HARLEY-DAVIDSON FXR 1991
CYCLEBOSS
リアフェンダーのマウント位置が効いた
コイル2基掛けのストリート・ドラッガー
整体師のオーナーが仕事の移動手段としても使うため、通勤快速を念頭に仕上げられた1991年式FXR。「速くて乗りやすく、カッコ良い」をテーマに、カスタムは進められた。手掛けたのは東京都東久留米市の『サイクルボス』で、漫画AKIRAをこよなく愛する店主が営むショップである。
まず、リア側から見ていきたい。走りを損なわないように、必要以上のローダウンはしないでリアフェンダーのマウント位置を下げることで、視覚的に車高を落とした印象を与えている。「サスペンションの長さを短くするほどに性能も落ちてしまうもの。それが嫌だったからリアフェンダーの取り付け位置を低くした。それで車高を下げたように見せて性能も維持してます」とは代表阿部さんの弁。
一方、フロントフォークの内部にはサスペンション・チューニングパーツとして名を馳せるレーステックのスプリングを使用。ハイグリップ系のタイヤと合わすことでコーナリング性能を向上させている。
他にも、点火系に関して独自の哲学が反映されている。コイルを2基掛けにすることで、ポテンシャルを十二分に発揮していると言う。
「実はコイルが一個だとリア側のシリンダーに飛ぶ火がどうしても弱くなる。そこで、エボリューションの場合はコイルを2基掛けにしてシングルファイヤー(独立点火)にしてあげると、フロントとリア側の両方にバランス良くスパークするから性能も一気に上がるんです」
サイクルボスでは無理にエンジンチューニングを施すことなく、コイルとカムに手を加えてマシンのパフォーマンスアップを実現している。「スピードが上がって走りやすい。燃費も良くなるんで悪いところが無いんですよ」、とのことだ。
走りをスポイルしないカスタムでありながら、フロントにネスカウルを装着したマシン全体のサイドビューを見ると、バランスの良さにも目を奪われる。これは、絵心のある代表の阿部さんが、製作の前に緻密なラフスケッチを描いているからこそ具現化されたものだ。ラフスケッチを設計図にして、それ目掛けて作業に当たっていく流れである。
「結局AKIRAが大好きなんです(笑)。あのイメージを上手く組み合わせて作った感じ。あと、カウルとかPMのビレットホイールが目立つけど、タンクに描かれたピンストライパーGHOST氏のピンストがかなりキマってると思う。『Azure』はオーナーさんのお店の名前なんですよ」
冬場はグリップヒーターも付く、正真正銘の通勤スペシャルなストリート・ドラッガー。そして、何よりも優先するのは乗って楽しいことと話す代表の阿部さんの手に掛かれば、たいていのバイクはスケッチに落とされた後に、イメージ通りのカタチにメイクされる。とりわけAKIRAテイストのバイクが大好物だ。
HARLEY-DAVIDSON FXR 1991 DETAIL WORK
FRONT COWL
このマシンの印象を決定付けるARLEN NESS製のフロントカウル。ヘッドライトのカラートーンも見ものだ。
HANDLE
戦闘的なライディングポジションを生むドラッグバーを装着。AUTO METER製タコが雰囲気を盛り上げる。
FRONT WHEEL
ホイールはハイエンドパーツのPM製ビレットホイールを選択。フェンダーはARLEN NESS製となる。
GAS TANK
ストックのタンクはSUBARUインプレッサと同色で塗られ、GHOST氏によるピンストライプがドロウ。
REAR FENDER
低く見えるように深くマウントされたワンオフのフリスコフェンダー。王道のルーカステールライトが付く。
MUFFLER
サイレンサーはこのマシンのスタイルに合うサイドワインダーを装着。迫力のサウンドを吐き出す。
BUILDER’S VOICE
CYCLEBOSS
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