ハーレー トラディショナルのパンヘッドチョッパー FLH 1963年

H-D FLH 1963
NAVY’S CUSTOM CYCLE

January 13th, 2022

伝世される
原点からの追想

懐にパンヘッドモーターを積んだコンパクトなチョッパー。今から30年以上前より、国内ハーレーシーンの中核を担ってきた先人が手掛けた上作を思わすトラディショナルなスタイルだ。この、これまでの作風とはまた違った一面を見せたのは、茨城県の『ネイビーズカスタムサイクル』である。

ハーレー トラディショナルのパンヘッドチョッパー FLH 1963年

「一応オールドスクールというオーダーですべてお任せだったので、原点回帰じゃないですけど僕の習ったことを形にしようと思って作ったものです」

茨城県の名門『ロナーセイジ』の中村さんのもとで働いた経験を持つ店主の紺野さんは、今まで氏のカスタムスタイルに寄せることはなかったが、機が熟したこのタイミングで何とはなしに着手することになった。

ハーレー トラディショナルのパンヘッドチョッパー FLH 1963年

「まずこういうオーダーが無かったのがひとつですよね。あと僕自身のパンヘッドもこうした形じゃないのは、過去習ったものについてそのまま作るというのが嫌だったのもあると思います。……なんと言っていいか分からないですね、難しいです」

見せ場をひと言で現すなら、バランス。ガスタンクひとつ取っても取り付けの前後位置や高さ、そしてフェンダーの長さなりデザインといった部分に関して、紺野さんが学んできた『美』が根底にあると言う。

ハーレー トラディショナルのパンヘッドチョッパー FLH 1963年

「フレーム、ガスタンク、フェンダーに関しては、まあ僕が思う美しい位置にセットしてます。で取り付ける方法もいろいろあるんですけど、スムージングといいますか、フロントからリアへの流れを崩さないような取付をしています」

全体のラインと同調したチェーンカバーなどのデザインはその時の思いつきを形にしたものだ。また、今回はリアフェンダーを片持ちステーにしたかったため、通常の2本仕様よりも当然強度を持たせて製作。分厚い9mmの鉄板から成形している。そして、エンジンのオイルラインやフットコントロール、メーターステーなどの要所に配したゴールドパーツのアクセントが嫌味なく高級感を醸し出す。

ハーレー トラディショナルのパンヘッドチョッパー FLH 1963年

「人それぞれ何がカッコいいというのは違うと思うんですけど、僕は凄いバイクはあまり好きじゃないです。カッコいいバイクは好きです。なので自分の中でそう思うバランスがあって、しっかりその取り付け位置と処理のシュミレーションをしています」

ハーレー トラディショナルのパンヘッドチョッパー FLH 1963年

気付けば当たり前のように作ったバイクだったそうだ。氏にとっては、作業を進めながらどこかなつかしい感じを覚えた、トラディショナルなオールドスクールである。

HARLEY-DAVIDSON FLH 1963 DETAIL WORK

トラディショナルのパンヘッドチョッパー 1963年のハンドル

HANDLE

通称カニ足ライザーはVツイン製で、そこに王道のドラッグバーを合わす。グリップはシンプルなブラックを選択。

トラディショナルのパンヘッドチョッパー 1963年のフロントフォーク

FRONT FORK

スプリンガーフォークはスタンダードなVツイン製をセット。同じくヘッドライトにもVツイン製を用いる。

トラディショナルのパンヘッドチョッパー 1963年のガスタンク

GAS TANK

前後取り付け位置やフレームへの被せ具合などに配慮したガスタンク。上面にレインボーフレイムスを塗装。

トラディショナルのパンヘッドチョッパー 1963年のエンジン

ENGINE

パンヘッドモーターにゴールドのW&W製オイルラインがアクセントに映える。エアカバーはFORK製。

トラディショナルのパンヘッドチョッパー 1963年のフェンダーステー

FENDER STAY

フェンダー縁にリブを入れて流麗かつ立体的なデザインとし、片持ちステーは9mm厚の鉄板から製作された。

トラディショナルのパンヘッドチョッパー 1963年のリアエンド

REAR END

片持ちのため左側フェンダーステーは排除される。チェーンカバーは全体のラインに合わせて形成されたもの。

BUILDER’S VOICE

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