回のポイントはタンクとカウルの造形だが、やはりパーツ単体ではなく全体像を見た時にいかにバランス良く配せるかが鍵となる。
タンクとテールカウルはアルミで製作された。敢えて鉄を素材に使わなかったのは、氏のこだわりからである。「昔からの憧れというか王道ではないけどやりたかった。でもアルミ物ってクラックが入ってダメになることが多いんです」。特にこういうスタイルのバイクの場合飛ばす人が多く、その確率も上がってしまう。そこで、カウルの下にサブフレームを作って補強し、更にラバーを介してパーツを載せることで、振動からのクラックを最小限に抑えている。こうしたアルミパーツの細やかな配慮は、経験値が物を言う箇所だ。
また、デザインは80年代のカワサキZをモチーフにした形状で、端のカットの処理はチョッパースタイルと相性の良いフリスコフェンダーに倣ったものだ。こうした国産とアメリカンという他ジャンルをミックスさせる手法は、ブラッククロームが得意とするところでもある。
完成したその姿を横から見てみると、なんとも自然なラインを描いているのが分かるだろう。タンクの頂点からテールカウル、そしてナンバープレートの下側へと続く一連の流れに目を奪われるファンはきっと少なくないはずだ。そして、深みのある落ち着いたゴールドカラーと、そこに入るミニマムなペイントワークがまた大人の色香を漂わせている。
80年代のレースシーンが原風景にあるカフェレーサー。もし、当時の名レーサーがこれに跨ってサーキットを駆け抜けたら。ふと、そんな想いが脳裏をよぎる一台だ。
HARLEY-DAVIDSON XL883R 2002 DETAIL WORK
HANDLE
手前に程よくベントしたワンオフのハンドルに、タコメーターはクオリティの高さに定評あるSTACK製を選択。
FRONT FORK
フォークは同じく品質確かなフォルセライタリア製。独特の造形美はイタリアンメーカーならではのものだ。
GAS TANK
アルミでワンオフしたガスタンク。振動によりクラックが入りやすいがラバーマウントで対策が取られている。
FOOT STEP
他社の試作品だっというブラックステップを装着。このスタイルとコンセプトでは当然バックスタイルとなる。
MUFFLER
エキパイの溶接跡がレーシーな雰囲気を助長するワンオフのマフラー。迫力のサウンドが乗り手を高揚させる。
TAIL COWL
アルミでワンオフしたテールカウルの下にはサブフレームを用意。80年代のカワサキZの造形がモチーフだ。
BUILDER’S VOICE
BLACK CHROME BIKE WORKS
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