H-D SHOVELHEAD
STOOP MOTORCYCLES
火に油をそそぐ
眠れるツートップの陰謀
ジャンプ強パンチからしゃがみ強パンチ。そして弱昇竜拳をさらって真空波動拳でとどめを刺される。この、いきなり繰り広げられる昇竜スーパーコンボにはなすすべがない。画面をひたすらに凝視して、一連のアクションが終わるのをただただ息を潜めて持ちこたえる。そのときプレイヤーの誰もが、悪あがきの通用しない圧倒的な実戦の乱舞を目の当たりにしてきたはずだ。
要は、このショベルヘッドはそのコンボのようなもの。STOOP MOTORCYCLESのモーリーこと生森(いけもり)さんと、バイカーズブランドEVILACTのミナトさんとによるジョイントプロジェクトの『El diablos MC』。旧知の仲である二人がそわそわと仕掛けたこの一号機は、予想通りにどうしようもない。
「なんかエルディアブロスとしてバイク作ろうねって話になってて。で、俺たちが普段乗ってるバイクに共通するところで、たまたまベース車にアーリーショベルがあったからそれにして。あとこれオーナーの望みは一切聞いてないから」
製作途中ですでに購入する話はあったものの、そこで要望を聞いてしまうとイメージしたカスタムには成りえない。なのでそこはオール無視という変則スタイルを貫き、それでも気に入ったらどうぞというゲリラ戦に転じた。
「ザ、フリスコみたいな。リジッドとかじゃなくてね。色はミナトに塗ってって。こういう形っていうのは最初から決まってて、それに向かってごくごく普通に。特別なことしてないやり過ぎないやつにしようって」
それを気に入った人がいれば売れれば良いねシリーズの第一号機だと言う。まず作り物は、モーリーさんが勝手知ったるとろ火で煮込んだ黄金比で組成。そして色は、かつてカスタムペインターとしてシーンの寵児として脚光を浴びていたミナトさん自身が久方ぶりに担当。その化学反応が満ちないわけがないだろう。
はたしてオーナーの胸にぷすりと刺さった会心の一台。そんなイメージ以上の贈りものを手にした乗り手は実は女性である。そしてマッシブなフリスコスタイルを前に語ってくれた彼女の言葉が妙に澄んでいて、すべてを代弁してくれたので、ココは是非そのフレーズで結ばせてもらいたい。
「なんか迷ってる人がいるんだったら絶対にバイクには乗ったほうが良いです。ほんとに。ほんとに世界が変わるし、ほんとにいろんな人と知り合えたりとか、ほんとに自分で行きたいところに連れて行ってくれたりとか、すごく楽しいですから(笑)」
HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD DETAIL WORK
HANDLE
シンプルなハンドル周りはショートライザーとドラッグバーの組合せ。連綿と続く普遍的スタイルを踏襲する。
FRONT FORK
フロントエンドは41φワイドフォークの8インチオーバー。ホイールは21インチでリアに16インチを装着。
GAS TANK
アイアンスポーツ純正を採用。塗装は過去にカスタムペインターの名声も得たイーブルアクトのミナトさんが行う。
FOOT CONTROL
足周りはいつも通りの物を作った部位とのこと。高価なパーツではなく今手に入る物で雰囲気良くまとめられる。
MUFFLER
この手のスタイルと文句なしの相性を見せるスラッシュカットマフラー。吊るしに見せたワンオフパーツ。
REAR FENDER
フェンダーストラットは当時のオリジナルを使用し、それに合わせてフェンダーを加工。往年のダブルシートを選択。
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